育児・介護支援制度の最新実態
介護休業の期間
「法定どおり」が7割。「法定を上回る」場合は、“1年”が多い
法令等の定め
- 対象家族1人につき通算93日まで(法11条、15条)
介護休業の期間については、上記に示した「法定どおり」とする企業が70.4%と7割を占め、「法定を上回る」は29.6%でした。先にみた育児休業でも、「法定どおり」が70.7%であり【図表1】、育児と介護では取り扱いにあまり差がないものとみられます。
規模別にみると、「法定どおり」とする企業は1,000人以上36.8%、300~999人80.0%、300人未満90.5%で、規模による格差が顕著となっています。1,000人以上の大手では、「法定を上回る」が63.2%と6割を超えています。
「法定を上回る」場合の内容については、“対象家族1人につき通算1年以内”が多く見られました。
介護休業中の月例賃金の取り扱い
「支給しない」がほとんど
法令等の定め
- 介護休業の申し出や取得を理由に解雇その他不利益な取り扱いをしてはならない(法16条)
- 介護休業期間中の賃金を支払わないことは不利益な取り扱いに該当しないが、休業期間を超えて働かなかったものとして取り扱うことは「不利益な算定」に該当する(指針第2の11の(3)のハ)
介護休業中の月例賃金については、上記のように支払い義務はなく、企業が任意に定めることができます。
介護休業した際、法定期間(対象家族1人につき通算93日まで)は、雇用保険から介護休業給付が支給されるため、ここでは(1)法定期間と(2)法定を上回る期間に分けて、月例賃金の支給状況を尋ねました。
(1) 法定期間
「支給しない」が95.8%と9割台に上り、「一部支給」はわずか1.4%にとどまりました。また、育児休業では子が3歳になるまで社会保険料が免除され るのに対し、介護休業ではそのような措置がないため、「社会保険料相当額を支給」するところが1.7%とわずかながらみられました。
「一部支給」する場合の具体的内容としては、“25%”“基本給の15%”などがみられました。「その他」(1.0%)は、“最初の7日間について50%支給”“復職直前の5日間のみ有給”などです。
(2) 法定を上回る期間
「法定を上回る期間」についても、「支給しない」が88.2%と、上記(1)と同様大半を占めています。「一部支給」と「社会保険料相当額を支給」はそれぞれ4.7%となっています。
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