昇格要件に、転勤など複数部署への異動経験を加えられるか?
当社では現在、制度変更の一環として、資格等級の再定義と昇格ルールの見直しを検討しております。
ルールを設計する上で、経営幹部候補者には、様々な部署での経験(国内外転勤含む)をした上で、ビジネスを俯瞰する能力を身に付けてもらいたいという思いから、一定の上位等級への昇格要件に、「転勤を含む複数部署での経験」を加えられないかと検討しております。
しかしながら、改正男女雇用機会均等法などの間接差別に抵触してしまうのではないかと、法的観点からの判断ができない状況です。
上記経営幹部候補者が該当している、いわゆる「総合職」とは別に、就業地域を限定した「地域総合職」が存在しておりますので、社員側も自己選択してキャリアを形成していける環境にあります。今回の経営幹部候補者は、上昇志向が強く、どんどん外に出て行って、色々な経験をしたいという志向の社員達です。
是非アドバイスを頂きたく思いますので、宜しくお願いいたします。
投稿日:2014/05/15 15:49 ID:QA-0058891
- *****さん
- 静岡県/その他業種(企業規模 11~30人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
異質の複数世界での経験は欠かせない
将来の経営幹部候補者の要件として複眼的な俯瞰能力は欠かせません。 その為に、 営業、 管理、開発、 製造、 海外、 出向など、 異質の複数世界での経験は貴重です。 とは言っても、 一定の勤続期間では、経験回数には限度があります。 時に、 統計的情報を持ち合わせている訳ではありませんが、 回答者の知り得る範囲内では、 これらの異質分野の内、 3~4箇所の勤務実績を、 昇格の実質 ( 内々 ) 要件としている大企業は少なくないと見ています。 経験分野のプライオリティは、 企業毎に異なりますが、 「 情報通信 」、 「 ファイナンス 」、 「 リーガル 」、 「 国際 」 などのウエイトが高まっていく傾向があります。 但し、 本テーマは、 人事制度の一環ではありますが、 「 経営者予備軍の育成 」 の観点に特化して議論されるのが効率的だと考えます。
投稿日:2014/05/16 10:42 ID:QA-0058900
相談者より
ご回答頂きありがとうございます。
やはり、複眼的な俯瞰能力は欠かせないのだと再認識いたしました。
会社・社員双方の選択を前提に、お互いの方向性・将来像を重ね合わせられる制度を目指して行きたいと思います。
投稿日:2014/05/16 11:27 ID:QA-0058901参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、経営幹部候補生にとって「転勤など複数部署への異動経験」が現実に業務上必要とされる事情在することが求められます。
明確な理由もなく、単に外部での経験があった方がよいかもしれない‥といった次元であれば、総合職の転勤要件等によく見られる間接差別に該当すると判断される可能性が生じます。
従いまして、こうした要件を設ける為の対応としましては、
・経営幹部候補生の位置付け・業務水準等を明確に定め、広域にまたがった事業展開への取り組み等といった異動が求められるよう具体的な内容を示す事
・出来れば経営幹部候補生に女性が登用されやすくなるよう、会社独自の女性キャリア・アップに関わる必要な支援(ポジティブ・アクション)を積極的に行う事
といった点が挙げられるでしょう。
投稿日:2014/05/16 21:41 ID:QA-0058903
相談者より
ご回答頂き有難うございました。
経営幹部候補生の位置付けや、なぜ広域かつ幅広い経験が要件となるのかを明確に定め、定義付けを行いたいと思います。
また、研修制度なども一体的に見直したいと思います。
投稿日:2014/05/17 17:49 ID:QA-0058905参考になった
プロフェッショナルからの回答
ルール
>昇格要件に、「転勤を含む複数部署での経験」
につきまして、評価や昇進判断はオープンなルールだけで測るのは難しく、一つの評価点として挙げることは必要と思いますが、それだけで完結するものではないと思います。ゆえに内規、経営陣の合意として、それを設定するのは良いと思いますし、公表しないのであれば自由に設定が可能といえます。一方、これをルールとして公表した場合、社員の希望で転勤や異動が可能なのか、バラつきは出ないのかという点が、会社を縛る恐れがあります。ある専門的業務のスペシャリストはジョブローテーションには適さない場合などです。そうしたことが一切ないのであれば公開ルール化も良いのではないでしょうか。
投稿日:2014/05/17 00:08 ID:QA-0058904
相談者より
ご回答頂き有難うございます。
ルールとしての周知内容と方法を検討しながら、合理性、法的観点など、バランスを保てるよう設計して行きたいと思います。
投稿日:2014/05/17 17:55 ID:QA-0058906参考になった
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