独身者の別居手当
弊社は全国に拠点があり、転居を伴う異動があります。
現状、単身赴任者には単身赴任手当として、二重生活にかかる負担分に対し、世間並みの額を手当として付けております。
この度、「独身者でも今まで実家で親と暮らしていたのに会社の命で遠方に一人暮らしをさせられて出費が増えているので手当は出ないのか」という声が上役に伝わり「地元を離れて頑張っている社員に報いる制度はないのか」という声が降りてきました。
つきまして、「一定距離以上の店舗への転居を伴う異動を命じられた場合、特定の手当を払う」という制度の導入を考えております。
ただ、心情的にはわからないでもないのですが、独身社員に転居を伴う異動後に毎月特定の手当を払うという会社を聞いたことがありません。
ほかポイントとしては、
・転居を伴う転勤の際には、「赴任手当」という一時金があります。
・社内では「ローカル社員」「グローバル社員」があり、待遇差がついています。
・「グローバル社員」のベースアップ案も考えたのですが、家から通っているグローバル社員はエリア社員と同じ状態なので待遇を上げる必要はないのではないか、との意見があり見送られた。
お聞きしたいのは、
・他社でこのような事例はどれだけあるのか。あるとすればどのような運用を行っているのか(実家の定義付など)
・導入に当たり、思いつく留意点は何があるのか。
・例えば「実家から離れて住んでいる」というだけの理由で「別居手当」という名目で手当を払った場合、割増賃金の対象外にしても良いのか
時代の流れを見ると「手当」を無くして基本給の原資にする潮流で逆行感は承知ですが、温情味のある社風というのもあり、このような提案の指示をされております。
ご教授のほどお願いします。
投稿日:2020/10/15 19:56 ID:QA-0097559
- showingさん
- 岐阜県/運輸・倉庫・輸送(企業規模 1001~3000人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、確かに具体的事例は殆ど見られないようですし、一般的には社宅の提供や家賃補助といった風に対象を具体的に示す形での支援策になっているものといえます。
しかしながら、逆にいえば社員のニーズが高いようでしたら御社独自の施策としまして検討される価値も十分にあるものといえるでしょう。婚姻率の低下とあいまって独身社員も増える傾向にありますので、時代の流れに逆行するどころか採用募集の際のアピールにもなりえるものと考えられます。
導入する際の留意点ですが、上記観点からしますと実家の定義等を厳格にして対象者を絞り込むよりは、独身の転勤者を広く支援する方向で検討される方が望ましいようにも思われます。但し、予算の問題も当然ございますので、その辺は社内で十分に議論された上で決められるべきです。
また、会社の命令によって生じた同居の家族と離れての勤務に対する手当であれば、文字通り別居手当に該当するものといえますので、割増賃金の算定基礎から除外する事が可能になるものといえます。
投稿日:2020/10/17 17:19 ID:QA-0097595
相談者より
ご回答ありがとうございます。
仰る通り、弊社は拠点が幾つかあるのですが、本社のあるエリアでは地元思考が強く、「転勤」という言葉を出すと抵抗がある学生が多く採用PRにも繋げたい狙いもあります。
グローバル社員全員に手当をあげたいのですが、原資が潤沢にある時代ではありませんので、このような判断に至っております。
また、実際問題、実家を離れて一人暮らしで頑張っている社員と、地元から通勤している社員と同額の待遇というのはいかがなものか、という心情的なものになっております。
また、弊社に住宅手当はありませんが、社宅や、借り上げの制度はありますので、そういう意味では援助があります。ただ、それでも一人暮らし分の持ち出しは相当額あるのはもちろんです。
投稿日:2020/10/19 09:18 ID:QA-0097604大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
独身者には支給不要
▼社会通念としては、単身赴任とは、「会社の命」により、「夫婦の何れか片方」が「止むを得ない事情」で、「他の家族成員を現在住んでいるところに残した儘」、「 一人で遠方へ転勤する 」と定義できるでしょう。
▼その意味で、別居手当とは、単身赴任手当と呼称する方が、誤解が少なくて済むでしょう。独身者に就いては、独立居住か、親族同居かは、本人オプションであり、本手当の対象ではなりません
投稿日:2020/10/18 13:46 ID:QA-0097600
相談者より
ご回答ありがとうございます。
既婚者の単身赴任手当の定義は世間一般的な形で通じるのですが、独身の定義が難しいです。
社員の言い分としては、「結婚していないが、世帯(親)と分離して転勤して出費が増えているのだから、既婚者の単身赴任社と何が違うのか」という感じのようです。確かに転勤を命じたことにより出費が増えているのは事実です。
私も実は不要論派なのですが、昔のように地元を離れて全国まわって出世するという時代でもなく、出世よりプライベートとの両立という若者の意見を鑑みると、一考は必要と感じております。
投稿日:2020/10/19 09:09 ID:QA-0097603大変参考になった
回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。
問題が解決していない方はこちら
お気軽にご利用ください。
社労士などの専門家がお答えします。