給与の遡り支給について
会社の責任により給与の一部が支給漏れになっていたことが発覚し、
過去経年分を遡り、結果として高額な手当を支給する場合に、
課税処理や社会保険手続等の視点で留意すべき事項があればご教授ください。
投稿日:2012/10/05 11:10 ID:QA-0051604
- ***さん
- 愛知県/その他業種(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
手当も原則としまして賃金(報酬)に該当しますので、支給漏れの場合には労働・社会保険料及び所得税課税の対象となります。
その際、徴収権の時効に関しましては、労働・社会保険料が2年、所得税が3年とされていますので、この期間は遡って徴収されることになります。
イレギュラーな事案になりますので、申請書や添付書類等も通常とは異なり繁雑となる場合もございます。従いまして、手続き詳細に関しましては、お手数ですが事前に労働保険料は労働基準監督署、社会保険料は年金事務所、そして税務処理に関しましては税務署にご確認された上で手続きを進められることが不可欠です。
投稿日:2012/10/05 23:18 ID:QA-0051617
相談者より
大変参考になりました。ご回答ありがとうございました。
投稿日:2012/10/22 08:58 ID:QA-0051759大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
それぞれに関して、留意点をまとめましたので参考にして下さい。
●労働保険料
労働保険料の徴収権の消滅時効は2年ですので、
過去2年分の労働保険料の不足分を納付する必要があります。
平成24年度(平成24年4月~平成25年3月)分に関しては、
来年の年度更新時に正しい金額で確定保険料として精算すれば問題ありません。
他方、既に確定保険料の精算が済んでいる平成22年・23年度分に関しては、
年度更新の訂正が必要になります。
「再確定申告理由書」に、
①当初提出した申告書、及び、確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表の写し、
②訂正後の申告書、及び、確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表を添付して
手続きを実施することになります。
詳細は管轄の労働基準監督署にご確認ください。
●社会保険料
報酬月額の算定が誤っていたことになりますので、
必要に応じて、支給漏れが生じて以降の資格取得届・算定基礎届・月額変更届の訂正届を
年金事務所に提出する必要があります。
訂正の結果、標準報酬月額が上がる場合には、
不足分の社会保険料を納付する必要があります。
社会保険料の徴収権の消滅時効も2年ですので、過去2年分の納付が必要となります。
●所得税
過年度分について、
年末調整のやり直し・ご本人への源泉徴収票の再交付・不足する源泉所得税額の
税務署への納付・法定調書合計表等の税務署への再提出が必要になります。
●住民税
従業員の方がお住まいの市区町村に対して、
給与支払報告書の訂正分を提出する必要があります。
平成23年1月~12月度の所得の訂正であれば
平成24年分の住民税特別徴収税額の増額で対応できますが、
それより前の年の所得の訂正分(平成23年分以前の住民税不足額)については、
ご本人が普通徴収で納付することになります
(ただし市区町村によって対応が異なる場合があります)。
従業員の方に上記追加徴収についての経緯を事前にご説明頂くとよろしいかと思います。
各手続きの詳細は管轄の官公庁に照会のうえ進めるようにしてください。
投稿日:2012/10/16 09:54 ID:QA-0051671
相談者より
大変参考になりました。ご回答ありがとうございました。
投稿日:2012/10/22 08:58 ID:QA-0051760大変参考になった
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