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となりの人事部
日本の人事部「HRアワード2016」受賞者インタビュー
第76回 株式会社リクルートホールディングス

働く場所を従業員自らが選ぶ「リモートワーク」
働き方の選択肢を増やすことが、
個人の能力発揮と会社の成長につながる(前編)

株式会社リクルートホールディングス 働き方変革推進室 室長 林 宏昌さん
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成長していくために、一人ひとりの「働き方変革」が不可欠

―― 実証実験の結果を見て、「リモートワーク」など働き方変革を行うことが、次のリクルートの成長には不可欠だと考えたわけですね。

働き方変革については、まず「個人起点」を第一に考えました。今後、70~80歳まで働くことが当たり前の社会になった時、人は自律的に人生をデザインし、マネジメントしていかなければなりません。実際リクルートでは、定年までこの会社で働こうと考えている人があまり多くありません。その後のキャリアをどう築いていくか、自分自身で考えています。そのため、「働き方変革」ではその部分をもっと開放し、自分で自分のライフスタイルを作ってほしいと考えています。そのようなアプローチを行いながら、いかに業務の価値向上につなげていくかを考えていく必要があります。

「リモートワーク」と言うと、家で仕事をしているイメージが強いでしょう。最初のきっかけは、それでいいと思います。重要なのは働き方変革を、一人ひとりが成長し、価値を高めることへとつなげていくことです。例えば新卒採用事業に携わっているなら、大学生が集まる場所の近辺で働いて、実際に学生はどんな会話をして、どんなことに問題を抱えているのかといったことに直接触れながら、次の企画を考え、マーケティングを行うことがより良い商品やサービスの提供へとつながります。あるいは、コワーキングスペースでいろいろな会社の人とディスカッションを行うことも、これからの商品・サービスのあり方を考えていく上で、非常に有用だと思います。

株式会社リクルートホールディングス 働き方変革推進室 室長 林 宏昌さん

つまり、「リモートワーク」は在宅勤務に止まるものではなく、会社の外に出て、カスタマーに寄り添い、自由にいろいろな声やニーズを聞きに行くことのできるフレキシブルな働き方なのです。今までできなかった時間の使い方や価値創造を考えていくきっかけとなるでしょう。いかに「リモートワーク」にレバレッジをかけて使っていくのか。取り組みはまだ始まったばかりですが、この働き方をどんどんと広げていきたいと考えています。

「働き方変革プロジェクト」は、「こういう働き方をしてください」と勧めるためのプロジェクトではありません。重要なのは、一人ひとりがどのような働き方をしたいのか、どのような人生を送りたいのか、ということです。それを実現していくためのプロセスを示すのが「働き方変革プロジェクト」の役割だと思っています。

また、もう一つの役割は、企業の成長につなげていくこと。一人ひとりの自由な働き方を認めた上で、どうやって企業の成長へとつなげていくかをパッケージで考えなければいけません。ただ、「リモートワーク」を進めたことで売上や利益がどう上がったのかは、現時点では明確に検証できていません。次のフェーズでは、この点にしっかりと向き合っていくことが必要だと考えています。

―― 投資をしたら、それを上回る効果が必要になります。

アンケートベースでは、マネジメントする立場の人や制度適応を受けている人も、「生産性が向上した」と回答しています。この結果を見ると、双方とも実感値として成果が高まっていると感じているようです。ではこれを、どうすれば「価値」という部分に結び付けていけるのか。とにかく定量的な形で実証していくことができれば、他の日本企業にも「リモートワーク」が取り入れやすくなると思います。

多くの企業が悩むのは、個人の働き方を自由にすると、企業としての成長が損なわれるのではないかという点ではないでしょうか。そのため、なかなか踏み切ることができない。このような懸念事項に対して、私たちの実証実験や働き方変革プロジェクトを拡大していった結果、どれだけ説得力のある成果を示していくことができるのか。これが次のフェーズにおける大きな課題だと思っています。


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