企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】ミカツヨウロウドウシヒョウ 未活用労働指標

「未活用労働指標」とは、労働力人口と潜在労働力人口のうち、未活用を示す失業者、追加就労希望就業者、潜在労働力人口の割合を示す数値です。総務省は2018年1~3月期から新たに、労働力調査において「未活用労働指標」の公表を始めました。これまで労働市場を表す一つの指標として示されていた「完全失業率」に加え、就業していない人の中でもそれぞれのステータスを細分化することで、雇用情勢をより多角的に把握することを目的としています。
(2018/6/28掲載)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

未活用労働指標のケーススタディ

完全失業率だけが雇用情勢の指標ではない
細分化された労働指標で人材の活用へ

一億人総活躍社会の一環として、女性の働き方を支援する動きが広まりつつあります。超高齢社会においては労働人口の確保が問題となるため、多様な労働力を有効活用していかなければならないのです。国際的にもこうした労働力活用は大きな課題となっており、2013年、スイス・ジュネーブで開催された、ILO(国際労働機関)が主催する第19回国際労働統計家会議では、ガイ・ライダーILO事務局長は、「未活用労働(Labour Underutilization)」という考え方の重要について言及しました。

ここで採択された新決議の一つが、未活用労働を適切に計測するというもの。従来、「就業」という観点から、人口は「就業者」「失業者」「非労働力人口」の三つに分けられていました。しかし、労働力の「未活用」にあてはまるのは、単純に失業している人だけではありません。たとえば、すでに働いているけれど「もっと働きたい」と考えている人や、仕事につきたいと思っているけれど現在は仕事を探していない人などが、これにあたります。こうした分類をより詳しく把握するために取り入れられたのが、「未活用労働」と呼ばれる概念です。

「未活用労働」は、次の三つのケースがあります。
(1)就業者であるけれど、パートタイムなどで労働時間が不十分で追加的なワークを希望し追加就業可能な人(=Time-related underemployment)
(2)就業しておらず、就業可能であり、求職している人(=失業者)
(3)就業しておらず就業に興味はもっているものの、失業者の条件である求職活動と就業可能性のどちらか一方を満たしていない人(=Potential labour force)

さらに「未活用労働」は四つに分けられ、Labour Underutilizationの頭文字をとり、「LU1」~「LU4」と表現されます。LU1は、国際労働機関(ILO)の定義に基づく「国際基準の失業率」、LU2は労働力人口(=就業者+失業者)に対して、失業者と「もっと働きたい労働者(追加就労希望就業者)」がどれだけいるかを示します。LU3は、働く意思はあるけれど、求職をあきらめて非労働力化(非労化)してしまった人などが含まれます。LU4は、労働市場で活用可能な人全て(追加就労希望就業者と潜在労働力人口)を考慮した指標で、労働供給の「伸びしろ」を示す指標ともいえます。

2018年1~3月期の日本のデータでは、失業者は184万人、仕事を追加したいパートタイム労働者など「追加就労希望就業者(LU2)」は177万人、短期間で就業可能な「潜在労働力人口(LU4)」は37万人でした。雇用情勢を細かく分析することで、働く上での障壁になりうるものに積極的に対処できるようになり、多様な人材の活用につなげることができます。こうしたデータが蓄積されることで見えてくる、未来の労働力の可能性が注目されます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせて読みたい

労働力人口
労働力人口とは、労働に適する15歳以上の人口のうち、労働力調査期間である毎月末の一週間に、収入を伴う仕事に多少でも従事した「就業者」(休業者を含む)と、求職中であった「完全失業者」の合計を指します。一国における働く意思と能力を持つ人の総数であり、国の経済力を示す指標の一つとされます。
縁辺労働力
「縁辺労働力」とは、経済情勢の変動に影響されて労働市場への参入と退出を繰り返し、労働力になったり非労働力になったりする就業形態が不安定な層のことです。具体的には、パートタイマー・派遣労働者・臨時工などを指します。これに対し、終身雇用であるなど学校卒業から定年退職まで常に労働市場の内部にいて、経済情...
在宅就業障害者支援制度
「在宅就業障害者支援制度」とは、自宅もしくは福祉施設などで働く障害者に仕事を発注する企業に対して、障害者雇用納付金制度から助成金(特例調整金・特例報奨金)を支給する制度。障害者の就業機会拡大を図る障害者雇用促進法に定められ、2006年に導入されました。同制度では、自宅などで就業する障害者と仕事を発注...

関連する記事

HRテクノロジーを「採用」や「業務効率化」で活用している企業が昨年から倍増
採用におけるHRテクノロジー活用の割合は、「活用している・成果あり」(23.2%)、「活用している・成果なし」(9.1%)を合わせて32.3%という結果となった。昨年は15.1%だったので、この1年間で約2倍に増加したことになる。また、業務効率化における活用は...
2019/07/08掲載人事白書 調査レポート
人材派遣の「現状」
進化・拡大の勢いは止まらず――。数字から読み解く人材派遣市場の動向
2016/10/31掲載よくわかる講座
勧告・指導、改善状況の実態は?労働基準監督署による企業監督事例(上)
労働基準監督署が実際に行った勧告や指導内容、改善状況を事例で紹介しています。
2007/01/05掲載人事・労務関連コラム

関連するQ&A

36協定
36協定は、時間外労働と休日労働を分けて協定するようになっていますが、休日労働の時間数は、時間外労働の時間数に算入しなくて良いのでしょうか?
徹夜労働について
休前日から翌日(休日)にかけて徹夜労働をさせた場合の質問です。 ①例えば翌日の朝9:00まで労働させた場合、夜中0:00から朝9:00までの間は、前日の労働時間とみなされると思うのですが、その時間分の時間単価は、休日労働の135%になるのでしょうか?それとも前の日からの労働時間として125%でよい...
休日の短時間労働の振り替えについて
初めて質問いたします。 休日に出勤して3時間労働を行った場合、その労働者と事前に取り決めていれば、翌月曜日に3時間早退することは可能でしょうか?
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 採用 ]
分類:[ 雇用 ]
テレワーク特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

ジョブ・カード制度 総合サイト

50音・英数字で用語を探す

新着用語 一覧

注目コンテンツ


テレワーク特集

「テレワーク」のメリット・デメリットを整理するとともに、導入プロセスや環境整備に必要となるシステム・ツール、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加<br />
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

急速に変化する市場環境の中で競争力を維持・向上させていくためには、人材...


会社の新しい挑戦を支えるために<br />
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

会社の新しい挑戦を支えるために
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

第一三共株式会社は2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グルーバル...


「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現<br />
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

「見える化」による効果検証で テレワーク導入をスムーズに実現
西部ガスが取り組む“業務・ワークスタイル改革”とは

福岡市に本社を構える西部ガス株式会社は、「働き方改革」の一環としてテレ...