中途入社社員の通勤手当の非課税限度額の対応について
いつも参考にさせていただいております。
11/20から通勤手当の非課税限度額が引き上げられ、
対象者は今年の年末調整で処理が必要とのことですが、
弊社に年の途中で入社し、年末調整対象のスタッフについては
どのような対応になるのでしょうか。
具体的にご教授いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/11/25 15:10 ID:QA-0161126
- ぼっちのみかんさん
- 福島県/その他業種(企業規模 101~300人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
中途入社者であっても、11/20以降の支給分については、年末調整で“新しい非課税限度額”を適用して再計算する。
・入社時期(1月入社か11月入社か)は関係ありません。
・「11/20以降に支給した通勤手当」が対象となるため、
・年末調整で追加の非課税処理(課税→非課税への修正)を行う必要があります。
2.今回の改正のポイント(再掲)
(令和6年政令改正・所得税法施行令第20条)
・施行日:2024年11月20日
・内容:ガソリン価格高騰対策として、通勤手当の非課税限度額を引き上げ
・適用対象:
11月20日以後に支給される給与に係る通勤手当
→ 中途入社か否かは無関係です。
3.中途入社者への実務対応
中途入社でも
「入社日」ではなく「通勤手当の支給日」 が判断基準です。
つまり、
11/20以降の支給日に通勤手当を支給していれば対象
となります。
4.ケース別に解説
ケース1:11/1 入社、11/25に11月通勤手当を支給(支給日が11/25)
→ 支給日が11/20以降なので“改正後の新限度額”を適用
→ 既に源泉徴収済みの通勤手当のうち、新限度額内の金額を年末調整で「非課税扱い」に修正
ケース2:11/10入社、11/15に11月通勤手当を支給(支給日が11/15)
→ 支給日が施行日前(11/20以前)なので“旧限度額”で非課税判定
→ 年末調整でも変更なし。
ケース3:12/1入社で、12/25に12月通勤手当を支給
→ 支給日が12/25=施行後
→ 中途入社であっても新限度額を適用
5.対応が必要なのは何をするのか?
【会社側が年末調整で行う作業】
11/20以降に支給した通勤手当の支給額を確認
新しい非課税限度額に当てはめて再計算
旧限度額で課税扱いしていた部分のうち、
新限度額内になる分を課税→非課税に修正
結果として課税対象給与が減り、
年末調整で税額還付が発生する
6.よくある質問(実務者が迷いやすいポイント)
Q1. 入社時に通勤費の申請をしていない/遅れて提出された場合は?
→ 提出され次第、新限度額で再判定可
支給が11/20以降なら必ず新制度を適用。
Q2. 日割り計算で支給している場合は?
→ 非課税限度額は「月額上限」なので、
日割り支給額が月額に換算されないまま、その月支給額に対して非課税判定を行う。
Q3. 中途入社なので、前職の通勤状況は関係ありますか?
→ 全く関係なし。
年末調整は「現雇用主の支給状況のみ」で通勤手当を処理。
7.わかりやすい計算例(中途入社)
前提
・11/10入社
・11月通勤手当は11/25支給
・支給額:20,000円
・旧限度額:15,000円
・新限度額:25,000円
11/25支給時
旧限度額を使うべきだが、実務上はすでに旧限度額で処理済み
→ 20,000円 − 15,000円 = 5,000円を課税対象として源泉徴収済
年末調整で再計算
支給日が施行日後なので新限度額を適用
→ 新限度額25,000円
→ 20,000円は全額非課税に変更
→ 課税給与から −5,000円
→ 結果、年末調整で源泉所得税を還付
8.中途入社者のポイントまとめ(最重要)
(1) 入社日ではなく 通勤手当の支給日 で判定する
(2) 11/20以降の支給分はすべて 新限度額 を適用
(3) 年末調整で 課税→非課税の修正が必要
(4) 中途入社であっても取り扱いは同じ
(5) 還付処理は会社が行う(従業員の手続不要)
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2025/11/26 11:30 ID:QA-0161154
相談者より
詳細なご回答ありがとうございました。
投稿日:2025/11/26 16:04 ID:QA-0161190大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
通勤手当について、課税金額があった社員だけが、対象となります。
既に支払われた通勤手当について、
改正前の非課税限度額で源泉徴収が行われている場合、
改正後の非課税限度額を適用することで過納となる税額がある場合は、
2025年の年末調整で精算されます。
投稿日:2025/11/26 12:06 ID:QA-0161162
相談者より
分かりやすくご説明ありがとうございました。
投稿日:2025/11/26 16:05 ID:QA-0161191大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
前職がスタッフに支払った通勤手当が、遡及適用される改正後の非課税限度額を
超えて課税されていた場合(つまり、過剰に源泉徴収されていた場合)でも、
貴社が行う年末調整では、前職の源泉徴収票に記載された金額をそのまま使用し、
個別の通勤手当の計算(前職分)を遡って修正する必要はございません。
スタッフから精算に対する質問が生じた際は、年末調整では精算できませんので、ご自身で確定申告を行ってくださいと、ご案内すればよいでしょう。
投稿日:2025/11/26 12:59 ID:QA-0161174
相談者より
大変わかりやすくご説明ありがとうございました。
投稿日:2025/11/26 16:05 ID:QA-0161192大変参考になった
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