公務員のリストラ
公務員(具体的に書けば市役所職員)は、どのような場合、リストラが合法でしょうか。もちろん懲戒項目のような違法行為は当然でしょうが、市の財政状態が良くないが故のリストラはどうなんでしょうか。
投稿日:2007/08/29 13:27 ID:QA-0009526
- *****さん
- 東京都/機械(企業規模 101~300人)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
公務員のリストラは可能か? PART 1
■本サイトで取り上げるのに適切なテーマとは思えませんが、折角のご機会なので、弊職自身の頭の整理を兼ねて回答いたします。他のご回答者からの投稿でより適切なものになれば、それなりによいのではないかと思います。回答文字数制限を超過しますので2回に分けて投稿します。
■地方公務員法第28条第1項第4号に、分限処分の根拠の一つとして、「職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合」という規定があります。分限処分とは聞きなれない表現ですが、(1)勤務実績が良くない場合(2)心身の故障のため職務の遂行に支障がある場合や長期の休養を要する場合(3)職務に必要な適格性を欠く場合(4)職制や定数の改廃、予算の減少などで職場がなくなったり、職員数が過剰になったりした場合など、公務能率を維持するために問題が生じた際、任命権者の権限で降任、免職、休職、降給させることができるというものだそうで、不祥事などの際によく目にする「懲戒処分」とは異なっています。
■このように、何が何でも公務員の「首切り」を禁じている訳ではなく、地方公務員法上は、「予算が減りました」ということでばっさりリストラを行うことも可能なのです。しかし実際には、公務員に分限免職の処分が行われるケースは殆んどないようです。職務上の義務違反に対する制裁として行われる懲戒免職に比べて、免職させる基準の設定が難しいためだと言われています。したがって、職員としての身分を持ったまま、長期間にわたって断続的に休職を繰り返している例も見られるとのことです。実態的には、財政的危機に陥った場合での人員削減の緊急避難的措置を決めた法文はないに等しいと言えます。
■弊職の手元資料によると、一年前の記事ですが、地方公務員の給与は、民間より21%高く、殊に東北、九州では3割も高いと報告されています。また、別の資料によれば、係長(25才、独身)の年収は3,024千円、係長(35才、配偶者と子供1人)5,212千円、課長(45才、配偶者と子供2人)12,327千円などとなっています。これは、弊職などがコンサルしました300人未満の中小企業では見られない金額です。
投稿日:2007/08/30 11:33 ID:QA-0009536
相談者より
投稿日:2007/08/30 11:33 ID:QA-0033812参考になった
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
公務員のリストラは可能か? PART 2
■一寸古すぎますが、関連サイトをブラウズしていると次のような某週刊誌の記事に当たりました。曰く、
7月3日号に「公務員の人件費高すぎる」と題して産業別の年間人件費が次のように掲載された。(国民経済計算年報 平成13年度版)
『<公務員>1,018万円、<電気・ガス・水道などの公益事業>795万円、<金融・保険>678万円、<輸送機械>629万円、<電気機械>584万円、<小売・卸売>430万円。公務員を始めとして公益事業や金融業など国から堅く守られている業種の人件費が高い。一方規制や補助金で守られていない産業に従事する人の人件費は低い。小売・卸売産業では公務員の40%に過ぎない。公務員が民間より多忙を極めて生産性が良いなんてことはありえない。これじゃ一度公務員になったら高給の上、倒産もないからだれも辞めない。命永らえるためにさらに“ことなかれ主義”に徹するだろう』
■「公務員にも能力評価制度を導入」などの大体的な新聞記事はこの10年来毎年一流日刊新聞に掲載されているが、「今さら何を!」と思ってしまいます。一体何がどう変ったのかは専門家でも分かりません。それこそ、「工程表」を国会で法律化し、内閣、国会議員、政党幹部に対し、未達成に関する罰則規定も明記し、国民に進捗状況を公開させる位の取り組み姿勢なしに、この「魔の城」はびくとしないような気がします。
■結論として、個々の地方公務員もただの労働者だから、一概に非難の対象とするのは筋違いというものですが、昨今話題になった夕張市に続く財政破綻予備軍は、隠れ債務を顕在化させれば決して少なくないと思われ、公務員も民間の厳しさの中に入り、対価が得られなければ給料もボーナスも下がる。民間と同じ苦しさを味わい、競争できる環境に置かなくてはだめな仕組みを作り上げるのは、多くの労働者の突き上げパワーしかないのではないかと思います。
投稿日:2007/08/30 11:34 ID:QA-0009537
相談者より
投稿日:2007/08/30 11:34 ID:QA-0033813参考になった
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