子どもの夢は親次第?
アイデム人と仕事研究所
岸川 宏(きしかわ ひろし)
私が好きなCMのひとつに、父と娘が夢について語るといったものがありました。たしかクレジットカード会社のCMで、フレーズの細かいところまでは覚えていませんが、以下のようなやり取りだったと思います。
父「将来の夢はなに?」
娘「お父さんみたいな建築家になること。だって、かっこいいじゃん!」
満足げに照れ笑いを浮かべる父親に、娘がたずねます
娘「お父さんの将来の夢は?」
父「え? だってお父さんはもう…???」
このCM。何に良さを感じたかといえば、
- 子どもが憧れるかっこいいお父さんっていいな
- 大人になって忘れてしまった夢や希望。憧れを抱くことを思い出させてもらった
の2点です。夢を持っている大人は、よりカッコいいと。
アイデムでは毎年「はたらくすがた写真コンテスト」というイベントを開催しています。子どもが、自身の親や大人が、「はたらいている」ところファインダーを通じて見つめることによって、大人が働いているときの気持ち、志のようなものを感じ取ってもらえるイベントです。
私たちアイデム人と仕事研究所では、イベント開催に合わせ「子どものキャリア観と親の働く姿に関する調査」を実施しました。
今回は、心身の成長過程において大人への一歩を踏み出す頃の、小学校5年・6年生を対象としたアンケート調査から、「子どもたちに大人の(働く)姿がどのように写り、自分たちの将来に向けた職業・就労観にどんな影響があるのか」に関するデータをご紹介したいと思います。
アンケート対象は、小学校5年生または6年生の子どもを持つ男女1,308名と、その子どもです。子どもへの質問は、調査時に大人が同席している子どもに質問をし、その回答を記入するように指示しています。
将来の夢はあるか?(なりたい職業はあるか?)
皆さんは、小学校高学年のときになりたい職業はあったでしょうか?
下記のグラフは、子どもへの調査で「将来なりたい職業はあるか?」と聞いた結果です。
なりたい職業が「ある」と回答した子どもは48.6%約半分という結果です。多いと感じるでしょうか? 少ないと感じるでしょうか?
私自身は小学校の卒業文集に「天文学者になりたい」と書いた記憶がありますので、この頃の子どもの半数しかいないというのは、少ないような気もします。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。