【解説】「テレワーク」ガイドラインの変更点と実務対応
一般社団法人日本テレワーク協会 主席研究員
今泉 千明
9 労働安全衛生法の適用および留意点
【変更点】 メンタルヘルスについて新たに記載
(1)安全衛生関係法令の適用
テレワークガイドラインによると、テレワークを行う労働者の健康確保を図るために、「労働安全衛生法等関係法令等に基づき、過重労働対策やメンタルヘルス対策を含む健康確保のための措置を講じる必要がある」としています。
具体的には、下記の施策実施により労働者の健康確保を図るということです。
1:必要な健康診断とその結果等を受けた措置(労働安全衛生法66条から66条の7)
2:長時間労働者に対する医師による面接指導とその結果を受けた措置(同法第66条の8および66条の9)および面接指導の適切な実施のための時間外・休日労働時間の算定と産業医への情報提供(労働安全衛生法52条の2)
3:ストレスチェックとその結果等を受けた措置(労働安全衛生法66条の10)
(2)自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備の留意
テレワークガイドラインによると、テレワークを行う作業場について、次のように
定めています。
自宅等の事業者が業務のために提供している作業場以外である場合には、事務所衛生基準規則、労働安全衛生規則および「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(平成14年4月5日基発第0405001号)の衛生基準と同等の作業環境となるよう、テレワークを行う労働者に助言等を行うことが望まれます。
10 労働災害の補償に関する留意点
【変更なし】 在宅勤務ガイドラインから変更なし
テレワークガイドラインでは、テレワークを行う労働者の補償について次のように定めています。
テレワークにより勤務を行う労働者については、事業場における勤務と同様、労働基準法に基づき、使用者が労働災害に対する補償責任を負います。このため、テレワーク勤務における災害は、業務上の災害として労災保険給付の対象となります。ただし、私的行為等業務以外が原因であるものについては、業務上の災害とは認められません。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。