赴任手当と所得税
当社の転勤規程では、赴任手当に関し、下記明記されております。
■赴任手当
転勤に関わる諸経費を賄うために、一律250,000円を支給する。
■荷造運賃
転勤に必要な本人および家族の荷物の荷造費、運賃、運送保険料は、実費を支給する。
■実費支給
実費で支給するものの精算には、領収証を添えなければならない。
上記の赴任手当は、赴任時に一度だけ支給されます。
その場合の250,000円は、所得とみなされますか(課税対象となりますか)。所得税に疎いため、根拠条文を含めてご教示戴けますと幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
投稿日:2010/07/06 11:07 ID:QA-0021525
- *****さん
- 千葉県/医療機器(企業規模 51~100人)
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
所得税法における、転勤に関する費用
■ 先ず、所得税法9条1項4号において、「 給与所得を有する者が・・・転任に伴う転居のための旅行をした場合に、その旅行に必要な支出に充てるため支給される金品で、その旅行について通常必要であると認められるもの 」 が非課税とされています。
■ 次いで、所得税基本通達・法第9条 《 非課税所得 》 関係 〔旅費(第4号関係)〕 で、「 ・・・通常必要とされる費用の支出に充てられると認められる範囲内の金品をいうのであるが、当該範囲内の金品に該当するかどうかの判定に当たっては、次に掲げる事項を勘案するもの 」 とし、判定に際しては、「 次の事項を勘案する 」 としています。
① 「・・・役員及び使用人のすべてを通じて適正なバランスが保たれている・・・」
② 「・・・同業種、同規模の他の使用者等が一般的に支給している金額に照らして相当と認められる・・・」
■ 荷造運賃関係や、実費としての証憑類の提出が可能な費用は、別にして、証憑類の提出が要求されない、赴任手当が問題になります。税法では、数値的線引きは一切示されませんので、社内バランスや世間相場は、自分で調査・検証しなければなりません。
■ 回答者の目には、全転勤事案、一律25万円という設定は、実費を一括看做しするものですから、手当の趣旨にそぐわず、問題含みと映ります。独身、単身、家族帯同の区分、家族帯同の場合の帯同子女数、更に、会社におけるステータスなどの要素を取り入れるのが公平だと思います。全件、平均して、25万円というのは、妥当な気がします。この辺は、税理士さんに聞いてみて下さい。
投稿日:2010/07/06 13:51 ID:QA-0021529
相談者より
一律ではありませんでした。最新の規程では、
①住居の異動を伴う場合
②会社が用意する寮などに入寮する場合
③単身者が家族の元に戻る場合
と分類されております。
前提となる詳細の説明不足で申し訳ございません。
別件、その社員は単身赴任者のため、別途単身赴任規程において、毎月基本給の10%、40,000円を上限とする旨明記されております。
この場合の40,000円は所得税の対象外として、処理して問題ありませんか。
再度のご教示を宜しくお願い申し上げます。
投稿日:2010/07/06 14:51 ID:QA-0040588大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
- この回答者の情報は非公開になりました
転居手当の所得税
常識の範囲内で非課税とされるのですが、その条件として、①賃金規定などに定めがあること、②業績賞与やボーナスなどが上乗せされていないこと、などがあります。
貴社の場合、常識的な金額なので、非課税扱いになると考えます。
投稿日:2010/07/06 14:20 ID:QA-0021530
プロフェッショナルからの回答
- 川勝 民雄
- 川勝研究所 代表者
月次支給の単身赴任手当は、給与所得としての課税対象
■ いいえ、給与所得としての課税対象です。赴任手当など、赴任時に一過的に発生する実費見合いの定額支給金は、支給を受けた者(転勤者)に経済的利益を齎さない ( 右から左へ、 OUT OF POCKET EXPENSE ) と看做されるので、非課税なのです。
■ それに対し、単身赴任手当 ( 名称に関わらず ) は、労務の対価としての賃金であり、受給者に、労務提供を理由とする 「経済的利益」を齎します ( ポケットに在留 ) ので、給与所得として課税対象になります。
投稿日:2010/07/06 20:09 ID:QA-0021542
相談者より
投稿日:2010/07/06 20:09 ID:QA-0040591大変参考になった
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