株式会社ノバレーゼ:
お客様の喜びに自分の喜びを見出せる人材を育てたい
躍進企業は超“エンターテイナー”集団
株式会社ノバレーゼ 教育研修部長
永江 愛香さん
ウエディングプロデュース・レストラン運営のノバレーゼは、わずか創業10年で売上高100億円を突破し東証一部上場も果たすなど、めざましい成長を遂げています。その躍進を支えているのは、「一に人材、二に人材、三、四がなくて五に人材」と掲げるほどの徹底的な“人”へのこだわりです。社員が顧客のために夢中になって働けるような職場環境を創る、斬新かつ多様な人事制度や、入社5年で年商6億円の式場マネジャーに育てる手厚い教育研修プログラムなど、独自の施策を次々と仕掛ける“攻め”の人材開発が功を奏しています。同社教育研修部長の永江愛香さんに、人にかける同社の思いを語っていただきました。
- 永江 愛香さん
- 株式会社ノバレーゼ 教育研修部長
(ながえ・あすか)●2002年3月株式会社ノバレーゼに入社。総務人事部に配属後、人事、総務、労務、教育、評価など人に関わる業務を担当。2007年12月に教育研修部を発足以来、現職。元ウエディングプランナー、ゲストハウス支配人の経験を生かし、実務からマネジメントまで現場で生かせる研修を多数実施している。社外においては、神戸国際大学の客員教授、上智大学キャリアディベロップメント講座の講師を務める。
「私たちは“仕事中毒”です」と胸を張って言える会社
永江さんは人材マネジメント、特に教育研修が専門でいらっしゃいます。入社以来、そうした業務に特化して携わってこられたのですか。
弊社創業の前史は、社長の浅田がリクルートを退社し、傾きかけていた家業のブライダル会社の再建に入ったところから始まるのですが、私はもともとその会社のスタッフとして、社長よりも先に勤めていたんです。ですから社長とはノバレーゼを立ち上げる前から、もう20年近く一緒に仕事をしています。
当時、その会社は業績がふるわず、職場環境もよくなかったのですが、社長が「人材と環境の充実」に力を入れることで、V字回復を果たしたんです。私はそのサポートをした経緯から、ノバレーゼがスタートした当初は教育にかぎらず、採用や総務まわりまで、人に関わるすべての分野を任されていました。もちろん、ウエディングの現場にも関わりながらです。何しろ最初は小さなベンチャーでしたからね。上場するなんて夢にも思わなかったし、そこを目指してみんなで頑張っていたわけではないんです。
貴社は「一に人材、二に人材、三、四がなくて、五に人材」と掲げていらっしゃいますが、“人”への強い思いは、経営再建の成功体験に裏打ちされているんですね。
それは大きいと思います。社長は2000年に自らが立て直した家業から独立し、弊社の前身となる会社を立ち上げました。そのときはノバレーゼではなく、「ワーカホリック」という社名だったんです。
“仕事中毒”ですか。確かにすごい社名です(笑)。募集や採用で不利になりかねない気もしますが。
でも、当時から在籍しているメンバーはみんな、「ワーカホリック」という社名が好きだったんです。多くの人が自分の時間を大切にしたがるこのご時世に、あえて私たちは“仕事中毒”だと胸を張って言える。それくらい夢中になれる仕事と出会えたのは、素晴らしいことですから。
働くことの意味を、お金や生活のためとしか考えない人もいるでしょう。でも、私たちはそうではありません。「使命」という言葉は「命を使う」と書きますが、それくらいの強い思いを持って、誰かのために一生懸命にできることがあるのは本当に素敵なことだし、それを社会に向けて堂々と訴えていけば、採用で不利になるどころか、私たちと同じ気持ちでお客様のために夢中になってくれる仲間とも出会うことができると確信しています。そういう人材を育て、一緒に頑張っていきたいという考えが根本にあって、すべての人事の施策や仕組みにつながっているんですね。
自分の仕事にイキイキと夢中になって働く人がいる――それが弊社の一番の強みです。“一番の”というより、私たちにはそれしかありません。まず人があって、会社がある。まさに「人が命」のすごくシンプルな会社なんです。
あえてワーカホリックであることを、自分たちの意志で楽しんでいるわけですね。
お客様のために、朝から晩までほとんどの時間を仲間と一緒に過ごしています。仕事が終わっても、すぐに帰らず、普通にみんなでご飯を食べに行き、今日出会ったお客様の話や、新しい社内制度がなぜできたのかといったことなどを、夢中になって話していますね。