株式会社リクルートホールディングス:
働く場所を従業員自らが選ぶ「リモートワーク」
働き方の選択肢を増やすことが、
個人の能力発揮と会社の成長につながる
(後編)[前編を読む]
株式会社リクルートホールディングス 働き方変革推進室 室長 林 宏昌さん
リクルートが展開する「働き方変革プロジェクト」では、「リモートワーク」などにおいて、非常に大きな成果を残しています(前編参照)。さらに今後は、この取り組みを「サイバーオフィス」へと進化、発展させていこうとしているそうです。では、同社は今後どのように対応していこうと考えているのでしょうか。引き続き、プロジェクト責任者である林宏昌さんにお話をうかがいました。
- 林 宏昌さん
- 株式会社リクルートホールディングス 働き方変革推進室 室長
はやし・ひろまさ●2005年、リクルート入社。住宅領域の新築マンション首都圏営業部に配属。優秀営業を表彰する全社TOP GUN AWARDを、入社4年目と5年目に連続受賞、6年目でマネジャーに昇進する。入社8年目に社長秘書を務め、2014年に経営企画室室長、2015年4月より広報ブランド推進室室長兼「働き方変革プロジェクト」プロジェクトリーダー、2016年4月からワークスタイルイノベーション 働き方変革推進室室長に就任し、現在に至る。
「働き方変革プロジェクト」の詳細をWEBサイトで公開する理由
「働き方変革プロジェクト」に関するさまざまな施策に関して、起案から導入までのプロセスや、実践していく上でどのような課題があり、それをどのように解決していこうとしているのか、その詳細をWEBサイトの中で公開されていますね。その狙いとは何でしょうか。
「働き方変革プロジェクト」を進める際、まず社内でのコミュニケーションをいかに図るかがとても重要だと考えました。そのため、WEBサイトで実際の様子を積極的に公開しました。最初から社内に対してオープンにし、その上で何が課題となっているのか、また何がうまくいったのかを見てもらおうと考えたのです。ただし、少なからずリスクも想定していました。反対の声が一気に上がるかもしれないし、これまでやったことがないので、その結果がどうなるかも分かりませんでしたから。
このような取り組みでは、良かったことだけではなく、悪かったことも含めてオープンにしなければいけないと思います。正直、社内には「うまくいった部分だけを載せればいいのではないか」という声もありましたが、あえてそうはしませんでした。先取的な取り組みの場合、「成功」よりも「失敗」から学ぶことの方がむしろ多いからです。さらに、このような積み重ねがナレッジとして蓄積されていくと考えました。
リクルートは社内外にオープンにすることによって、ナレッジとしていくことが得意ですね。
最初は、「他の企業が、働き方変革の施策を進める時の参考にしてもらえればいいな」という気持ちで掲載していました。それが今回、「HRアワード」を受賞したことで、一定の評価がされたのだと再認識することができました。今後はさらに使い勝手が良くなるよう、インデックスを付けるなど工夫していきたいと思います。多くの企業に「働き方変革を進めよう」と思ってもらえるようなWEBサイトに再設計していきたいと考えています。
「先進的な取り組みを行おうとすると反対されることが多く、なかなか一歩を踏み出せない」と言う人は少なくありません。そのためか、当社の取り組みに対して、社内的にどのように進めていったのか、その「プロセス」をヒアリングに来るケースが増えています。WEBサイトには「プロセス」について、かなり具体的な内容を割いていますので、少しでも参考になれば幸いです。