【労働法超入門】派遣マージン率等の情報公開
労働新聞社
前回に引き続き、改正派遣則・告示の4月施行分についてご紹介します。今回は、マージン率等の情報公開です。
派遣法では、派遣元事業主(人材ビジネス業者)に対して、以下の情報を関係者(派遣先や派遣労働者など)に提供するよう義務付けています。
(1) 派遣労働者の数
(2) 派遣先の数
(3) 派遣料金の平均
(4) 派遣労働者の賃金平均
(5) マージン率
(6) 同一労働同一賃金の協定の有無等
(7) キャリア形成支援制度の内容
情報提供の方法として、「事業所への書類の備付」「パンフの作成」「インターネット活用」「人材サービス総合サイトの活用」などが例示されています。ただし、従来、指針で上記の(5)(6)に限って、インターネット公開を原則とすると定めていました。つまり、それ以外の項目((1)~(4)、(7))については、顧客となる見込みの人(派遣先、派遣労働者になるかもしれない人)等が、事務所に来て「資料をみせてください」と請求した場合、それに応じればよかったわけです。
しかし、令和3年4月からは、指針により、すべての情報について、「常時インターネット利用により、広く関係者、とりわけ派遣労働者に提供」することが原則とされました。
今どき、ホームページを公開していない人材ビジネス業者は少数派でしょう。ですから、基本的には、ホームページ上で、法定の情報を公開すれば、義務を果たしたことになります。しかし、厚労省設置の「人材サービス総合サイト」にも併せて登録しておけば、営業面でも有用でしょう。
なお、情報提供が必須の事項のほか、福利厚生に関する事項、派遣労働者の希望に応じた派遣先とのマッチング、雇用安定措置の実施実績等の情報も掲載することが望ましいとされています。他の業者との「差異化」という意味で、自社に有利な情報については積極的な発信を心がけるべきでしょう。
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