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入社数カ月での事業撤退による余剰人員の解雇について

いつもお世話様です。

外資系で人事を担当しているものです。 新事業の担当としてプロフェッショナルスキルを有する人材を口説き落として数カ月前にご入社いただきました。 しかしながら本社の決定でその新事業から日本は撤退することとなり、特殊なスキルのため社内ではその人材に適するポジションを見つけられず、退職頂くプロセスにはいっております。(30日前予告はクリアしています)

しかしながら当然本人は納得しておらず訴えることも辞さない状況です。 また弊社は退職金制度がなく、本人への退職金加算金などの支給も難しい状況です。 会社として穏便にご退職いただくために何をすべきかご教示いただければ幸いです。

よろしくお願いします。

投稿日:2014/09/18 11:18 ID:QA-0060277

*****さん
東京都/その他業種(企業規模 101~300人)

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答3

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

「 前門の虎、 後門の狼 」

事業撤退、 解雇に要する退職金など、 海外本社に大幅な主導権があるようなので、 一般的な整理解雇の手順の遵守と、 誠意ある対応という精神論だけでは、 本人の納得は得難いように見受けます。 ご承知のように、 解雇係争の措置として、 現職復帰だけではなく、 金銭支払を法制化しようとする動きもある位ですから、 名称は兎も角、 退職一時金的な経済的補償なしには 、係争化する可能性が大きいと見受けます。 厄介なことに、 海外本社の同意なしに、 迅速、 適切な行動が制限されれば、 不必要に傷口を広げる可能性もあります。 先ず、 本人の雇用先は、 日本法人であり、 日本の法令、 労働慣行が適用されるので、 本社から、 解雇係争に必要な権限と経済的補償の権限を得ないと、 動きがとれず、 極めて不利な結果を招くことになりかねません。 その意味で、 「 本社 」 と 「 解雇対象社員 」 という 「 前門の虎、後門の狼 」 という状況にあることを自覚して行動することが重要です。

投稿日:2014/09/18 12:38 ID:QA-0060278

相談者より

早速のご回答を頂きありがとうございました。 やはり金銭支給での解決が最も納得性のある方法と認識しました。 一点先生の解説にある「金銭支払を法制化しようとする動き」については昨年の10月に解雇規制の緩和に関する法案は未決となったと理解しております。その後も引き続き検討が続いているということでしょうか? 追加の質問で恐縮ですがご教示いただければ幸いです。 どうぞよろしくお願いいたします。

投稿日:2014/09/18 18:16 ID:QA-0060280大変参考になった

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プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

ご利用頂き有難うございます。

ご相談の件ですが、外資系企業であっても日本国内の事業所での雇用に関しましては国内の労働法令が適用されます。御社にとりましては青天の霹靂という事でしょうが、入社した従業員に取りましては全く責任の無い事ですので、円満に退職してもらう為には出来る限りの慎重かつ誠実な対応をされる他ないものといえるでしょう。

このような場合ですと、整理解雇に求められる4要件(解雇の必要性・解雇回避の努力・対象人員の選定の合理性・労使間での誠実な交渉等手続の妥当性)を満たされる事が必要といえます。最初から解雇ありきで当人が退職に同意しなくとも30日前に予告さえすればよいという考えは禁物です。

具体的には、配置予定のポジションが無くなる事についての詳細事情を説明される事は勿論、「解雇回避の努力」としまして当人の希望有無に関わらず他のポジションで雇用継続出来ないかを検討し、極力そうした提案を当人に示されるべきといえます。それで当人が納得し解雇を回避出来れば訴訟にならずに済みますし、納得せず訴訟になるとしましても会社としましてやるべき手立てを取ったという証拠になりえます。勿論、その為にもこうした相談内容に関しましては、書面で記録に残しておくことが不可欠です。

いずれにしましても、会社側に誠意がないと判断される事が最悪ですので、時間がかかっても当人と話し合いの場を出来る限り取られて、解雇回避以外でも双方納得が行くような落としどころを探っていかれるのが妥当といえます(例えば、事情が事情ですので特別に退職金を支払う等、規定外の特例措置を取られてもよいでしょう)。話し合っても当人が強硬で御社のみでの対応が困難の場合は、労働問題に精通した弁護士にご相談の上対応される事をお勧めいたします。

投稿日:2014/09/18 19:19 ID:QA-0060284

相談者より

アドバイスをありがとうございました。 弊社社内には配置できるポジションがないのですが、ホールディング内の関連企業まで広げて雇用継続(会社は代わりますが)の努力をしてみたいと思います。 退職一時金なども視野に入れて本社へ交渉したいと思います。ありがとうございました。

投稿日:2014/09/19 14:48 ID:QA-0060288大変参考になった

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プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

不当解雇に対する金銭補償での解決

「 金銭支払を法制化しようとする動き 」 とは、 係争で不当解雇とされた場合、 職場復帰しか道がない現行法制を、 金銭補償での解決も、 欧米並みに認めよういうものです。 まだ法案の段階ではなく、 厚労省の労働政策審議会で、 これから詳細を詰め、 早くても、 16年度の通常国会での審議となります。 日経新聞 ( 14/8/24付 ) に割合詳しく報じられています。 最近の記事なので、 当該新聞の入手は難しくないでしょう。

投稿日:2014/09/18 20:04 ID:QA-0060286

相談者より

川勝先生、追加質問へのご回答をありがとうございます。 ご教示頂いた情報を入手して、本社への交渉に使いたいと思います。 ありがとうございました。

投稿日:2014/09/19 14:50 ID:QA-0060289大変参考になった

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