6割以上の採用担当者が、学生に直にアプローチできる採用手法を検討
~「2016年卒採用」における、スケジュール後ろ倒しの影響とは?~
『日本の人事部』は、全国のビジネスパーソン(経営者、管理職、人事担当者など)に対して「2016年卒の新卒採用」に関するWEBアンケートを実施し、その結果をまとめました。(調査期間:2014年9月22日~10月7日、回答社数:220社)
2016年卒から新卒採用の時期を繰り下げる「採用選考の指針」が日本経済団体連合会(経団連)によって発表されました。これにより、「広報開始」が2015年の3月以降、「選考開始」が8月以降と後ろ倒しになります。スケジュールの変更に伴い、採用計画の見直しを迫られる企業は少なくありません。新卒採用は、企業が持続的に発展・成長する上で欠かせないものです。将来、事業の中核を担い経営の中心となるコア人材の獲得は、採用担当者の大きなミッションといえます。企業は、目の前に迫った2016年卒の採用活動をどのように乗り越えようとしているのでしょうか。「2016年卒の新卒採用、選考開始時期」「2016年卒の新卒採用における採用手法」「2016年卒の新卒採用の後ろ倒しにより、懸念されること」について聞きました。
「採用選考の指針」に基づいて採用活動を行う企業が半数。 大手以外の企業では、後ろ倒しのスケジュールが不利に働くと懸念
2016年卒 新卒採用の選考開始時期を聞いたところ、「2015年3月」(27.1%)、「2015年4月」(15.3%)、「2015年8月」(11.8%)と、半数の企業が経団連の「採用選考の指針」に基づいて動くとの結果でした。「あまりに早い採用選考は大学教育への支障をきたす。経団連の採用指針に従う」とのコメントもあり、法を順守した上で、採用活動に臨む企業が多いようです。一方で、「指針には従うが、不人気企業なので苦戦が予想される」「2015年8月前に、インターンシップ、リクルーターによる実質的な選考活動が行なわれると予想している。大手企業の選考過程が不透明になることを懸念」という声も。認知度の低い企業や中小企業は、選考スケジュールの後ろ倒しにより、採用活動が困難になると感じているようです。
学生との直接的な接点を強化。採用担当者の行動量が重要に
後ろ倒しのスケジュールで採用活動を行うにあたって、どのような採用手法を考えているかについて聞いたところ、「学内セミナーへの参加」(20%)、「インターンシップの実施」(18.5%)、「大学訪問の強化」(16.9%)、「合同説明会などの外部イベント参加」(12.3%)が上位を占めました。「これまでも学内セミナーには出展していたが、今年はさらに数を増やす」「待ちの採用をするのではなく、求める人物像に出会える可能性のあるイベントや説明会への参加を考えている」「今年はすでに9月から業務体感型のインターンシップを導入している。集客できる学生は対応する手間分少なくなるが、学生の反応は良い」などの声からも分かるように、採用担当者が積極的に動き、学生との直接の接点を増やそうとする動きが見られます。
他社の動向を注視しながら、柔軟にスケジュールを見直す必要あり
2016年卒の新卒採用の後ろ倒しにより、懸念されることについて聞いたところ、「他社とのバッティングの増加」(22.4%)が最も多く、続いて「採用予定数の確保が困難」(17.9%)、「学生との接触機会の減少」(14.9%)という結果になりました。「各社のにらみあい、ばかしあいになってしまいそうで、スケジュールが立てにくい」との声もあり、採用担当者は、例年以上に他社の動向に気を配りながら、自社の採用計画を都度見直し、柔軟に対応できるよう準備していくことが求められそうです。
【調査概要】
調査対象 :全国のビジネスパーソン(経営者、管理職、人事担当者 など)
調査期間 :2014年9月22日~10月7日
調査方法 :WEBアンケートによる回収
有効回答社数:220社