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若手社員の早期離職防止~ジョブ・クラフティングでキャリア自律性を高める~

三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルティング事業本部
組織人事ビジネスユニット HR第4部 コンサルタント 宮本 直樹氏

若手社員の早期離職防止~ジョブ・クラフティングでキャリア自律性を高める~

若手社員の離職防止が企業にとって喫緊の課題です。離職の背景を踏まえた慎重な対処が求められる中、従業員の内発的動機や職務満足を高める手法として近年注目されている「ジョブ・クラフティング」について、その定義と実践方法を解説します。

ジョブ・クラフティングとは

ジョブ・クラフティングとは、自らの仕事経験を自分にとってより良いものにするために、主体的に仕事や職場の人間関係に変化を加えていき、キャリア自律性を高める創造的なプロセスです。この言葉は仕事(ジョブ、job)と、自らの手で創り上げる(クラフティング、crafting)を組み合わせたもので、すなわち「自身の仕事を主体的に創り上げる」ことを意味しています。社会の変化に伴い、多様な価値観を持った従業員がこれまでにない知識やスキルを磨いている一方、その多様さゆえに、従来の人材管理・人材開発手法での個別対応が難しくなっているのが現状です。そのため、従業員が自らの仕事に工夫を施すジョブ・クラフティングが有効な手段として期待されています。

ジョブ・クラフティングの実践方法

ジョブ・クラフティングでは、「認知」、「業務」、「関係性」という3つの観点から、自らの働き方を見直していきます。

1つ目の認知クラフティングは、仕事の捉え方や意義付けを変える取り組みです。例えば、クレーム対応の場面を「厄介な顧客に対処する苦痛な時間」と捉えることもできますが、「どのような相手でも冷静に受け答えできるようになる訓練の機会」とも捉えることもできます。第三者から見れば同じ業務でも、当事者の捉え方によって得られる経験や成長は大きく異なります。また、「目の前の仕事は誰のためにやっているのか」「今の仕事で得られるスキルが将来の自分にどう生かせるか」といった視点で仕事の意義を問い直すことも、認知クラフティングの1つです。

2つ目の業務クラフティングは、自分の持ち味や強みを発揮して、業務の内容や方法などを工夫する取り組みです。例えば、絵を描くのが得意な人であれば、後輩を指導する場面でイラストを交えて説明すれば、本人にとっては楽しさが生まれ、後輩にとっても理解しやすくなります。また、手書きデータをパソコンに入力するような単調な定型業務でも、「自ら設定した時間内に終わらせる」といったゲーム感覚(ゲーミフィケーション)の要素を取り入れることで、単なる作業に面白さを感じるだけでなく、工夫する楽しさや業務時間の短縮につながる場面もあるでしょう。仕事の裁量の幅は職種や職場によって異なりますが、「自分の工夫によって仕事に変化を起こせる」という実感を得られることが、働きがいを高めるためには重要です。

3つ目の関係性クラフティングは、周囲の人々との関係性の質や量を変化させる取り組みです。例えば、挨拶が習慣になっていない職場で、自ら率先して挨拶を始めることで、同僚の態度や職場の雰囲気が変わることがあります。また、海外の取引先と対面での接点が持てない中、業務外のちょっとしたやり取りをチャットで交わすことで、良好な関係構築につながる可能性もあるでしょう。つまり、上司、同僚、顧客といった仕事で関わる全ての人々との目線や価値観の違いについて思いを巡らせ、互いに尊重し合うコミュニケーションを心掛けることも、関係性クラフティングに含まれます。

ジョブ・クラフティングの実践を支援する立場として

若手社員のジョブ・クラフティングの実践を支援するためには、周囲の支援が不可欠です。支援する側は、たとえ小さな工夫であっても若手社員本人に言語化させ、それを否定しないことを意識しましょう。若手社員は、自ら考えた工夫を実践し、小さな成功体験を積み重ねることで自己決定感を高めていきます。しかし、支援者が先んじて指示・指導してしまうと、その効果は失われてしまいます。いずれ大きな変化へとつながると信じて、辛抱強く本人の言葉を引き出したり、それを促したりする姿勢が大切です。したがって、支援者にはコーチングスキルが求められます。

一方、「ジョブ・クラフティングの実践によりキャリア自律性が高まれば、かえって離職を誘発してしまうのではないか」と不安に思う方もいるでしょう。しかし、自律的・主体的キャリア形成は、組織へのコミットメントを高め、転職意欲を抑制する可能性があるとの分析結果が示されています[ 1 ]。従業員のキャリア自律性を懸念するあまり、他律的・受動的な従業員ばかりを選ぶことになってしまう組織は、結果として変化が激しい現代社会を生き抜くことが難しくなります。個々の従業員の自律的・主体的なキャリア形成と、離職を防ぎたい会社側のニーズとを両立させるためにも、ジョブ・クラフティングを積極的に活用されることをお勧めします。

【参考文献】
高尾義明『「ジョブ・クラフティング」で始めよう 働きがい改革・自分発!』p.15-28(日本生産性本部生産性労働情報センター、初版、2021年)

[ 1 ]リクルートマネジメントソリューションズ 人材育成・組織開発サービスサイト「若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査 組織のなかでの自律的・主体的なキャリア形成の実態」
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/inquiry_report/0000001017/?theme=career(最終確認日:2025/4/2)

【関連コラム】
若手社員の早期離職防止(1)若手社員の離職問題のこれからを考える
若手社員の早期離職防止(2)効果的な離職防止策を打つためのチェックポイント
若手社員の早期離職防止(3)キャリアデザイン支援は離職防止の打ち手となるか

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、三菱UFJフィナンシャル・グループのシンクタンク・コンサルティングファームです。HR領域では日系ファーム最大級の陣容を擁し、大企業から中堅中小企業まで幅広いお客さまの改革をご支援しています。調査研究・政策提言ではダイバーシティやWLB推進などの分野で豊富な研究実績を有しています。未来志向の発信を行い、企業・社会の持続的成長を牽引します。
https://www.murc.jp/

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