企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

『アイデム』提携

就活「後ろ倒し」の目的は達成できたのか?(1/3ページ)

アイデム人と仕事研究所 関 夏海

2016/06/13
パートタイマー白書や学生を対象にした就職活動に関する意識調査など、当研究所が独自で行っている調査から見えてくることを考察します。

11月9日、日本経済団体連合会の榊原会長は記者会見で、2017年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とした採用選考活動のスケジュールを変更する方針を検討していることを明らかにしました。現行は選考活動解禁が卒業年次の8月1日であるのに対し、来年からは2ヶ月前倒しして、卒業年次の6月からとすることが検討されています。採用選考活動のスケジュールは、2016年3月卒業予定の学生を対象とした、今年に変更があったばかりです。

2016年卒業予定の学生を対象とした大卒・院卒の採用選考活動のスケジュールは、企業の広報活動開始を「卒業・終了年度に入る直前の3月1日以降」に、選考活動を「卒業・終了年度の8月1日以降」にそれぞれ後ろ倒しするよう、経団連の「採用選考に関する指針(2014年9月16日改定)」で求められていました。これは、安倍首相からあった就職・採用活動開始時期の変更要請の理由のひとつに「学修時間の確保」があり、これを実現することで学生が落ち着いて学業等に専念できる環境を整備するためでした。

しかしながら、上記スケジュールを加味せず採用選考活動を行った企業は少なくありませんでした。計画通りに新卒の確保ができないことを恐れた企業では、選考活動を早くから行い、その結果従来よりも採用期間が長期化することになりました。さらに、大手企業の選考が8月に本格化したため、夏の暑い時期に就職活動を強いられた学生が多くいました。その他にも、内定辞退数の増加や、学生を囲い込むための「おわハラ」等が問題となっています。

ところで、スケジュールの変更は学生が「学修時間の確保」を実現するために行われましたが、今回の「後ろ倒し」によって、学生の学業に費やす時間は増えたのでしょうか。経団連の指針の中には「学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、採用選考活動の早期開始を自粛する」と記されてありますが、当初の想定された流れと合わない部分が多く確認されていることから、やはり本来の目的も達成できていないのでしょうか。

スケジュールの変更前の学生(2015年卒)と変更後の学生(2016年卒)との間に、学業に費やす時間について差があるのかどうか、人と仕事研究所で公表している就職活動に関する調査で比べてみました。

2015年3月卒業予定者の就職活動に関する調査(2014年10月1日状況)では、学生に1日の活動時間を聞き、その平均の推移を記載しています。これによると、「2月末」から「学業・サークル・アルバイトに費やす時間」は徐々に増えていますが、「就職活動時間」は徐々に減っています。この2つの項目は、反比例しているようです。

【図1.2】1日の活動時間の推移/平均


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

新卒・パート/アルバイト調査のバックナンバー

ダレのための解禁日なのか?
毎年学生と企業を悩ます新卒採用の「解禁日」。解禁日を厳守している企業は年々減少し、形骸化が進む今、「解禁日」は本当に必要なのでしょうか。「解禁日」に関する調査結...
2018/04/09掲載
採用活動で、最も大切にしたいこと
十年ひと昔。変化のスピードが激しい現代においては、10年前ともなると、かなり昔のことのように感じます。この10年で、雇用を取り巻く環境はどのように変化したのでし...
2018/03/09掲載
平成29年度最低賃金、今年も大幅な引上げ~改定の影響は?
パート・アルバイトの募集時賃金が上昇を続けています。賃金の上昇には、景気の動向、採用の困難度、仕事の内容など様々な要因がありますが、その中で大きな要因の一つが「...
2018/02/09掲載

関連する記事

2018卒新卒採用は「早い」「高い」「多い」
3月1日。今年も2018年3月卒業予定者を対象とした新卒採用活動が解禁されました。近年上昇を続ける就職内定率を背景に、新卒採用活動を行なう企業はどのような策を講...
2017/09/15掲載新卒・パート/アルバイト調査
平均時給が上がる業種は?
~平成28年度地域別最低賃金改定の影響について~
平成28年度の地域別最低賃金の改定額の全国加重平均額は823円。平成14年以降で最大の25円の引上げとなりました。地域別最低賃金の引上げが、パート・アルバイトの...
2017/04/13掲載新卒・パート/アルバイト調査
定着のカギは、自社をよく知ってもらうこと
新卒採用活動で大事にしたいのが、学生に自社をよく知ってもらうことです。面接や内定をうけるかどうかを決めるのは学生本人であり、企業がコントロールすることはできませ...
2017/03/16掲載新卒・パート/アルバイト調査
複数内定獲得学生に選ばれるためには?
人不足の影響等から、新卒市場は学生に有利な「売り手」状態が続いており、複数の内定を持つ学生は珍しくはありません。その中から選ばれる企業となるためには、何が必要な...
2016/12/07掲載新卒・パート/アルバイト調査
指針にそぐわない新卒採用の実情
2016年度の新卒採用で話題となった「おわハラ」。各調査の結果から、日本経済団体連合会の発信した「採用選考に関する指針」にそぐわない、10月1日の内定解禁の前に...
2016/03/14掲載新卒・パート/アルバイト調査
人事ソリューション導入を検討されている企業様向け「注目のセミナー特集」

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

注目コンテンツ


19卒採用支援ソリューション特集

本特集では、今からでもご活用いただける、19卒新卒採用に役立つソリューションをご紹介します。
貴社の19卒採用にぜひご活用ください。



注目のセミナー特集

今期、新たな人事ソリューション導入を検討されている企業様向けに、『日本の人事部』が厳選したセミナーをご紹介します。


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


【グローバルタレントマネジメントフォーラム2018】成長する企業の人財活用力 ―可能性を引き出すタレント基盤―

【グローバルタレントマネジメントフォーラム2018】成長する企業の人財活用力 ―可能性を引き出すタレント基盤―

今や企業の成長を左右する源泉は人財活用力であり、人財を一つの企業資産と...


「短時間JOB」は組織に何をもたらすのか? iction! の取り組みから見えた兆しに迫る

「短時間JOB」は組織に何をもたらすのか? iction! の取り組みから見えた兆しに迫る

リクルートグループは2015年より、働く子育てを支援する「iction...


企業のAI活用に不可欠なリテラシーと人材育成の方法とは?

企業のAI活用に不可欠なリテラシーと人材育成の方法とは?

さまざまな事業領域でAI(人工知能)が活用されています。そのため、ます...