働きやすさを求めるのは、辞めたくないから?
日々のニュースの中に、この言葉が出なかった日はいつだったろうというほど、問題となっている過労死。今や海外でも「karoshi」で通じてしまいます。これとセットでよくでてくるのが「長時間労働」「過重労働」です。新入社員だった女性が長時間労働で自殺に追い込まれたり、最近では、半年で休日が5日未満だった方が亡くなってしまった事件が、記憶に新しいと思います。
近年はワーク・ライフ・バランスや働き方改革等、「働きやすさ」が重要視されています。自社サービスの縮小や営業時間の短縮など、労働者の負担を和らげるとともに、時間当たり労働生産性を上げようという試みも増えています。求人倍率が上がり、ますます採用が難しくなってきた中で、今働いてくれている方々に働きやすい環境を整えることで、離職を減らす目的もあるでしょう。
「働きやすさ」を求める傾向は、現在働いている人だけにとどまらず、今後社会人になる就活生にも表れています。今回は「働きやすさ」とは具体的にどういうことを指すのか等を、就職活動に関する学生調査等を用いて紹介します。
働く上で大切にしたいもの
2018就職活動に関する学生調査(2017年2月1日状況)では、学生に「給与の高さ」「仕事の内容」「働きやすさ」の三つのうち、働く上で大切にしたいと思うものを一つ挙げてもらいました。その結果、「給与の高さ」10.3%、「仕事の内容」33.6%、「働きやすさ」56.1%となり、「働きやすさ」に重きをおきたいと考えている学生が最多となりました(図1)。
■図1:働く上で大切にしたいもの
2016年卒の学生から「働きやすさ」が最多ですが、2018年卒予定の学生は特にその傾向が強く、「仕事の内容」と20ポイント以上離れています。これまでの学生以上に、自身の働きやすさを重視した仕事選び・企業選びをしている方が多いようです。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。