どうする? 迫る社会保険の適用拡大
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
あと2年 厚生年金・健康保険の適用拡大
前回、前々回と「パート・アルバイトの募集」に焦点を絞ってデータをご紹介しました。
今回取り上げるのは、「厚生年金・健康保険の適用拡大」について。現在、厚生年金・健康保険への加入要件は、概ね「週30時間以上または年収130万円以上」となっています。しかし、2年後の平成28年10月からは「週20時間以上または年収106万円以上」に引き下げられることが決まっています(従業員数501名以上の事業所を対象)。
現在:「週30時間以上または年収130万円以上」
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今後:「週20時間以上または年収106万円以上」
保険料は、企業と労働者が折半して納めるもの。よって、厚生年金・健康保険の加入要件に該当する働き方の労働者が多くなればなるほど、企業側が納める金額も大きくなります。また、働く側も、「130万円の壁」が「106万円の壁」と低くなることで、今まで130万円を意識して就労調整をしていた層が、その働き方を「週20時間未満または年収106万円未満に引き下げる」のか、それとも「今までどおり働き、保険料を納める」のか、どちらに振れるのか動向が注目されています。
パート・アルバイトは、どう動くか?
『平成25年版 パートタイマー白書』を見ると、年収「103万円~130万円未満」で働いているパート・アルバイトのうち、何らかの意図を持って収入を制限している者は39.6%で約4割に上ります。収入を制限している理由は聞いていませんが、背景に「130万円の壁」があることは明らかです。
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。