裁量労働制と三六協定
いつも業務において参考にさせていただいております。
当社では裁量労働制(専門業務型、企画業務型双方)を導入しております。
どちらも所定労働日のみなし労働時間は、所定労働時間7.5時間+2時間の9.5時間としております。
私の理解では、裁量労働制は所定労働日の労働時間についてのみ上記のみなし労働時間(当社の場合は9.5時間)働いたとみなすのみであり、休日出勤した場合(法定、所定問わず)は実労働時間を労働時間として把握して、労働基準法に定められた割増賃金を支払う必要があると考えております。
その前提として、所定労働日に1.5時間の法定外労働および休日出勤をさせる以上、当然、三六協定の適用対象者に裁量労働制適用者(以下、裁量労働者)含めて同協定を締結しております。(当社の場合、特別条項付き三六協定を締結しており、一か月 45時間(80時間)、3か月 120時間(240時間)、一年 360時間(570時間)としております。()内は特別条項。)
三六協定の適用対象者として裁量労働者を含めて協定を締結しているのですから、当然、裁量労働者も三六協定違反とならないように、労働時間を管理する必要があると考えております。
例えば、所定労働日20日、所定休日10日の月があった場合に、休日出勤7.5時間/回を3回したものがあれば、その月の法定外労働時間はみなし分の30時間+休日出勤22.5時間=52.5時間となり、通常の三六協定の上限を超えることとなり、特別条項適用月として管理しなければならないはずです。
しかし、上司は「裁量労働者はみなし労働制のため特別条項付き三六協定の適用対象外であり、労働時間管理をする必要がない」と主張して、裁量労働者の労働時間管理(通常の三六協定の上限時間、および特別条項の双方)の必要性を認めません。
本当に、上司の言う通り裁量労働者は法定外労働時間の管理をする必要はないのでしょうか。それとも、私の認識が誤っているのでしょうか。
お手数をおかけしますが、本件、ご教示いただければ、ありがたく存じます。
投稿日:2017/10/19 14:10 ID:QA-0072996
- 千葉のやっさんさん
- 東京都/情報処理・ソフトウェア(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、裁量労働制に基づいて勤務する労働者につきましても、みなし労働時間が1日8時間を超える場合には時間外割増賃金の支払義務が生じます。またご認識の通り、休日については原則としてみなし労働時間が適用されませんので、実労働時間によって労働時間を把握した上で週1回の法定休日における労働時間であれば休日割増賃金、それ以外の法定外休日でかつ時間外労働に該当する労働時間については時間外割増賃金の支給が必要です。
つまり裁量労働制であっても、36協定に基づく時間外及び休日労働の適用がなされますので、工作物の建設その他上限時間適用対象除外となる事業または業務に従事されていない限り、36協定の上限時間等も適用対象となります。
但し、上限時間に関しましては時間外労働のみが対象ですので、法定休日労働の労働時間数はカウントされない点に注意が必要です。
投稿日:2017/10/19 18:32 ID:QA-0073009
相談者より
早速のご回答ありがとうございました。
認識してはおりましたが、「法定休日労働の労働時間数はカウントされない点に注意が必要」である点に留意して三六協定の適用対象として管理する方向で、あらためて上司と話し合ってみたいと思います。
投稿日:2017/10/20 07:35 ID:QA-0073012大変参考になった
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