管理監督者の休日勤務時間の取り扱い
適用除外となる管理監督者の時間外労働に対しては、深夜を除き賃金を支払っていないのですが、以前からの慣習で、休日勤務の時間は累積管理し、代休で消化するという運用を行っています。時効は設けていないため、消化しない限り累積時間が増えていくことになります。
完全月給制ではあるものの、休職規程により、私傷病で3ヶ月欠勤となった場合は休職となるため、その後は給与が支給されなくなります。しかし、前述の休日勤務時間を充当すると、多い者では半年以上の休暇が取得できることになり、更に年次有給休暇もありますから、長期にわたって給与が支給されることになります。監督者にとっては「私傷病など有事の際の保険」として受け止められています。
会社としては、実労働がない状態で長期間給与が支給されることを問題視しており、休日勤務の累積管理を廃止したいと考えていますが、会社が認めたルールでもあり、監督者の反発もあると予想しています。
このような監督者の休日勤務の取り扱い自体、一般には稀であると思っていますが、この運用を続けること及び廃止することに何か問題はあるでしょうか?
投稿日:2011/12/20 17:28 ID:QA-0047509
- *****さん
- 岐阜県/その他業種(企業規模 301~500人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
賃金債権として消滅時効の対象
|※| 先ず、ご相談の 「 一種の特別休暇 」 も、通常の年次有給休暇と同様、賃金債権ですから、権利が発生した日から2年以内に使わないと、時効により消滅しますので、「 有事の際の保険 」 としての機能は、極めて、限定されます。 .
|※| 確かに、稀な制度ですが、管理監督者の健康管理が目的なら、この消滅時効を参考に、利用期限を厳しく設定すれば、本来の趣旨に沿った活用に近づくのではないでしょうか。それでも、有休化 ( 代休化とは異なる ) を廃止するなら、当事者に対する、「 不利益変更 」 としての対処が必要になります。
投稿日:2011/12/20 18:27 ID:QA-0047510
相談者より
ご回答ありがとうございました。
「2年で消滅時効」と「不利益変更対応」を選択肢に加えて検討したいと思います。
投稿日:2011/12/20 19:00 ID:QA-0047511大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
御相談の件ですが、ご認識の通り労働基準法上の管理監督者は休日の適用も除外されている為、御社のような代休制度を採られているのは稀なケースといえます。
しかしながら、代休制度が継続して実施されているとすれば仮に就業規則に定めが無くとも労働条件の一部として認められることがございます。まして会社が正式に認めた制度になっていますと、これを縮小または廃止する措置は労働条件の不利益変更に当たることになります。
従いまして、当該制度を廃止する場合には会社側の意思のみで一方的に行うのではなく、労使間できちんと協議を行い極力個別同意も得た上で制度変更を行うことが求められます。
投稿日:2011/12/20 23:04 ID:QA-0047518
相談者より
ご回答ありがとうございました。
不利益変更のへの対処として充分な説明とゆるやかな制度変更を考えたいと思います。
投稿日:2011/12/21 14:42 ID:QA-0047535大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
管理監督者の休日代休制度について
■運用を続ける場合は、休日に関する事項は、書面で明示義務がありますから、就業規則に明示しなければなりません。その際には、再度、制度内容について、時効、代休取得期限等整備すべきでしょう。
■廃止する場合には、不利益変更となりますので、廃止の趣旨をよく説明し、原則として、同意を得ることが必要です。その際、以下注意点です。
・労基法上の管理監督者は、経営者と一体、人事権がある、相応の賃金をもらっているなどハードルが高いですが、実態として、管理監督者といえるか。微妙な場合には、反発も予想されます。
・対象者が何名いて、休日出勤は、過去1年、過去2年に何日あるのかなど現状分析が必要です。
・経過措置として、過去の権利について、廃止まである程度の期間をおく。あるいは、例えば過去1年分は買取るなどのお互いの妥協案の検討も必要です。
以上
投稿日:2011/12/21 12:56 ID:QA-0047531
相談者より
ご回答ありがとうございました。
現時点では、時効つきの制度変更を考えており、就業規則の変更も行いたいと思います。
また、不利益変更のへの対処として充分な説明と、猶予期間を設けるなど、ゆるやかな変更を行いたいと思います。
投稿日:2011/12/21 14:45 ID:QA-0047536大変参考になった
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