非常勤取締役との業務委託契約
いつも参考にさせて頂いています。
さて、当社の非常勤取締役との業務委託契約の締結は法令上可能でしょうか。
因みにその非常勤取締役は、他社の常勤取締役もしております。
日々日参して社の業務にあたっていますので、別途に報酬を出したいと思います。しかし、常勤取締役にすることが出来ませんし、取締役報酬も上げることが困難です。(他の非常勤取締役の承認を得る事が難しい)
非常勤取締役なので使用人兼務にもなれません。
そこで業務委託契約を思いついたのですが、他に方法がありましたらご教示願います。
投稿日:2026/01/13 17:02 ID:QA-0163039
- 総務庶務担当者さん
- 秋田県/食品(企業規模 51~100人)
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本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
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具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
理論的には、非常勤取締役との業務委託契約は可能と思われますが、
実務的には、取締役としての職務との切り分けが難しく、税務署から
役員報酬の隠蔽とみなされるリスクがあるように思案いたします。
慎重に実態に即した契約形式や税務リスクを考慮する必要があります。
本件につきましては、当サイトの専門分野とも離れます為、税理士及び、
企業法務に強い弁護士へ詳細をご相談することをお勧めいたします。
投稿日:2026/01/13 18:00 ID:QA-0163041
相談者より
ご回答ありがとうございました。税理士等に確認してみます。
投稿日:2026/01/14 08:52 ID:QA-0163058大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
取締役の位置付けと業務が合っていない可能性はないでしょうか。取締役は業務遂行者ではなく経営者です。それゆえ人事の管轄下にはありませんし、労基法の対象にもなりません。
業務委託契約で業務を課すことが、そもそも取締役としての位置付けと反するように思われます。また経営者なので、他の役員の同意が得られないのに業務を課すというのも不合理のように見えます。
尚、役員報酬と業務委託契約の齟齬について、税的な問題点があるかどうかは、税務の専門家のご確認を得て下さい。
投稿日:2026/01/13 21:36 ID:QA-0163051
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2026/01/23 09:38 ID:QA-0163528大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、不可能とまではいえませんが、他社の取締役もされているとなれば、やはり利益相反行為に該当する可能性もございますし、基本的には避けられるべきといえます。
「日々日参して社の業務にあたっています」という事でしたら、通常であれば他の非常勤取締役と比べて業務への貢献も高いはずですしそれ故取締役会での承認を得る事も可能なはずですが、それが難しいという事でしたら御社特有の相応の事情が有るものと考えられます。
そうであれば、処遇改善の支障となっている非常勤取締役としての契約を終了された上で、新たに業務委託契約を締結されるか、またはより行い易い対応としまして新たに使用人として雇用されるといった措置も考えられるでしょう。
但し、人事労務の範疇を超える問題にもなりますので、会社法務に精通された弁護士や税理士等の専門家にもご相談されてみる事をお勧めいたします。
投稿日:2026/01/13 22:15 ID:QA-0163053
相談者より
ご回答ありがとうございました。弁護士等にも聞いてみます。
投稿日:2026/01/23 09:40 ID:QA-0163529大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.非常勤取締役と「業務委託契約」を結ぶことは可能か
結論から言うと、原則として不可(極めてリスクが高い)と考えるべきです。
取締役は、会社法上「会社との委任関係」に基づき職務を行う者であり(会社法330条)、その職務執行の対価は取締役報酬として支払われるのが原則です。
そのため、
取締役として行う業務
取締役の地位に付随する業務
について、別途「業務委託契約」を締結し報酬を支払うことは、実質的に取締役報酬の二重支給と評価される可能性が高く、以下のリスクがあります。
主なリスク
会社法上
・株主総会決議を経ない「隠れた取締役報酬」と評価される
税務上
・役員賞与認定 → 損金不算入
・源泉所得税の誤り指摘
監査・税務調査時
・業務委託契約の否認、追徴課税
特に「日々日参して社の業務にあたっている」という実態がある場合、
取締役職務と業務委託業務の切り分けは極めて困難です。
2.「非常勤取締役 × 使用人兼務」が不可な理由
ご認識のとおり、取締役は原則として使用人を兼ねることができません
例外の「使用人兼務役員」は、常勤取締役で、株主総会決議が必要
したがって、非常勤取締役のままではこの選択肢は使えません。
3.実務上、比較的現実的な代替案
(1)取締役報酬の「職務内容を明確化したうえでの増額」
最も正攻法で安全なのは、
非常勤取締役の職務内容・関与頻度を明確化
報酬改定の理由を議事録に明確に残す
定期同額報酬として支給
他の非常勤取締役とのバランスが問題となる場合でも、
「業務量・責任の差」を合理的に説明できれば、法的には可能です。
(2) 社外専門家としての「完全に別人格」での業務委託(※要注意)
極めて限定的ですが、
取締役としての職務と明確に切り離せる専門業務
(例:弁護士・会計士・コンサルタントとしての独立業務)
成果物・契約内容・報酬体系が明確
指揮命令関係がない
場合に限り、例外的に認められる余地はあります。
ただし、
日常業務への関与
経営判断補助
社内調整・管理業務
が含まれると、ほぼ確実に否認されます。
(3) 取締役を一旦退任し、業務委託に切り替える
実務上は、
非常勤取締役を退任
業務委託契約を締結
必要に応じ顧問・アドバイザーとして関与
という整理もありますが、取締役としての法的責任・権限を失う点に注意が必要です。
4.まとめ(結論)
非常勤取締役との業務委託契約は、原則不可・高リスク
「実態が日常的な業務従事」であれば、ほぼ否認対象
現実的な選択肢は
(1) 取締役報酬の見直し(定期同額)
(2) 極めて限定的な専門業務のみの業務委託
(3) 取締役退任後の業務委託
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/01/14 01:44 ID:QA-0163056
相談者より
ご回答ありがとうございました。丁寧なご説明をありがとうございました。大変参考になりました。
投稿日:2026/01/23 09:41 ID:QA-0163530大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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