東証プライム上場企業の2022年
夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
全産業127社ベースで76万5888円、対前年同期比6.5%増
夏季⼀時金としては伸び率が減少していた21年からプラスに転じる
労務行政研究所
民間調査機関の一般財団法人 労務行政研究所(理事長:猪股 宏)では、東証プライム上場企業を対象に、今年の賃上げと同時期に交渉・決定した夏季賞与・一時金の妥結水準を調査し、支給基準は127社、支給月数では130社について集計した(2022年4月14日現在)。
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2022年夏季賞与・一時金の支給水準
東証プライム上場企業の全産業ベース(127社、単純平均)で76万5888円、対前年同期比で6.5%増となった。産業別に見ると、製造業は同8.6%増、非製造業は同0.1%減と傾向が分かれる(下表および[図表1])。 -
妥結額の推移
各年4月時点の集計で見た夏季一時金妥結額は、2018年74万6105円 (対前年同期比2.4%増)、2019年74万3588円(同0.7%増)とプラスで推移した後、コロナ禍の影響で2021年に71万397円(同2.5%減)と前年を下回ったものの、2022年は76万5888円(同6.5%増)とプラスに転じた(2020年は集計未実施)[図表2~3]。 -
妥結月数の水準
全産業130社の平均で2.47ヵ月。同一企業で見た場合、前年同期(2.29ヵ月)を0.18ヵ月上回った。最高月数は5.02ヵ月と前年同期(3.23ヵ月)を上回り、最低月数も1.05ヵ月で前年同期(0.75ヵ月)を上回る[図表4]。
調査結果
[1]2022年夏季賞与・一時金の支給基準
2022年春季交渉時に決まった夏季賞与・一時金の支給水準は、東証プライム上場企業の全産業ベース(127社、単純平均)で76万5888円、同一企業で見た前年の妥結実績(71万9011円)と比較すると、金額で4万6877円増、対前年同期比で6.5%増となった[図表1]。
[2]夏季賞与・一時金妥結額の推移
妥結額の推移を見ると、2018年は74万6105円、対前年同期比2.4%増、2019年は74万3588円、同0.7%増と2 年連続で増加傾向にあったが、2021年はコロナ禍の影響から71万397円、同2.5%減とマイナスに転じている(2020 年は集計未実施)。2022年は国内景気の持ち直しなどもあり、76万5888円、同6.5%と大幅な増加となった[図表2~3]。
[3]2022年夏季賞与・一時金の支給月数
支給月数は、集計社数130 社の平均で2.47ヵ月となり、同一企業で見た場合の前年同期(2.29ヵ月)から0.18ヵ月の増加となった[図表4]。なお、個別企業の状況を見ると、月数の最⾼は5.02ヵ月(前年同期3.23ヵ月)、最低は1.05ヵ月(同0.75カ月)と、ともに増加している。
産業別に見ると、製造業の平均支給月数は2.57ヵ月と前年同期の2.36ヵ月から0.21ヵ月増えているが、非製造業は1.99ヵ月と2ヵ月を下回り、前年同期の1.98ヵ月とほぼ同水準となっている。
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調査対象
東証プライム上場企業(2022年4月4日現在で1839 社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業。持ち株会社が東証プライム上場企業の場合、その主要子会社は調査対象とした。なお、図表中の「商業」は卸売業、⼩売業。「情報・通信」には、IT 関係のほか、新聞、出版、放送を含む。[図表1、4]の業種分類は、東洋経済新報社『会社四季報』をベースとしている -
集計社数
2022 年春季交渉と同時期に、2022年の夏季賞与・一時金を決定している企業(組合)で、当研究所が結果を把握した127社(月数集計は130社) -
集計対象範囲
「2022年夏季」「2021年夏季」「2021年年末」の3者の金額または月数が把握できた企業。原則、組合員1人当たり平均(⼀部の年齢ポイント、標準労働者、全従業員平均による妥結額・月数も集計に含む) -
集計⽅法
単純平均(=各社の1人当たり平均を単純に足し上げ、集計社数で除した) -
調査時期
2022年3月16日~4月14日
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