年末調整をするときに見ておきたい記事とQ&A
毎年恒例の年末調整は、人事給与担当の方にとって最も重要な業務の一つです。国税庁を始めとした公的機関の情報を把握し、円滑に進めていかなければなりません。一方で、年末調整の基本を知らないまま業務を進めている人もいるのではないでしょうか。本記事では年末調整の際に確認すべき公的資料、年末調整の概要を解説したコンテンツ、人事のQ&Aからピックアップした特殊対応のケーススタディなどをご紹介します。
1. 年末調整で必ず確認すべき公的資料
年末調整において必ず確認すべき資料は、国税庁による「年末調整のしかた」です。
パンフレット・手引
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源泉所得税関係
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年末調整関係
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(和暦)年分年末調整のしかた
毎年9月ごろに、その年の「年末調整のしかた」が掲載されます。年末調整担当者はまず、この資料を確認しなければなりません。2020年も既に令和2年度の年末調整のしかたが公開されています。
「年末調整のしかた」と同じコーナーには「(和暦)年版給与所得者と年末調整(リーフレット)」も掲載されています。年末調整の概要が記載されているので、従業員へ周知する際に利用するといいでしょう。
また、今年は電子化の取り組みが進み、ソフトの頒布もなされています。詳しくは「年末調整手続の電子化に向けた取組について(令和2年分以降)」を参照してください。
2. 用語をおさえよう!~年末調整を理解するときに知っておきたい言葉~
一番確実な情報源は上記の通りですが、分量が多く、全てに目を通すことは困難です。わからない手続きがあったとき、辞書を引くようにして使うのが効果的でしょう。
資料を読む際には、核となるキーワードから制度の趣旨を知るのが理解への近道です。ここでは、年末調整と「源泉徴収」「確定申告」との関係を理解しておきましょう。
これら三つは、「所得税・復興特別所得税の納税」でつながります。正しい納税のために、必要な手続きであることを理解しましょう。
3. 年末調整のケーススタディ――特殊対応Q&A
『日本の人事部』の「人事のQ&A」に寄せられた、年末調整に関する実務的な悩みをまとめました。特殊対応の勘所をつかんでください。
外国人社員の一時帰国
「人事のQ&A」によく寄せられる質問の一つです。
韓国人の男性社員が、兵役のため帰国することになりました。退職ではなく休職扱いとなるのですが、帰国に伴う年末調整は必要でしょうか。
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類似の質問:
留学に伴い休職する社員の社会保険や年末調整について
海外赴任に伴う税金と社会保険について
副業時の年末調整
2018年1月にモデル就業規則から副業を「禁止する」規定が削除されて以来、副業の解禁が注目を集めています。年末調整には「納税の代行」という意味合いもあり、複数の雇用関係を持つ場合はどうすればいいのかを把握しておく必要があります。
……この度弊社でも副業/兼業を許可していく動きがあります。……年末調整ですが、下記の内容で間違いないか教えてください。
(略)
質問:年末調整……副業/兼業をしていたら年末調整は?
答え:弊社では行わない。本人が確定申告をすること。
(以下省略)
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もし、不足分が発生してしまったら
年末調整は「源泉徴収の結果生じた過不足を調整する」という趣旨の制度であり、還付されることもあれば、追加で徴収されるケースもあります。
年末調整を実施した結果、所得税不足となり、徴収する従業員がいます。……12月分給与から徴収し、1月に納付するのですが、不足額が12月分給与手取り額を超えてしまう者がおります。
この場合、
(1)手取り額(取れる分)を全て控除し、引ききれない分は会社が立替して納める
(2)一定額手取りを残し、本人から控除する
どちらの処理がよいのでしょうか。
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対応の水先案内人として、『日本の人事部』の「人事のQ&A」もご利用ください。
※最終的な対応については、管轄の税務署に確認してください。