企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

人事マネジメント「解体新書」

2013年 新卒採用の動向と対策【前編(1/2ページ)

~どうなる?2013年新卒採用の見通し

2013年の新卒採用は、日本経団連の倫理憲章によって、例年より2ヵ月遅れて2011年12月にスタートした。これにより、多くの企業が採用戦略の見直しを迫られることになった。まずは、2013年新卒採用の見通しはどうなっているのか、データを中心にその動向を見ていくことにしよう。
※『日本の人事部』では本記事を皮切りに、講演、勉強会、メルマガ、記事など、さまざまな形で「新卒採用」に関する情報を継続して発信して参ります。今後の展開にどうぞご期待ください。
景気動向に左右される可能性も、10.4%が「増える」見通しを示す

2013年に入って、株価は回復基調になってきたものの、依然として企業の経営を取り巻く環境には不透明感がつきまとっている。そのような状況下、企業は新卒採用についてどのような見通しを持っているのだろうか。

◆2年連続で「増える-減る」がプラスに

リクルートのワークス研究所では5年前から、「ワークス採用見通し調査」を発表している。以下、2013年の新卒採用に関する主要な結果について、見ていくことにしよう。

まず、2013年卒者の採用見通し(大学生・大学院生)については、2012年卒より「増える」が10.4%となり、「減る」6.4%を4.0ポイント上回る結果となった(図表1)。この傾向は2年連続で、調査を開始した5年前から見ていくと、2010年からは上向き傾向となっている(図表2)。しかしながら、「変わらない」が50.0%と半数、また「わからない」も25.1%と4社に1社を占めており、新卒採用市場は今後の景気動向に大きく左右される可能性も少なくない。

図表1:2013年卒者の新卒採用見通し【全体】(%)
図表2:「増える-減る」のポイントの経年比較(%ポイント)
◆大企業ほど、新卒採用に意欲的

次に、従業員規模別に採用見通しを見ると、いずれの規模でも「増える」が「減る」を上回っている。この「増える-減る」のポイントは、規模が大きくなるに従って大きくなっており、2000~4999人で8.4ポイント、5000人以上では12.9ポイントに達している(図表3)。大企業ほど、新卒に対して強い採用意欲を持っていることが分かる。

では、業種別ではどうだろうか。四つの大分類で見ると、全ての業種で「増える」が「減る」を上回っている。特に、流通業では「増える」14.4%と、他の業界と比べてその割合の高いことが目立つ(図表4)。また、「増える」の割合を細かな業種分類でみると、飲食サービス業(20.8%)や小売業(17.9%)では2割近い企業が「増える」と回答している。

ちなみに、「増える-減る」のポイントが大きいのは、飲食サービス業(16.9%ポイント)や情報通信業(9.8ポイント)など一部のサービス・情報業や、小売業(12.3ポイント)、卸売業(6.6ポイント)といった流通業であった。

図表3:2013年卒者の新卒採用見通し【従業員規模別】(%)
図表4:2013年卒者の新卒採用見通し【業種別】(%)
◆2012年卒と比べ、明るさが見えてきた…

ここまで見てきた採用見通しの概況から言えることは、まず、景況感が回復してきたことで、大企業の新卒採用活動に積極的な動きが出てきたことである。また、サービス業や小売業などは現場での人材不足や、他業界と比べて「採用力」が劣ることなどから、以前から新卒採用数を増やす傾向にあった。また、最近好調のスマートフォン関連の企業などで、採用数を増やす傾向があることを付け加えておこう。

結論から言えば、依然として景気の先行きは不透明だが、2013年の新卒採用の全体的な見通しは、まだら模様の部分はあるものの、2012年卒と比べて明るさが見えてきているように思われる。

バブル経済が崩壊した後、新卒採用を停止・抑制したことにより、人材構成に歪みが生じ、その後の事業展開で支障をきたしたり、マネジメントを担う人材が不足したりするなど、組織上の問題が表面化してきた。その教訓があるからこそ、たとえ人数を絞ったとしても、大企業を中心に、新卒採用を定期的に行うことの重要性を強く感じていのであろう。



この記事は会員限定です。会員登録(無料)をすると続きを読むことができます。
登録10秒!メールアドレスだけで簡単にご登録ができます
会員の方はこちら
次のページ
採用活動の短期化による影響は?
  • 1
  • 2
  • 次のページ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

人事マネジメント解体新書のバックナンバー

人事マネジメント「解体新書」第118回
「法改正」が進む中で人事部に必要な「法対応」スキルとは【後編】
「公的資料」を使って「働き方改革関連法」を徹底理解する
近年、労働に関する「法改正」が進展する中、人事担当者の「法律」(労働関連法令)への正しい理解と適切な対応は、需要なスキルとなっている。「後編」では「働き方改革関...
2019/11/21掲載
人事マネジメント「解体新書」第117回
「法改正」が進む中で人事部に必要な「法対応」スキルとは【前編】
厚生労働省などの「公的資料」をいかに読み抜くか
近年、「働き方改革関連法」の施行や「パワハラ防止法」の成立に代表されるように、人事部の業務に関連する「法改正」の動きが一段と活発化している。そのため、人事の仕事...
2019/11/13掲載
人事マネジメント「解体新書」第116回
「パワー・ハラスメント防止」を義務付ける関連法が成立、
企業は「パワハラ防止法」にどう対応していけばいいのか?【後編】
職場での「パワー・ハラスメント(パワハラ)」の防止を義務付ける関連法が2019年5月29日、参院本会議で可決・成立した。大企業には2020年4月から、中小企業は...
2019/10/22掲載

関連する記事

配属先を意識して選考を行っている企業ほど、社員の活躍割合が高い
人事担当者に「新卒の選考に際して、入社後の配属を意識しているか」「入社後の活躍割合」を聞いた。それらの相関関係を探ると、配属先を意識して選考を行っている企業ほど...
2019/07/26掲載人事白書 調査レポート
2020年卒採用では、大学3年の6月以前に学生との接触を開始した大手企業が、大幅に増加
2019年卒採用において、選考に影響を与えることを前提に学生との接触を開始した時期を聞いたところ、最も多かったのは「2018年3月」で18.9%。「2017年6...
2019/07/08掲載人事白書 調査レポート
インターンシップを効果的に実施するポイントと
外部ソリューション活用のヒント
新卒採用の成否を握る重要ポイントになりつつあるインターンシップについて、効果的な実施方法をまとめました。メリットを確認するとともに、種類や取り組み事例、外部サー...
2019/06/12掲載人事支援サービスの傾向と選び方
「新卒採用向け採用管理システム」導入のポイントとおすすめサービス
業務効率化を図るとともに選考スピードをあげ、採用活動の質を向上させる「採用管理システム」について、導入する際に押さえておくべきポイントをまとめました。導入するメ...
2019/05/08掲載人事支援サービスの傾向と選び方
2020新卒採用の“傾向”と“対策”
大卒求人倍率は7年連続して上昇、300名未満の中小企業の求人倍率は9.91倍と過去最高を記録するなど(リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」2018年4月...
2018/08/30掲載注目の記事
テレワーク特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

タレントパレット ジョブ・カード制度 総合サイト

注目コンテンツ


テレワーク特集

「テレワーク」のメリット・デメリットを整理するとともに、導入プロセスや環境整備に必要となるシステム・ツール、ソリューションをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加<br />
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

「グロービス学び放題」導入で公募研修の受講者が増加
“自発的に学ぶ”企業文化を醸成

急速に変化する市場環境の中で競争力を維持・向上させていくためには、人材...


会社の新しい挑戦を支えるために<br />
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

会社の新しい挑戦を支えるために
人事戦略のよりどころとなる総合的な人材データベースを構築

第一三共株式会社は2025年ビジョン「がんに強みを持つ先進的グルーバル...