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人事マネジメント「解体新書」 第二回
いま求められる「ダイバーシティ・マネジメント」

ダイバーシティ・マネジメントの「考え方」

◆多様な人材に合わせた仕組みづくり

ここまで述べてきたように、ダイバーシティとは、異質や多様性を受け入れ、その違いを認め、活かしていくことである。それによって、「同質」だけでは実現することが難しい労働力の確保や、従業員の働きがい・生きがいの向上、さらには、新たな発想や価値の創造などが実現できる。

ただし、多様な人材を活かし、個人の持つ能力を最大限に発揮させるには、それまで企業内で大多数であった「属性」にとって、極めて有利であった働き方やそれを支える人事システムの見直しが必要となる。これは、先の調査結果をみても明らかなように、口で言うほど簡単なことではない。というのも、多様な人材というのは能力面だけでなく、その家庭環境や生活環境など、個人としてのバックグランドも多様であるからだ。その意味でも、一律的、画一的な組織で育ってきた人にとって、多様性を受け入れ、実践していくことはかなりハードルの高いテーマなのである。

組織にとって、人こそが最大の財産である。これは、人を最大限に活かすことが、組織マネジメントの最大の課題である、と言い換えることができるだろう。今後、ダイバーシティの実現だけに限らず、企業は従業員が自分の持つ価値観やニーズに合った働き方を選択することができるよう、多様な働き方の選択肢を用意することが求められている。また、ライスフタイルは現実の人生のさまざまな状況によって変化する。単に働き方を選択できるだけでなく、状況に応じて変更できる仕組みにすることが望ましいだろう。そして、従業員の能力発揮を促しながら公平な評価を行い、経営効率の向上やコスト削減を図っていく。こうした多様な働く人のあり方に着目した人事ポリシーと施策が、これからのあるべき姿ではないだろうか。結果として、それがダイバーシティを実現可能とするマネジメントへとつながっていくように思う。

◆ダイバーシティ・マネジメントのポイント

とはいえ、単に多様な人材を集めただけでは、現場では混乱が生じるだけである。多様性を活かすためのマネジメントがそこには不可欠となってくる。以下、そのポイントを整理してみた。

(1)トップからのメッセージ

まずは、トップ自らが「我が社はダイバーシティを積極的に受け入れ、活用していく」というメッセージを社内外に発すること。これがなくては、何も始まらない。

(2)「価値観」で統合を図る

ダイバーシティが過度に働くと、組織としての行動にまとまりが取れないと懸念する人がいる。それを防ぐには、行動のベースとなる「価値観」を定め、皆が共有していくことである。例えば、在宅勤務などを採用する場合、個々の都合や事情に合わせながらも、本人は自分に求められる役割・成果に対して、きちんと応える行動を徹底すると。そして勤務のあり方については、上司との話し合いの下、柔軟に現実的な対応を決めていく。このようにして各々の違いを十分に認めながらも、組織として上位の「価値観」で統合を図ることがマネジメント上、不可欠となってくる。

(3)コミュニケーションと意思決定の仕組みづくり

お互いの違いを知り、理解し、共感し、意見を言えるといったコミュニケーションできる環境を整えること。と同時に、少数意見が無視されたり、排除されることのない意思決定の仕組みづくりを構築していく必要がある。

(4)混乱や衝突に対応できる仕組みづくり

各人に違いがあれば、そこで当然、衝突が起きる。そうした混乱が起きた際に、的確に対応できる仕組みを考え、運用していくことも欠かせない条件である。100人いれば100人の違いを尊重し、マネジメントしていくことだ。それにはベクトル(方向性)として、「100人いてもゴールは共通」という組織風土を醸成していくアプローチが欠かせない。

(5)ダイバーシティを「評価項目」に入れる

ダイバーシティを組織風土へと取り組む方法として、ダイバーシティに関する事項を「評価項目」に入れることを考えてみてはどうか。それこそ、コンピテンシーのひとつにダイバーシティの推進や貢献という項目を設け、採用から評価、報酬、昇進まで一貫して反映していくといった具合である。近年、このような方法を取る企業も散見される。

(6)ミドルマネジメントの重要性

一人ひとりの違いをみるためには、個別性や特異性、各々の置かれた状況というものに対して、常に意識し、理解を示すマネジメントが大切である。そして、それができるミドルマネジャーの存在が不可欠となってくる。いわゆる傾聴やコーチング、カウンセリングのマインドやスキルを持ったミドルマネジャーの育成が、ダイバーシティの円滑な運用への大きなポイントとなる。

(7)「キャリアパス」を示す

特定の限られた社員だけではなく、さまざまな立場の人たちが活きる「キャリアパス」を確立し、示していくことも、ダイバーシティを進めていく上でなくてはならない要件である。

◆独自で「工夫」することの重要性

ここまでは、やや「理想論」ばかり述べてきたかもしれない。事実、日本企業とアメリカ企業では、置かれた状況や社会環境が違う。先に記したダイバーシティの歴史や企業行動のステップをみても、それは明らかだろう。

そのためにも、まずは何のためのダイバーシティなのか、各社が明確に施策の「設計思想」を持つことから始めてほしい。現在、自社が置かれた状況を踏まえ、できるカテゴリーから「多様性を組織に取り込むことで、新たな価値が創出できる仕組み」を構築し、無理なく運用していくこと。これが正しくできなくては、表層的で長続きしない。ダイバーシティが実を結ぶこともないだろう。

加えて、いま大きな問題となっている「採用難」を解決するために、老若男女、健常者・障害者、外国人など、あらゆる多様な属性の人たちをターゲットとして活用していくことが求められている。従来のような「大卒男子正社員」モデル一辺倒では、少子高齢化が急速に進むなか、近い将来、組織が立ち行かなくなるのは明らかである。それに代わるモデルのあり方を、いまから考えていく必要がある。まさに、それがダイバーシティということなのである。

以上を踏まえ、ダイバーシティ実現に向けて人事部が考えるべきことは、個々の雇用形態や役割に応じて「ワークデザイン」を構築することである。確かに手間隙がかかるし、面倒なことかもしれない。しかし、たとえ回り道であっても、それが自社に相応しいダイバーシティのあり方となってくるのは間違いないということも、改めて指摘しておく。

◆ダイバーシティは解決される「課題」ではなく、活かされるべき「強み」

最後に。人は、大いなる「自尊心」を持った生き物である。人は、自分が特別な存在であると感じたとき、満ち足りた気持ちとなり、力を最大限に発揮できる。これが、モチベーションの源となっていく。ゆえに、「他尊」が大切になるのだろう。人の個性に価値を見出し、尊重すること。このことの持つ意味は、非常に大きいと言える。

また、ダイバーシティを女性や高齢者、外国人といった集団や塊を対象ととらえても、そのなかにいる個人はあまりにも複雑で、多様性に富んでいる。だから、組織のなかで「属性」をどうバランス配分(数値目標化)していくことではなく、一人ひとり違う個人を、どのようにマネジメントしていくかということに重きを置くべきではないか。事実、よくよく考えてみれば、男性正社員といっても、実は一様ではなかったのだから。

だからこそ、まず組織においては、個人の違いを理解し、受け入れ、違いから生じるギャップを埋める努力をすることがとても大切である。個人の側も、常に相手を理解しようとする謙虚さと思いやりの気持ちを意識的に持つことで、自分の取るべき行動が分かってくることだろう。その意味で、ダイバーシティは解決される「課題」ではない。両者が活かされるべき「強み」なのである。そして、その取り組みには終わりはない、と私は思っている。

解説:福田敦之(HRMプランナー/株式会社アール・ティー・エフ代表取締役)


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