フレックスタイム制のフレキシブルタイムの留意点
いつも参考にさせて頂いております。
さて弊社ではフレックスタイム制を導入しており(コアタイムあり)ます。 本日はフレキシブルタイムについてご質問させて頂きます。
現在のコアタイムは11-15時ですが、特定の部門によっては顧客対応、部内会議や海外オフィスとの電話会議が多いため、既存のコアタイムでは支障がある、とのことで、基本のコアタイムを10-17としたい、との相談がありました。
労働基準法などを調べてみましたが、著しく社員の裁量を奪うものはフレックスタイムとはいえない、という記述があるだけで、どの程度を”社員の裁量”と考えるべきか判断できずご相談させていただきました。 この場合、一部の部門が10-17(因みにフレックス適用でない場合の勤務時間帯は09:30から18:00)のフレキシブルタイムを設定することは問題となりえるのでしょうか? その部門では、10-17を基本のコアタイムとするが、何らかの事情がある場合には会社全体のコアタイム11-15を上長に報告すれば(よっぽどのことがない限り)承認する、という運用を希望しています。
どうぞご教示のほど宜しくお願い致します。
投稿日:2009/02/12 18:02 ID:QA-0015169
- *****さん
- 東京都/その他業種(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、「10-17を基本のコアタイムとする」のでは、明らかに「著しく社員の裁量を奪う」ものといえます。
10時から17時までの時間は7時間、1時間休憩を挟むとしましても6時間ですので、通常の1日の労働時間の4分の3に当たりますが、当然これでは社員の自由裁量権は無きに等しいといえます。
少なくとも半分以上の時間はフレキシブルタイムとすることが要求されるものといえるでしょう。
コアタイム設定につきましては、あくまで会議等で全員が顔合わせを行なうのに最小限必要不可欠とされる時間に限定されるべきというのがフレックスタイム制自体の主旨に適っている考え方です。
仮に会社の業務事情により会社裁量部分を多く入れる事が必要であれば、フレックスタイム制自体の導入を見送るべきというのが私共の見解になります。
投稿日:2009/02/12 23:02 ID:QA-0015175
相談者より
ありがとうございました。 必要に応じて11-15を適用するとしたとしても自由裁量権に問題があること認識いたしました。 アドバイスありがとうございました。
投稿日:2009/02/13 13:16 ID:QA-0035955大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
業務対応上の効果も疑問
ご相談を拝見し、ご連絡差し上げます。
ご検討中のコアタイムに関する措置ですが、法令の趣旨に適っていないことに加えて、御社の業務特殊性にもマッチしているとはいえないのではないでしょうか?
というのも、仮にコアタイムが10-17、通常勤務の出勤時間が9時からとしますと、人間の習性としてほとんどの社員は9時から10時までの間で出勤時間を選択することになります。
しかも、先行運用企業の事例から見て、そうした場合、さらにそのうちの大半の社員は10時ぎりぎりに出勤することになるでしょう。
※残念なことに、日本国民の大半は、「朝型人間」より圧倒的に「朝寝坊型人間」なのです。
そうすると、御社の場合では、ごく少数の9時出勤社員に、朝一番の電話対応、海外拠点対応等の負担が集中することになり、業務分担の公平性が著しく毀損されることが、容易に想定されます。
結局、このようなケースでは、フレックスタイム制ではなく、通常の時間管理制度を適用したほうが、まだしも懸命といえます。
ご参考まで。
投稿日:2009/02/13 10:52 ID:QA-0015179
相談者より
ご回答ありがとうございました。
投稿日:2009/02/13 13:28 ID:QA-0035958大変参考になった
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