出向契約終了後の雇用契約書の再締結について
関連会社へ出向していた社員の出向契約が終了となり戻ってくるのですが、その社員は勤務態度、営業成績、他者のコミュニケーションなどあらゆる点で問題があり、幾度とトラブルを起こしています。
これを機に雇用契約書を見直したく、給与額は出向先の半分以下で考えています。
この条件は元々、書面での取り交わしはないものの両者合意の上での条件です。また、入社時に取り交わした雇用契約書は出向先での給与条件になっていたので、出向契約終了時には再度、内容を見直して雇用契約書を交わすという覚書は取り交わしてあります。
このような場合でも不利益変更など法的に問題はないでしょうか?
投稿日:2017/12/01 15:51 ID:QA-0073780
- たわわさんさん
- 大阪府/保険(企業規模 1~5人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
出向契約終了後の大幅賃金カット
▼ 在籍型出向は、(出向先が関連会社であるか否かを問わず)、出向先・出向元間の出向契約書、及び、出向者・出向元間の出向合意書に基づき成立します。
▼ 出向者は、実務上は、出向先の指揮命令下で就労するので、出向先、出向元双方と労働契約が成立することになります。その住み分けは、就労に関する事項に就いては出向先、身分、考課、賃金等の重要事項は出向元の労働契約が適用されます。
▼ ご説明の限りでは、「解出向を機に、出向中のパーフォーマンスの悪さを事由に給与額を半減とするが、書面での取り交わしはないものの両者合意あり」といった一寸理解し兼ねる状況、「出向契約終了時には再度、内容を見直して雇用契約書を交わすという覚書あり」の具体的内容等、理解し難い点があり、確返は致し兼ねます。
▼ これだけ大幅な賃金変更なら、労働契約法第14条の趣旨の裏を読めば、余程、強固な合理的事由と、明確な証憑をが求められると思います。
投稿日:2017/12/04 12:24 ID:QA-0073803
相談者より
ご回答ありがとうございました。
本件については説明しづらい点もあり、ざっくりとしたご質問で申し訳ございません。
投稿日:2017/12/04 19:21 ID:QA-0073811参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
両者合意ということであれば、問題はありません。
口頭ではなく、再雇用契約書締結の際には、双方署名・捺印しておくことです。
投稿日:2017/12/04 12:34 ID:QA-0073804
相談者より
ご回答ありがとうございます。
再雇用契約書はそのようにいたします。
投稿日:2017/12/04 19:22 ID:QA-0073812参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、雇用契約書への記載もなく書面での取り交わしもなければ、仮に口頭にて同意を得られていたとしましても当人が否定された場合において有効性は担保出来ないものといえます。
特に賃金といった重要な労働条件につきましては文書での明示が義務付けられていますので、そうした明示がなされていない以上合意があったという主張は出来ないものといえます。
文面の覚書につきましても、単に新たな雇用契約書を取り交わすというだけであって、減給を実施するといった具体的な変更内容まで示されたわけではございませんので、現行の雇用契約書の記載内容を下回る賃金の見直しは不利益変更に該当し当人の同意を得なければ認められないものといえるでしょう。
但し、御社就業規則及び雇用契約書において人事評価に関する明示がなされており、当該評価によって減給も含め賃金の見直しをする事が定められていれば、評価ルールに基づくものである限り減給措置も同意なくして可能になります。その場合でも出向先の半分以下といった大幅な減給ですと、労働者の生活を脅かす等公序良俗に反する措置として認められない可能性が高いですので、せいぜい2割程度までにとどめられるのが妥当といえるでしょう。
投稿日:2017/12/04 17:56 ID:QA-0073809
相談者より
ご回答ありがとうございます。
出向の間だけ給与が高く、出向が終了すれば大幅な減給という点は書面なしの合意でしたが、もし同意されなければどうなのか不安でした。ありがとうございました。
投稿日:2017/12/04 19:27 ID:QA-0073813大変参考になった
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