「オフィスワーカーの意識調査2025-多様化する働きがいと出社価値の再定義に向けて」を実施
「働きたいと感じる時」20代は人間関係、30代は裁量、50代は成果・意義
イトーキ中央研究所、オフィスワーカー約5,000人を対象に世代で異なる“働く意欲の構造”と、職場環境が心理・行動に及ぼす影響を分析
株式会社イトーキ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:湊 宏司)は、全国 5,296 名のオフィスワーカーを対象に「オフィスワーカーの意識調査2025-多様化する働きがいと出社価値の再定義に向けて」を実施しました。働き方の選択肢が広がるなか、本調査では勤務形態や出社意識、働きたいと感じる理由、働き続けたい条件など“人起点”の実態を幅広く調査しました。また、こうした心理や行動が、集中・協働・成長・業務効率といった環境支援の体感とどのように関連するかを分析したところ、年代ごとに異なるモチベーションの構造と、環境→心理→行動へと連なる連鎖的な関係が示唆されました。支援を体感できる環境では生産性の自己評価が最大約10倍に達するなど、働く場のあり方が意欲や成果と幅広く結びつく傾向が確認されています。
※本調査結果は相関・傾向であり、因果関係を断定するものではありません 。
調査ハイライト
- 理想は“出社回帰”、一方で4割の本音は「出社したくない時もある」
- 「働きたいと感じる時」20代は人間関係、30代は裁量、50代は成果・意義
- 働きたくなくなる要因の1位は“人間関係のストレス”
- 生産性実感は“支援の体感”で最大約10倍の開き
- 「勤続意欲の軸」20~30代は“柔軟な働き方”、40~50代は“信頼と意義”
- 帰属意識を高める条件は「給与+関係性+環境」、20代は“成長と働きやすさ”をより重視
1. 理想は“出社回帰”、一方で4割の本音は「出社したくない時もある」
現在の勤務形態については、「リモートワークは行っていない」が67.5%と全体の約3分の2を占めました。2023年の80.1%から10ポイント以上減少し、出社中心をベースとしつつもリモートワークを併用する働き方が徐々に広がってきた様子がうかがえます。
理想的な出社方法では「フルタイム出勤」が61.1%と前年(48.4%)から大きく増加し、「ハイブリッド(リモート+出社)」は34.0%(前年43.6%)へ減少しました。実態としてはリモートワークが一定程度定着しながらも、「理想」としては出社中心の働き方を望む層が強まっていることが分かります。
出社に対する意識を見ると、「いつも前向きである」は23.0%と前年(22.6%)から横ばいである一方、「たまに出社したくないと思う時がある」は41.8%と前年(38.7%)からやや増加しました。出社の価値自体は維持されつつも、通勤負担や業務とのフィット感などから「毎回ポジティブに出社できるわけではない」という本音も垣間見えます。出社頻度そのものを一律に議論するのではなく、「どのような体験ができるから出社したくなるのか」を設計する視点が重要だと考えられます。
2. 「働きたいと感じる時」20代は人間関係、30代は裁量、50代は成果・意義
“働きたいと感じる時”を年代別に比較したところ、全体としては「意義のある仕事に取り組めている時」「成果が出せる時」「自律的に働ける時」が主要な要因として挙がりました。一方で、“最も働きたいと感じる時”は、年代に応じて重視ポイントが明確に分かれる結果となりました。
20代では「チームとつながりを感じる時」「上司・同僚との人間関係」の人間関係が働きやすさの土台として強く意識され、30代では「自律的に動ける時」といった裁量の大きさが他の年代と比べて最も大きな割合となりました。40代では「成果が出せる実感」が全世代の中でも特に重要視され、50代では成果に加え「意義のある仕事である実感」が働きたい気持ちを支える主要因となりました。
この結果から、働く意欲の源泉は年齢によって異なり、キャリア段階ごとに“何で心が動くか”が変化する可能性が示唆されます。画一的なモチベーション施策ではなく、年代ごとの特性に沿ったアプローチを検討することが望ましいと考えられます。
3. 働きたくなくなる要因の1位は“人間関係のストレス”
働きたくなくなる要因を年代別・生産性実感別で比較したところ、すべての世代・状態で「人間関係のストレス」が約5割と最多となりました。上司や部下、先輩と後輩などのコミュニケーションがモチベーションのベースになっていることが伺えます。
4.生産性実感は“支援の体感”で最大約10倍の開き
生産性実感と職場環境支援(職場における集中・協働・成長・業務効率を支援する環境の有無)の関係を見たところ、職場環境支援に対し「そう思う」と回答した層の「生産性が高い」と回答した割合は82.7%に達し、「そう思わない」と回答した層は8.2%に留まり、約10倍の差が確認されました。
集中・協働・成長・業務効率といった支援を体感できる外的環境の整備度合いに応じて、生産性の自己評価が高い側へ分布がシフトする様子が確認できます。
5. 「勤続意欲の軸」20~30代は“柔軟な働き方”、40~50代は“信頼と意義”
働き続けたいと感じるための条件について尋ねたところ、全体では「信頼できる上司や仲間と働ける」(24.8%)と「自分の仕事の意味や目的を実感できる」(24.8%)が同率で最も高く、人間関係と仕事の意義の両面が、勤続意欲を支える重要な要素となっていることが分かりました。
年代別に見ると、20〜30代では「働き方に自由度や柔軟性がある」が相対的に高く、ライフスタイルやキャリア初期の試行錯誤に合わせて、働き方を選べることを重視する傾向が見られます。一方、40代では、「信頼できる上司や仲間と働ける」、50代では「自分の仕事の意味や目的を実感できる」が高く、人との信頼関係や仕事の意味付けを軸に、長期的に働き続ける志向がうかがえます。
この結果から、勤続意欲を高める条件は、どの世代にも共通する“核”としての信頼・意義に加え、若い世代ほど柔軟な働き方へのニーズが強まるなど、キャリア段階によって比重が変化する傾向が示唆されます。エンゲージメント施策を検討する際には、一律の打ち手ではなく、年代ごとの特徴に沿って重点を置くポイントを調整していくことが望ましいと考えられます。
6. 帰属意識を高める条件は「給与+関係性+環境」、20代は“成長と働きやすさ”をより重視
会社に対する帰属意識が高まる理由を聞いた設問では、全体では「報酬・待遇があがること」が73.2%と最も高く、帰属意識向上の主要因となりました。次いで「上司・同僚との関係が良好であること」(51.3%)、「働く場が快適で生産性があがる設計であること」(33.2%)が続き、オフィス環境や福利厚生(20.9%)も一定の影響力を持つ結果となりました。
“最も高まる理由”を年代別に見ると、20代では「報酬・待遇」の割合が37.5%と低く、「キャリアアップ」「働く場の生産性」といった“成長”や“働きやすさ”に関わる項目が相対的に重視される傾向が見られました。一方で30代以降では、待遇や環境の安定性が帰属意識の基盤としてより強く働く様子が確認できます。
これらを総合すると、帰属意識は「給与・待遇」だけではなく、「関係性」と「環境」の三軸で高まりやすい構造がうかがえます。とくにオフィス環境は心理的な安心感や働きやすさと結びつき、長期的な定着を下支えする要素として機能していると考えられます。
総括
株式会社イトーキ 執行役員 中央研究所 上席研究員 二之湯 弘章
本調査では、働きたいと感じる理由や勤続意欲、帰属意識といった“人の体験”が、年代によって異なる構造を持つことが明らかになりました。人間関係や意義、柔軟性など、働く意欲の拠りどころは一様ではなく、キャリア段階に応じて変化します。
さらに、集中・協働・成長・業務効率といった環境支援の体感が、意義や信頼、自律性といった心理を高め、それが生産性実感や継続意欲へと連なる“連鎖構造”も確認できました。この結果は「オフィス環境を整えること」と「働く人の心理を育てること」を同時に設計すべきだという示唆だと考えています。環境・心理・行動を分断せず、一体で捉えることが、これからのオフィスづくりと人的資本マネジメントの鍵になると考えています。
調査概要
調査対象:全国の20〜59歳の会社員・経営者(従業員数50名以上、デスクワーク比率60%以上のオフィスワーカー)
調査期間:2025年9月
調査方法:インターネット調査
調査人数:5,296名
調査主体:株式会社イトーキ 中央研究所
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社イトーキ /12月18日発表・同社プレスリリースより転載)
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