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過半数労組と少数労組の取扱

過半数労組から新賃金制度の提案あり、少数労組はその提案になると賃金減少になる者もいて反対です。当方(会社)としては、過半数労組の提案で妥結したいのですが…この場合、少数労組が反対でも過半数労組が賛成ならば、協定ならびに就業規則締結してもよいのでしょうか?

投稿日:2006/06/17 19:51 ID:QA-0005110

*****さん
長崎県/その他業種(企業規模 11~30人)

プロフェッショナル・人事会員からの回答

全回答2

プロフェッショナルからの回答

服部 康一
服部 康一
服部賃金労務サポートオフィス代表

お答えいたします

労使協定の締結」及び「就業規則改定に関する意見聴取」の際に労働者側の当事者となるのは、労組がある場合「当該事業所の全労働者の過半数で組織された労働組合」になります。

従って、上記の「過半数労組」が同意した場合(*就業規則の場合ですと意見聴取した場合)においては、労使協定・就業規則に関し「手続面」については問題ないといえます。

但し「内容面」で問題がある場合、特に「就業規則」については他の組合員・非組合員も当然拘束されることになりますので、有効足りえないケースもありえます。

まず第一に、「少数組合」との間で「労働協約」が結ばれている場合ですと、そこで定められた労働条件を下回るような内容での就業規則改正は、その内容部分について無効とされますので、「労働協約」についての確認が必要です。

そして第二に、就業規則の内容が賃金の削減など「労働条件の不利益変更」になる場合ですが、変更内容の必要性・労働者との交渉経過・不利益の程度・代替措置の有無等が総合的に判断され、変更がやむを得ないものとして合理性が認められなければ就業規則の変更内容は無効とされます。

従って、労使協定の当事者となりえない少数組合とも新制度に関し十分な協議・説明を行っておくことが必要ですし、明らかに不利益を被る少数組合員が出る場合には、何らかの補償措置を行う等の配慮を示すことがスムーズな制度変更上不可欠といえます。

投稿日:2006/06/18 00:15 ID:QA-0005112

相談者より

 

投稿日:2006/06/18 00:15 ID:QA-0032134大変参考になった

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プロフェッショナルからの回答

川勝 民雄
川勝 民雄
川勝研究所 代表者

過半数労組と少数労組の取扱い

■労働組合法・第17条は、「一つの工場事業場に常時使用される同種労働者の3/4以上の数の労働者が一の労働協約の適用を受けるに当ったときは、当該工場事業場に使用される他の同種の労働者に関しても、当該労働協約が適用されるものとする」としており、これを「一般的拘束力」といいいます。
■然し、多数派組合との労働組合法第17条の要件を満たす労働協約が、少数派組合の組合員に適用されるか否かについては、学説・裁判例上、肯定、否定両説に分かれていて定説は確立していません。現在のところ、少数派組合の団体交渉権保障の観点から、否定説が有力になっています。
■従って、一般論としては、まず少数派組合の理解を得られるよう、粘り強い交渉が必要ということになりますが、ここでの選択肢は、下記の二つになるでしょう。
① 賃金減少(不利益変更)に対する緩和ないし代替措置の提案により両労組の同意を取得するよう努めるのか。
② 拘束力が一段低い「就業規則の改訂」によって労働条件を変更するのか。
■前者を選択する場合は、コスト増の問題が、後者の場合には、変更の必要性、変更の程度についての合理性の判断次第では少数派組合との係争化の可能性があります。いずれを選択すべきかは、詳細状況不明なので、御社において、リスクをミニマイズする観点からご判断下さい。
■因みに、労使関係を決める効力としての「一般的拘束力」の観点からの上位、下位関係は次の通りになります。
労働基準法>労働協約>就業規則>労働契約など

投稿日:2006/06/18 15:10 ID:QA-0005114

相談者より

 

投稿日:2006/06/18 15:10 ID:QA-0032136大変参考になった

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