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労基法(30日前予告)と派遣元派遣先指針の不整合について

検索をしたところ、他の方の過去の質問(H000232)が終了しているため相談いたします。
これまで派遣会社との契約で6ヶ月更新の途中であっても、労基法(30日前解除予告)に準じて「派遣先(当社)からの30日前予告」により途中解除可能な契約をしていたのですが、先日派遣会社のほうから「その条文を削除し、代わりに途中解除の場合は解除予告手当以上の損害賠償を派遣先が負う」条文にするとの申し入れがありました。
どうも派遣元派遣先指針(2009/3/31付)によるらしいのですが、労基法(30日前解除予告)との不整合があると思うのですが、指針より法のほうが実質適用されるということでよろしいのでしょうか?
つまり、これはあくまで指針ということで、実際はこれまで通り派遣契約途中でも労基法(30日前解除予告)に従い派遣先(当社)から30日分の賃金を支払えば契約解除可能なのでしょうか?それとも不可なのでしょうか?これまで通り以下の条文で契約を行うことは不可なのでしょうか?

<現在の条文>
「派遣労働者の責に帰すべき事由によらない派遣契約の解除については、派遣元・派遣先事業主は新たな就業機会の確保を図ることとする。これができないときは、労働関係法規に基づき派遣契約の解除の少なくとも30日前に予告することとし、派遣先が30日前に予告しないときは少なくとも30日分以上の賃金に相当する額について派遣元は請求することがある。また、派遣先は派遣元から求められたときは、派遣契約解除の理由を派遣元に対し明らかにすることとする」

<派遣会社から提示された条文>
派遣先の責に帰すべき事由により派遣契約の中途解除を行おうとする場合には、派遣先は新たな就業機会を確保することとし、これができないときは、少なくとも派遣元事業主に生じた損害である休業手当解雇予告手当等の額以上の損害賠償を行うこととする。また、派遣先は派遣元から請求があったときは、派遣契約解除の理由を派遣元に対し明らかにすることとする」

<派遣元派遣先指針(2009/3/31付)>
参考URL: 
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/rkr/rsf/hakenshishin.htm

投稿日:2009/07/03 10:38 ID:QA-0016661

人事部勉強中!さん
北海道/通信(企業規模 101~300人)

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プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答1

プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

労基法と派遣先指針の間には不整合はありません

■ 労基法は、使用者と労働者の関係を対象とするのに対し、派遣法は、派遣先・派遣元間の派遣条件を法律面から規制するものです。従って、労働者の雇用に関する一義的責任は、あくまで派遣元企業にあります。その意味では、対象分野を異にする法律です。
■ 然し、派遣を業とする派遣元にとっては、派遣先の責に帰すべき事由で、契約が途中解除されることは、当該労働者の雇用機会を大きく損ない、休業や解雇が必要とされる可能性があります。この場面で、派遣元企業には、労基法に沿った措置が要求されます。
■ このような、休業や解雇に必要な原資は、当然、派遣先に要求されることになります。この損害賠償要求は、これらの原資確保に限られず、途中解除に伴う、一般管理費や逸失利益を上乗せすことも違法ではありません。損害賠償に、当該労働者への休業や解雇関連の費用は、その一部として含まれているということですから、金額が違っていても、二つの法律間の不整合ということではありません。
■ 今回、<派遣会社から提示された条文> 内容は、以下のサイトでも、正しいことを、確認致しました。労基法との関係(競合関係にはないこと)を、ご理解いただければ、修正要請に応じられるのが正しい措置だと思います。なお、派遣元派遣先指針(告示)は、法律施行上要求される措置を示したもので、実質的に、法自体と同様の強制効力があります。

《 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou/dl/9shishin.pdf 》
■ 因みに、前回、引用しました、厚労省告示は、ご指摘のように、3月31日で改訂されているにも拘わらず、本日現在も、取り消されていないので、最終版として扱ってしまいました。

投稿日:2009/07/03 13:33 ID:QA-0016662

相談者より

簡潔で素人にもわかりやすいご回答をありがとうございます。労基法との関係(競合関係にはないこと)を了解いたしました。どうもありがとうございました。

投稿日:2009/07/03 14:00 ID:QA-0036527大変参考になった

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回答に記載されている情報は、念のため、各専門機関などでご確認の上、実践してください。
回答通りに実践して損害などを受けた場合も、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
ご自身の責任により判断し、情報をご利用いただけますようお願いいたします。



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