問われるインターンシップの在り方
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
3月1日を過ぎ、2016年度の就職活動が解禁されました。実質的に採用期間が短縮された初年度ということもあり、連日、合同企業説明会や街行く就活生の様子が報道され、熱気を帯びています。
企業側から見れば、学生にアプローチする機会も、学生を見極める時間も減少してしまった2016年度の採用活動。そこで大きな注目を集めたのが、「インターンシップ」です。
その実態を、実際にインターンシップに参加した学生への調査【「2016年3月卒業予定者の就職活動に関する調査(2015年2月1日状況)」】から明らかにしていきます。
インターンシップとは?
そもそも、「インターンシップ」とは、<産学連携による人材育成の観点から、学生の就業体験の機会を提供するものであり、社会貢献活動の一環と位置付けられるもの>です。その観点から、5日間以上のプログラムが望ましいこと、広報活動解禁日以前には企業広報を含むプログラムは自粛するよう求められています。
また、その実施にあたっては、採用選考活動とは一切関係ないことを明確にして行う必要があり、実施に際して取得した個人情報は採用選考活動で使用しないことも、同時に求められています(日本経済団体連合会ホームページより)。
インターンシップ参加率、去年の3倍
就職活動の準備を始めている学生に、どのような準備・対策を行っているか聞いたところ、「インターンシップ」を挙げた学生は65.0%に上りました。2015年卒学生では、就職活動解禁約1ヵ月前のインターンシップ参加率は22.7%でしたので、その差は約3倍にもなります。
また、インターンシップに参加した回数は、「1回」29.4%、「2~3回」36.7%、「4~5回」14.4%、「6~10回」15.0%、「11回以上」4.5%と、7割以上の学生が複数回参加をしています。
インターンシップの参加目的としては、「職業体験や社会人の雰囲気を知るため」36.2%、「企業・業界研究のため」33.3%が上位に挙がっています。また、「インターンシップ参加企業の採用選考を有利に進めるため」と回答した学生も15.5%おり、インターンシップがその先の採用選考と繋がっていることを感じている学生もいるようです。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。