キャリアアドバイザーが「推したくなる」会社
それは情報が豊富な会社かもしれない
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多くの人材に求人情報を届けるには
それ以来、A社に応募する人材には回顧録を渡して読んでもらうことにした。全員が内容に共感するわけではないが、Cさんのように志望度が上がる人も多い。また、私自身もA社のファンになっていた。なんとかA社の採用を手伝いたい、優秀な人材に入社してもらいたいと思う。今風に言えば、「A社を推したくなった」のである。
人材紹介は、求人企業と転職希望者の間にキャリアアドバイザーという人が介在する。求人企業にとっては、多くの人材に確実に情報を届けるには、まずキャリアアドバイザーを自社のファンにすることが重要といえる。
では、人材紹介会社のキャリアアドバイザーがファンになりやすい会社、推したくなる会社とはどんな会社だろうか。
それはずばり「情報量が豊富な会社」だろう。
仕事内容、職場環境、人事制度……転職希望者がその企業で働くことをイメージできる情報が多いほど、キャリアアドバイザーは仕事がしやすくなる。そして、会社のことを知るほどに応援したい気持ちが高まるのである。その意味では、A社の回顧録は最高のマーケティングツールだと言っていいだろう。
現在企業の採用活動は、コロナウイルスを意識しながら行わなくてはならない状況が続いている。応募者との面接はオンラインが中心。企業と人材紹介会社とのコミュニケーションも同様で、提供される情報はどうしても限られたものになる。物理的な距離が、企業のファンになるための敷居も高くしてしまう。より効果的な情報提供方法やツールを模索していくことが重要だ。
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