子供は、親の背中を見て育つ?
アイデム人と仕事研究所
岸川 宏(きしかわ ひろし)
親の背中は、子のキャリア観にも影響があるのか?
子供の育成は、親の影響が大きいという実験結果を紹介しましたが、キャリア観には影響するのでしょうか?
皆さんは、小学生の時に、なりたい職業はあったでしょうか?
アイデム人と仕事研究所で行なった「子供のキャリア観に関する調査」の集計結果の一部をご紹介しましょう。
調査対象は小学校5年生または6年生の子供とその親(1308名)に行なったもので、子供への調査は親の代理回答(調査時に同席している子供に質問をし、その回答を聞いて記入する)となっています。
調査対象である小学校5年生、6年生(以下「子供」)に「将来なりたい職業はあるか」を聞いたところ、「ある」と回答した子供は48.6%、「ない」は35.5%となりました(図1)。
親と同じ職業には就きたくない?
なりたい職業があると回答した子供に、その職業に将来なりたいと思う理由をたずねると、「好きなことだから」53.9%で最も多く、「かっこいい、かわいいから」30.8%、「社会や人の役に立ちたいから」20.3%と続きます。「親がしているから」と回答した子供は、わずかに4.1%となっていて、親の仕事をまねる、同じことをしたい と思う子供はかなり少ないようです。親としては少々さびしい結果ですね。
この結果は、親が就いている仕事を知らない、見たことがないからなのでしょうか?子供に「親の仕事を知っているか」と聞いたところ、「知っている」という子供は95.2%で、ほとんどの子供が親の職業を知っていました。父親、母親の仕事を知っているかとの問いには、「父親」の仕事については87.8%、「母親」の仕事については92.0%が知っているという結果。回答者の母親の就労状況を見ると、パート勤務の方が多く、居住地の近隣で働いている可能性が高いと考えられます。そのため、父親よりも母親の仕事の認識の方が強いのではないかと推察できます。(図2)。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。