「電話での転職相談」増加中
「非対面」は効率的? 伝わりづらい「キャラクター」
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改めて、直接お会いしたい
「先日の面接の結果をお伝えしたいのですが」
企業面接でマナーがよくなかったと指摘されてしまったIさん。面接結果を報告しながら、私はこの先、Iさんにどう対応すべきだろうかと考えていた。
「ああ、見送りですか。お手数をおかけして申し訳ありませんでした。私の方も話を聞きながら、ちょっと希望の仕事内容とは違うかなと感じていたので、今回の件は仕方ないと思っています。また、紹介よろしくお願いします」
電話でのIさんの受け答えは的確で、マナーが悪い人のようには感じられなかった。もし今回の企業との相性がよくなかっただけで、特に問題のある人材でなければ、次の企業も紹介していかなくてはならない。逆に、本当にIさんに問題があるのなら、私もより慎重になるべきだと思われた。その判断は、やはり実際に会ってみないと難しい。私はIさんに切り出してみた。
「今回の面接の反省点などを整理して、より的確なご紹介を進めていくためにも、改めてお時間をいただけないでしょうか。もしお忙しいようでしたら、職場の近くまで伺いますよ」
Iさんの返答は、最初に電話相談を希望した時と同じだった。
「うーん、正直そこまで時間をかける意味がよくわからないんですよ。私の経歴や希望は全部お伝えしてありますし、もうつけ加えることはないと思うんですね。ですから、その範囲でマッチする求人情報をどんどん送っていただければ、私の方は問題ないんですが」
いや、問題があって会いたいのはIさんではなくこちらなので、という言葉を私はぐっと飲み込んだ。たしかに、転職希望者の立場からは筋が通っているので、これ以上強引に会ってほしいとは言いづらい。
「なるほど、承知しました。では、次の企業面接が決まった際にはぜひ同行させてください。直接ご挨拶させていただきたいですし」
時代の変化とともにスピードや効率優先になり、対面で面談を行う機会はこれからも減っていくのかもしれない。ニーズにあわせることは必要だ。しかしやはり、コンサルタントとしては、一度会っておいた方が安心して紹介できる。私は改めてそう感じていた。
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