「シン・人事の大研究」調査レポート【第8回】
ハイパフォーマー人事は「職場内」「職場外」とも学びに積極的
人事パーソンは何を学び、どんなキャリアを描いているのか。自身をどう評価し、どのように変わろうとしているのか――。立教大学 田中聡氏・中原淳氏と『日本の人事部』編集部による「シン・人事の大研究」の調査結果を基に、人事パーソンの実態を明らかにしていきます。
ハイパフォーマーの学習行動で目立つ「ジョブ・クラフティング」「フィードバックシーキング」「経験学習」
本レポートの第7回では、人事パーソンを「ハイパフォーマータイプ」「成長志向タイプ」「成果志向タイプ」「その他タイプ」の四つに分類し、解説しました。では「ハイパフォーマータイプ」は、「その他タイプ」と何が違うのでしょうか。
調査の結果、「ハイパフォーマータイプ」は、「職場での学び」に積極的であることがわかりました。特に、ジョブ・クラフティング(自分の仕事を見つめ直し、やりがいのある仕事に見立てる)や、フィードバックシーキング(周囲に対して自らフィードバックを求める)、経験学習(経験により学んだことを次の経験に活かす)において、「その他タイプ」と差が広がっていることがわかりました。
ハイパフォーマー人事は「学習転移」に積極的
では、「職場外での学び」において、「ハイパフォーマータイプ」と「その他タイプ」は何が違うのでしょうか。インプットとアウトプットのバランスを見ると、「ハイパフォーマータイプ」はインプットと同じくらいアウトプットを行っており、バランスが取れています。それに比べて、「その他タイプ」はインプットばかりが多く、偏ったバランスとなっています。
また、「ハイパフォーマータイプ」はインプットするだけでなく、担当業務に応用したり、職場メンバーに共有したりするなど、学んだ知識を仕事や職場に還元しており、「学習転移」にも積極的であることがわかりました。
第9回のレポートでは、「人事にとって幸せなキャリアとは」というテーマを考えます。次回もお楽しみに!
実施時期 | 2022年2月1日(火)~ 2月28日(月) |
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調査対象 | 企業で人事関連の仕事(人事、人材開発、組織開発など)に従事している方 ※「人事関連の仕事」とは、ご自身が所属する組織の「人と組織にまつわる業務全般」を指します。所属部署が本社人事部であるか事業部であるかは問いません。採用支援や人事コンサルティングなど、人事担当者に対してサービスを提供する企業に従事されている方は該当しません。 |
調査方法 | Webでのアンケート |
回答者数 | 1,514名 |
全国の人事パーソンを対象に行った大規模調査の結果から、人事パーソンの実状を明らかにしていきます。