有期契約(1年更新)社員の業務上負傷休業中の期間満了退職
いつもお世話になっております。
現在、契約期間を1年とし、勤務成績や能力を勘案した上で双方の合意がある場合は契約更新上限4回(=最長5年)とする有期契約社員の検討をしています。
業務上負傷もしくは疾病により労災認定され治療中(休職する場合も休職はしない場合も)に契約期間満了日を迎える際に、業務上負傷によることは関係が無いような他の理由で契約更新をせず期間満了退職とすることは可能でしょうか。なお、その決定及び通知をすることは契約期間満了日の1か月以上前である前提です。
1年毎に契約更新の有期契約社員でも、労災認定の場合に、契約更新をしない理由が労災に関係の無い場合でも3年経過や打ち切り補償等が関係してきてしまうのか分からず、ご教授ください。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/01/15 10:42 ID:QA-0163121
- 人事担当1さん
- 愛知県/その他業種(企業規模 501~1000人)
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
労災認定を受けて治療中(休職の有無を問わず)であっても、契約期間満了による不更新自体は理論上可能です。ただし、実質的に「労災を理由とした不更新」と評価される場合は無効となるリスクが高いため、極めて慎重な判断と運用が必要です。
2.労災中の不更新と解雇制限の関係
労働基準法19条は、業務上の負傷・疾病による療養期間中およびその後30日間の「解雇」を禁止しています。一方で、有期契約の期間満了は形式上「解雇」ではありません。
そのため、期間満了日に当然退職とすること自体が、直ちに同条違反となるわけではありません。
しかし、判例・実務上は、
更新が反復され、
更新への合理的期待(更新期待権)が認められる場合、
には、不更新が実質的な解雇に準ずると判断される可能性があります。
3.「労災と無関係な理由」での不更新は可能か
ご質問のように、
勤務成績
能力不足
協調性の欠如
など、労災とは無関係な理由が形式上示されていても、
労災発生後に初めて問題視された
労災がなければ更新されていたと推認される
他の社員との取扱いに不自然な差がある
といった事情があれば、労災を理由とする不更新と評価されるリスクがあります。
特に、療養中で就労実績が乏しい期間に「成績不良」「能力不足」を理由とする場合は、合理性が否定されやすい点に注意が必要です。
4.3年経過・打切補償との関係
労基法19条但書の「療養開始後3年経過+打切補償」は、解雇を可能にする例外規定です。
したがって、
有期契約が期間満了で終了する場合
解雇ではなく不更新として整理される場合
には、原則として3年経過や打切補償の問題は直接関係しません。
ただし、前述のとおり、不更新が実質解雇と評価されれば、打切補償未実施の解雇制限違反として問題化します。
5.実務上の留意点
(1) 更新基準(成績・能力等)を契約書・更新時書面で明確化
(2) 労災前から一貫した評価・指導記録を残す
(3) 労災発生後に評価基準を変更しない
(4) 不更新の判断・通知は、労災とは切り離した事実関係で説明可能か検証
(5) 可能であれば、労災終結までは形式的更新を行う選択肢も検討
6.まとめ
形式的には「労災と無関係な理由による不更新」は可能ですが、実務上は極めてリスクが高く、更新期待権や解雇制限との関係で無効判断を受けやすいのが実情です。特に反復更新型の有期契約では、「労災中不更新=実質解雇」と評価されないよう、慎重な運用が不可欠です。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/01/15 11:47 ID:QA-0163122
相談者より
ご回答、本当にありがとうございます。大変参考になりました。
慎重に検討をしたいと思います。
投稿日:2026/01/15 17:40 ID:QA-0163147大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
有期契約を更新しないことは、解雇にはなりませんので、
労基法上の解雇制限の対象とはなりません。
3年経過や打ち切り補償等も同様で、
これらは、無期雇用者が対象となります。
ただし、
業務災害の状況によっては本人が納得しないケースも考えられますので、
よく本人と話し合ってください。
投稿日:2026/01/15 12:43 ID:QA-0163125
相談者より
ご回答、本当にありがとうございます。大変参考になりました。
慎重に検討をしたいと思います。
投稿日:2026/01/15 17:40 ID:QA-0163148大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
業務上の負傷による療養中であっても、期間満了による退職は解雇制限の対象外
となります。解雇ではありません。
労災と無関係な客観的理由があり、社会通念上も妥当であれば、契約終了は可能
であり、打切補償等の支払いも不要となります。
ただし、更新を期待させる状況がある場合は慎重な判断が求められます。
一ヶ月前までの通知を丁寧に行い、これまでの貢献に感謝を伝えつつ、
本人の体調を気遣った誠実な対応を心がけなど、円満な手続き姿勢は必須です。
投稿日:2026/01/15 13:27 ID:QA-0163127
相談者より
ご回答、本当にありがとうございます。大変参考になりました。
慎重に検討をしたいと思います。
投稿日:2026/01/15 17:41 ID:QA-0163149大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
本来の有期雇用契約という性質上、可能ではあると思います。しかし、傷病それも労災起因の社員を雇い止めするのはきわめてリスキーで、裁判で完全勝利できるくらいの完璧な証拠固めがいるのではないでしょうか。
法律的にはともかく、現実的人事問題としては、限りなく難しいと考えます。
投稿日:2026/01/15 13:39 ID:QA-0163128
相談者より
ご回答、本当にありがとうございます。大変参考になりました。
慎重に検討をしたいと思います。
投稿日:2026/01/15 17:41 ID:QA-0163150大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
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