再就職支援のコンプライアンス的観点について
人事部門で働いています。
先日、倒産した関連会社の人材若干名を当社で再就職させる事を検討しております。
近々に、面接などを実施する予定ですが、うち数名は内定するかもしれません。
質問ですが、本件を進めるにあたり、倒産した会社の方から「人材を引きとる前に、ハローワークに求人を出して欲しい」と打診がありました。再就職手当が支給されるので、職安に出した求人経由で再就職が決定した形にしたいとの事。
先方の意図はわかりますが、職安に出せば、一般の方の目にも留まります。内定を出す前とは言え、仮に採用するとなっても、その倒産した会社以外の人材を採用する可能性は低く、実質的にはその会社の為に出すようなものです。
上記のようなケースはコンプライアンス上、問題ないでしょうか。
不正受給につながるのではと危惧しております。
投稿日:2010/10/25 11:12 ID:QA-0023506
- *****さん
- 神奈川県/その他業種(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
コンプライアンス上、悪質な問題を含む
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■ 関連会社の言われているのは、労働移動支援助成金 ( 求職活動等支援給付金、及び、再就職支援給付金 ) のことだと思います。これは、事業規模の縮小等により離職を余儀なくされる労働者等に対し、求職活動等のための休暇を付与した事業主、民間の職業紹介事業者に労働者の再就職支援を委託し、再就職を実現させた事業主に対し、給付される助成金のことです。
■ 当然、厳しい、具体的な自助努力が要求されます。詳細は割愛しますが、例えば、再就職援助計画を作成し、公共職業安定所長の認定を受けなければならないとされています ( 雇用対策法第24条 )。その援助計画の具体例のトップに挙げられているのが、「 取引先企業や 《 関係企業 》 への斡旋 」 です。
■ 関連会社の依頼は、筋道が逆です。コンプライアンスというより、一寸不適切な表現かも知れませんが、支援給付金の詐取につながる可能性さえあります。回答者としては、《 不正受給につながることは明らかで、コンプライアンス上、悪質な問題を含んでいる 》 と判断致します。因みに、この支援金制度は、事業が存続し続け得ることを当然の与件としているものと見受けます。
投稿日:2010/10/25 14:03 ID:QA-0023509
相談者より
川勝様 早速ご回答ありがとうございます。勉強不足で、労働移動支援助成金の事は初めて知りました。少々調べて見た所、受給要件として、特に再就職支援は「民間の職業紹介事業者に委託」とあるので、「(求職者が手当てをもらえるように)ハロワに求人を出して」とする先方の意図とは違うような気もします…。私が勘違いしているのかもしれませんのでもう少し調べて見ます。有り難う御座います。
投稿日:2010/10/25 14:20 ID:QA-0041493参考になった
プロフェッショナルからの回答
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コンプライアンスの原則
ご提示の行為は詳細がわかりませんので断言は出来ませんが、最悪の場合詐欺になる「可能性」があると感じます。
こうした補助金類はその主旨からして、休職難の現状を少しでも支えるため税金が投入されています。退職したら何が何でも失業給付をもらわねば損、という感覚の者も一部にはいるようですが、さすがにここまで厳しい不況になりますと、そのようなばかなマネをしたら、せっかくの職を得るチャンスを棒に振ることが、やっと少しは知られてきたようです。
本件の場合も、やはり法律がどうあれ、主旨からしてハローワークにカラ求人を出し、出来レースで採用をする、という構図は変わりません。そのようなことをして得られるわずかな利益によって、コンプライアンスへの姿勢という重要な資産に傷がつくのはあまりに割が合わないのではないでしょうか。
投稿日:2010/10/26 21:45 ID:QA-0023536
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