出向時の勤務時間差異による給与について
弊社では在籍出向で、グループ会社に社員を出向させております。
勤務条件については、基本的には出向先に従うよう指示しております。
弊社では基本的には、実労働8時間とし基本給を支給しておりますが、
出向先の一つであるグループ会社の実労働時間が、7.5時間となっております。
出向先のルール等もあるでしょうから、無理やり8時間働かせる訳にはいかない為、
他の出向社員との平等性を図るため、給与面で調整をしたいと考えております。
そこで下記について、ご質問です。
弊社の募集要項
例)基本給:25万
勤務時間:9~18時(実労働8時間) 1週間40時間 <勤務時間については出向先に合わせる場合もある>
と、なっております。
実労働時間が、7.5時間の出向社員の場合、8時間に満たない分は基本給から控除しても問題ありませんか?
ご回答お願い致します。
投稿日:2017/12/26 13:08 ID:QA-0074151
- たこわさびさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 11~30人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
「本人の自発的、且つ、明確な同意」があれば控除可能
▼ 在籍出向を命ずるに際しては、出向元・出向先間の契約書と出向者・出向元間の合意書が必要ですが、後者に就いては、出向者に不利益となる条件の場合、出向命令権の濫用と看做されます(労働契約法・14条)。
▼ 今回の事案では、時間当りの賃金単価は維持されていますが、労働時間が縮小されているので、1日当りの賃金額はプロラタ減少します。
▼ この変更を、不利益変更と言うか、時間短縮に伴う当然の賃金減故、不利益変更ではないと理解すべきかは、意見が分かれると思います。
▼ 賃金減を避けたい出向者にとっては、不利益感が強く、労働時間短縮を望む出向者は、賃下げではなく、不利益変更との認識は薄いでしょう。
▼ 依って、ご質問に対しては、「本人の自発的、且つ、明確な同意」があれば、「8時間に満たない分は基本給から控除しても問題はない」と考えます。
投稿日:2017/12/26 22:19 ID:QA-0074164
相談者より
第一は出向社員の同意ということですね。
ありがとうございました。
投稿日:2017/12/28 11:28 ID:QA-0074178大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、出向先で労働時間が減る事に関しましては、当然ながら出向社員側の事情ではなくあくまで出向を命じた御社側での事情によるものといえます。
従いまして、その為に基本給が減給となる措置につきましては、出向者本人にとりましては何ら責任のないものですので、労働条件の不利益変更として当人の同意を得ない限り認められません。他の社員との公平性についても、労働時間の相違が微少である事に加えまして、この度の出向がたまたま当該社員に指示されたと推察されることからも問題とはなりえないものといえます。
それ故このような場合ですと、賃金控除無での出向が妥当というのが私共の見解になります。
投稿日:2017/12/27 18:14 ID:QA-0074168
相談者より
ご回答ありがとうございます。
働いていない分減給するのは当然のように思いますが、不利益変更とい認識になってしまいますか?
投稿日:2017/12/28 11:32 ID:QA-0074179大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
再度お答えいたします
ご返事下さいまして感謝しております。
「働いていない分減給するのは当然のように思いますが、不利益変更という認識になってしまいますか?」
―前回も申し上げました通り、「働いていない」のは本人の自己都合ではなく、会社都合になりますので、当然の減給には当たらず不利益変更になります。仮にこれが不利益変更でないならば、会社都合により労働時間を削減することで給与を減らす事が可能となりますが、そのような措置は現行賃金を定めた労働契約への違反となりますので認められません。たとえ出向であっても同じことになります。
投稿日:2017/12/28 14:02 ID:QA-0074184
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