ユーザー視点に立脚し、キャリアにプラスとなる新しい人材ビジネスのモデルを実現する
株式会社ディスコ
夏井丈俊さん
ユーザーの視点に立った「キャリタス就活」をスタート
その時に重要だと考えたのが、ユーザーの視点なのですね。
我々はもっとユーザーサイド、新卒に関しては「学生」側、中途に関しては「求職者・転職希望者」側の視点で、サービスを提供し、ファンを作っていくことが重要で、そのことが最終的にクライアントである企業のためにもなると考えました。だから、徹底的にユーザーサイドに立ったサービスへと、事業の方向性を振り切りたいと思っています。
それが、我々の新しいブランドである「キャリタス(career+)」です。キャリタスとは、学生のキャリア(career)にプラス(+)となるサービスということ。例えば、学びという点ではLINEと組んだ「キャリタス進学」。高校生のための進学情報総合サイトです。また、「キャリタス転職」は20代が知りたいことにフォーカスした、成果報酬型の転職サイトです。
そして、2015年6月にオープンするのが「キャリタス就活」。最初のキャリアを選択する新卒の就職活動は、人生の中で大切な機会です。その際、企業や仕事をよく理解しないままエントリーすることに労力を使うのではなく、就活の軸を見つけて、自分にフィットした企業に効率的にアプローチしてほしいのです。そのために、「キャリタス就活」では、求人票システム「UniCareer」との連動やインターンシップや企業研究の情報、日本経済新聞のニュースなど良質なコンテンツを提供し、多くの優良な企業と学生との出合いをサポートしていくもので、これまでの就職サイトとは一線を画したメディアです。
また、2015年4月から「ディスコキャリアエージェント」を「キャリタス就活エージェント」へと名称を変え、学生に対して企業の紹介を行うと同時に、さまざまな就活のノウハウを提供する事業を開始しました。この新しいサービスのあり方の根本には、当社のキャリアカウンセラーが学生と接する中で、学生の適性や価値観(仕事軸)に合わない企業は絶対に紹介しない、ということがあります。これまでの成功報酬型のサービスは、求人を行っている企業に人を紹介すれば、ビジネスが成立する、というスタイルです。それに対して、我々は企業の“仕入れ”を徹底的に追求します。良い企業しか紹介しません。では、良い会社とは何かと言うと、我々が設けた厳しい掲載基準に則った、安心して紹介できる企業です。このぐらい、学生、つまりユーザーの視点に立ったサービスを提供する。これは人材サービスを生業とする企業において、一番大切なことだと思います。サービスを使うユーザーのことだけを徹底的に考えて、最終的にはB to Bのビジネスモデルになっていることが、あるべき姿だと思います。
これまで人材ビジネスは、エージェントとして企業の人事に代わっていい人材を探すというのが生業でした。ところが、我々はユーザー、学生のエージェントになると宣言しました。学生に代わって、いい企業を探すという考え方です。また、学生は人間的にはまだ十分成熟していません。彼ら・彼女らに対して、どれだけ適切な指導・アドバイスをしてあげられるか。キャリアセンターとしての視点も、非常に重要となってきます。
最後に、人材ビジネスに関わる皆さまや、これから起業しようとしている若い方々、後に続く方々にメッセージをお願いします。
人材ビジネスは、絶対になくなることのないビジネスです。良い人材を採用することは、企業にとって最も重要な活動の一つです。また、ヒト・モノ・カネという経営資源の中で最も重要であるヒトを扱う重要なビジネスです。ただ、世間的には人材ビジネスのステータスはあまり高くないように思います。人材ビジネスに優秀な人材がまだまだ少ないからだと思います。
しかし、企業活動で重要なのはカネの前にまずはヒト。そして、ヒトが働く、企業が成長するといった非常に重要な部分にかかわる産業が人材ビジネスです。そういう大きな部分を担っている業界ですので、これから人材ビジネス業界に入ってこようと考えている方には、ぜひとも大きな志を持ってきていただきたいと思います。その際、当社の掲げる働く人(ユーザー)のためになるという視点は、とても大切なことです。なぜなら、それが結果的に企業の役に立つからです。この両輪を実現していくことによって、業界全体のプレゼンスも向上していくように思います。
社名 | 株式会社ディスコ |
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本社所在地 | 東京都文京区後楽2-15-1 |
事業内容 | 企業の人財採用に関するコンサルティング、採用広報活動の企画提案 高等教育機関の学生募集に関するコンサルティング 人財紹介・派遣事業 |
設立 | 1973年10月1日 |
日本を代表するHRソリューション業界の経営者に、企業理念、現在の取り組みや業界で働く後輩へのメッセージについてインタビューしました。