企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

人事・労務実態調査

常勤役員の報酬・賞与等の最新実態
――年間報酬の額、賞与の割合など

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

成果主義やコーポレートガバナンスの高まりの中、役員報酬の業績への連動や退職慰労金の廃止など、役員の報酬制度に関する見直し・再構築の動きが急速に進んでいます。こうした中、労務行政研究所では「役員の報酬・賞与、退職慰労金などに関する調査」を実施しました。本調査は1986年からほぼ毎年行っているものです。今回は、常勤役員の報酬・賞与の水準を中心に取り上げました。

※『労政時報』は1930年に創刊。70余年の歴史を重ねた人事・労務全般を網羅した専門情報誌です。ここでは、同誌記事の一部抜粋を掲載しています。

社長の年間報酬は4080万円、25歳社員の約11倍

役位別に年間報酬を見てみると、会長が4328万円、社長が4080万円と4000万円台、副社長は3535万円と3000万円台、専務、常務はそれぞれ、2663万円、2258万円と2000万円台、取締役(兼務は除く)は1715万円、使用人兼務の取締役は1694万円、監査役は1518万円など、取締役以下は1000万円台の水準となっています。

調査対象の母集団は大きく異なりますが、労務行政研究所が実施した「2007年度モデル賃金・年収調査」による従業員の年収と、今回の調査結果である社長の年間報酬を参考まで比較してみます。大学卒・総合職25歳の社員の年収(2007年度の所定時間内賃金+2006年年末賞与+2007年度夏季賞与)は378万900円であり、社長の年間報酬(4080万円)はこの年収の約10.8倍に当たります。さらに、役職別にみると、社長の水準は課長(45.5歳・797万7600円)の約5.1倍、部長(51.6歳・1039万1300円)の約3.9倍に上ります。

図表1 役位別にみた報酬と賞与(常勤の場合)
図表1 役位別にみた報酬と賞与(常勤の場合)
[注]
( )内は構成比。なお、報酬月額欄で示した割合は報酬月額を12倍したもので算出した(以下同じ)。
年間報酬は報酬月額を12倍したものに年間賞与を加えて算出した(以下同じ)。
報酬、賞与のいずれかが不支給の場合も「0」として集計に含まれている(以下同じ)。
兼務取締役の水準は、合計に回答があった企業と、「役員分」と「従業員分」の内訳まで把握している企業を、それぞれ集計した。そのため、役員分と従業員分の報酬、賞与を足し上げても合計に一致しない。

役員の年間報酬に占める賞与の割合は10%程度の比率

前出モデル賃金・年収調査によると、従業員の場合、入社1年目を除き、年収に占める賞与の割合は27%前後と全体のおよそ4分の1強であるのに対し、役員の場合は会長12.4%、社長12.6%、副社長12.8%、専務11.7%、常務14.4%、取締役(兼務は除く)11.1%などと1割台にとどまっています。

これは、賞与の性格が役員と従業員では異なることに起因します。役員賞与はその全部が利益の一部を配分する性格なのに対し、従業員の賞与は、会社の業績が悪くとも世間相場に準じた金額(月数)を支払うケースが少なくありません。すなわち従業員の賞与の中には“最低保障分の賞与”があり、これは役員賞与にはない性格。そのため、年収(年間報酬)に占める賞与の割合も役員と従業員で異なるといえます。

図表2 役位別にみた年間報酬と構成比
図表2 役位別にみた年間報酬と構成比

1000人以上の社長の年間報酬は5000万円台

代表的な役位として、社長の年間報酬を規模別にみてみます。1000人以上は5480万円(報酬月額392万円、年間賞与776万円)と5000万円台に達しているのに対し、300~999人は3416万円(同249万円、428万円)、300人未満は3259万円(同244万円、331万円)と、従業員規模が大きいほど水準は高く、とりわけ1000人以上の水準が突出して高くなっています。

年間報酬の内訳をみると、報酬月額は1000人未満の各規模で200万円台なのに対し、1000人以上は392万円と400万円近い水準。また、年間賞与も、規模が大きくなるほど高く、1000人以上の水準を100.0にして指数をとると、300~999人では55.2、300人未満では42.7であり、1000人以上規模とそれ未満の格差の大きさは顕著です。

ちなみに、専務、常務、兼務取締役についても[図表3]で年間報酬の規模格差を紹介しています。専務は、300~999人、300人未満とも1000人以上の60%程度で規模による差は比較的小さいが、常務、兼務取締役は、規模による格差の違いが顕著です。

図表3 役位別年間報酬の規模格差
図表3 役位別年間報酬の規模格差
[注] 上記の規模格差は、[図表1]で求めた規模別の平均支給額を基に算出した数値である。

注)1) * ここでは、労務行政研究所が2007年7月12日から9月10日にかけて、全国証券市場の上場企業(新興市場の上場企業も含む)3827社と、上場企業に匹敵する非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)349社の合計4176社を対象として(回答があったのは133社)をもとに、『日本の人事部』編集部が一部をピックアップし記事を作成しました。調査は「役員報酬・賞与等の最新実態」と題されたもので、詳細は『労政時報 第3716号』(2007年12月28日発行)に掲載されています。
2) * 当調査では、報酬は「2007年7月現在」、賞与は「2007年7月時点から直近1年間における支給実績」を回答してもらっています。賞与については、年俸制等ではじめから不支給のケースや、業績不振などによる全額不支給としているケースは“0”として集計に含めています。なお、年度途中での昇格者や退任者は、報酬・賞与とも集計から除外しています。
◆労政時報の詳細は、こちらをご覧ください → 「WEB労政時報」体験版


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

人事・労務実態調査のバックナンバー

従業員満足度調査をめぐる状況(2018年労務行政研究所調査)
大手企業では3割が実施。従業員満足度に関する取り組みは拡大傾向に。
2019/08/05掲載
2019年度新入社員の初任給調査
東証1部上場企業241社の速報集計。 35.7%が初任給を「全学歴引き上げ」
2019/06/07掲載
仕事と家庭の両立支援の現状は?
「配偶者出産休暇」は63.2%が付与
~民間企業440社にみる人事労務諸制度の実施状況(労務行政研究所)~
人事労務関連のさまざまな制度の実施状況を明らかにするために実施した「人事労務諸制度実施状況調査(2018年1~4月実施)」から、「仕事と家庭の両立支援」に関する...
2019/04/12掲載

関連する記事

従業員が協力したくなる!「リファラル採用」のための制度設計&規定
従業員が協力したくなる!人材難の時代、急速に広がる「リファラル採用」のための制度設計&規定
2019/07/05掲載人事・労務関連コラム
2017年度 部長・課長・係長クラス・一般社員のホワイトカラー職種別賃金調査(労務行政研究所)
13職種に見る最新実態と諸格差の動向
近年、役割給・職務給に代表される仕事基準の人材マネジメントを志向する企業が、徐々に増えています。ここでは、2017年度職種別賃金実態調査より、経営企画・営業など...
2018/08/03掲載人事・労務実態調査
報酬制度の実際
大きく「月例給与」「賞与」「退職金」の三つに分類される報酬制度。人材の流動化とともに進む変化とは?
2017/06/30掲載よくわかる講座
人事制度とは
人事制度とは、広義には労務管理を含めた従業員の「処遇」に関するしくみ全般を指す。ここではその意義と運用のポイントについてまとめた。
2017/06/30掲載よくわかる講座
2015年賃上げの見通し―労使および専門家504人アンケート
~定昇込みで昨年実績並みの2.2%と予測。経営側の35.7%がベアを「実施する予定」~
民間調査機関の労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、1974年から毎年、来る賃金交渉の動向を把握するための参考資料として、「賃上げに関するアンケート調査」を労...
2015/02/19掲載人事・労務実態調査
新入社員研修の種類や企業事例、「新入社員研修」サービス

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

働くパパママ育休取得応援奨励金 ボブ・パイク 参加者主体の研修テクニック

注目コンテンツ


「2020年度 新入社員育成」ソリューション特集

新入社員研修の種類やカリキュラム例、企業事例、おススメの「新入社員研修」サービスをご紹介します。



健康経営の実践に必要なステップ、外部サービスを選ぶ際のポイント

健康経営を戦略的に推進するための必要なステップや取り組み事例、外部サービスを選ぶ際のポイントをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


1日30分、週3日、3ヵ月。<br />
それだけでTOEIC®テストスコア500点突破を目指せるプログラムとは?

1日30分、週3日、3ヵ月。
それだけでTOEIC®テストスコア500点突破を目指せるプログラムとは?

グローバル化が進む現在、多くの企業が社員の英語力向上を課題としています...