職業安定法について
いつもお世話になります。
日頃より、人事総務の仕事をするにあたり、労働基準法や労働安全衛生法については接する機会が多い一方で、職業安定法については取り扱う機会が少なく、以下の点についてご教示賜りますようお願い申し上げます。
例えば、人材紹介会社にA社が人材紹介を依頼し、アルバイトBさんを紹介いただいた場合、A社は紹介手数料を人材紹介会社に支払い、A社とBさんとの間に雇用契約が成立すると思いますが、
上記、ケースで人材紹介会社に紹介いただいたアルバイトBさんをA社で働いていただくことなく、C社でC社の社員の指揮命令の下でBさんに働いてもらい、C社からBさんにアルバイト料を払ってもらうとしたら、それは職業安定法に違反する行為に該当するのでしょうか。
投稿日:2026/01/22 14:47 ID:QA-0163492
- newyuiさん
- 神奈川県/その他業種(企業規模 31~50人)
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
具体的な事案については、必ずご自身の責任で弁護士・社会保険労務士等の専門家にご相談ください。
プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
ご回答申し上げます。
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1.結論
ご質問のスキームは、原則として職業安定法違反(労働者供給事業の禁止)に該当する可能性が極めて高いです。
また、構成次第では労働者派遣法違反(無許可派遣・偽装請負)にも該当し得ます。
2.仕組みの法的構造整理
正常な人材紹介モデル
人材紹介(職業紹介事業)とは、
人材紹介会社:あっせん
雇用関係:紹介先企業(A社)と労働者(Bさん)
指揮命令:A社
賃金支払:A社
という構造です。
ここでは、人材紹介会社は「雇用関係」に入らず、単なる仲介者です。
ご質問のスキームの問題点
A社が紹介を受ける
↓
BさんはA社で働かない
↓
C社で就労
↓
指揮命令:C社
賃金支払:C社
この場合の実態は、
紹介主体:人材紹介会社
労働者供給先:C社
雇用・指揮命令:C社
しかし契約構造上はA社が介在
→ 実質的に「労働者の供給・斡旋移転」構造になります。
3.職業安定法上の評価
労働者供給事業の禁止(職安法44条)
職業安定法は、
労働者供給事業(労働者を他人の指揮命令下で労働させる目的で供給する事業)を原則禁止
しています。
本件は実質的に、
紹介会社 → A社 → C社
という形式をとりながら、
実態は「人を別会社の指揮命令下で働かせる構造」
になっており、
→ 脱法的な労働者供給事業と評価される可能性が高いです。
4.派遣法との関係
この構造は、
雇用:C社
指揮命令:C社
となるため形式的には派遣ではありませんが、
もしA社が契約上関与
業務委託・業務提供形式
などを取った場合、
→ 偽装請負・無許可派遣認定リスクも発生します。
5.適法なルート
(1) 正規ルート
人材紹介会社 → C社に直接紹介
雇用契約:C社×Bさん
→ 完全適法
(2) 派遣ルート
派遣会社 → C社へ派遣
→ 派遣法に基づく適法派遣
A社が介在する合理性がない理由
法的に見ると、
紹介を受けた会社(A社)が雇用しない
就労先(C社)が雇用・指揮命令
この構造には制度的正当性が存在しません。
→ 法は必ず
「紹介先=雇用主=指揮命令主体」
という一致構造を要求します。
5.まとめ
本件スキームは、
・ 職業安定法44条違反(労働者供給事業禁止)
・ 偽装請負・無許可派遣リスク
・ 脱法的スキーム認定リスク
が非常に高く、
適法とは評価されません。
以上です。よろしくお願いいたします。
投稿日:2026/01/22 15:39 ID:QA-0163495
相談者より
いつもお世話になっております。
職業安定法44条違反(労働者供給事業禁止)について、今まで取り扱う機会がなかったため、とても詳しく説明いただき、深く理解することができました。たとえ、A社とC社がグループ会社でもこのような形態をとる場合には違反行為に該当し得る点について非常に明確に理解できました。ありがとうございました。
投稿日:2026/01/22 17:55 ID:QA-0163500大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
ご質問について、回答いたします。
ご質問の形態は、職業安定法第44条が禁じる労働者供給事業に該当します。
形式上A社と雇用契約があっても、C社が直接賃金を支払うことは、雇用と使用
の関係を不透明にし、労働基準法第24条の直接払いの原則や第6条の中間搾取排除
の観点からも大きな問題と言えます。
法違反を避けるには、実態に合わせてC社が直接雇用するか、適法な派遣免許に
基づく契約への切り替えが必要です。
投稿日:2026/01/22 16:18 ID:QA-0163496
相談者より
いつもお世話になっております。
大変参考になりました。
ありがとうございました。
投稿日:2026/01/22 17:58 ID:QA-0163502大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
対応
契約者以外に紹介人材を勝手に紹介したり、個人情報を開示することはできません。
ご提示内容は明確な違法だと思われます。
尚、本コーナーは人事課題の専門のため、法律的検証については必ず弁護士など,専門家のご確認をお願いいたします。
投稿日:2026/01/23 11:07 ID:QA-0163533
相談者より
いつもお世話になっております。
大変参考になりました。
ありがとうございました。
投稿日:2026/01/23 12:44 ID:QA-0163537大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、Bさんにとりましてはどの会社と雇用契約を締結されるのも自由ですので、紹介を受けたのはA社であるとしましても、BさんがA社とは雇用契約を結ばれずに、本人の自由意思で直接C社との間でアルバイトとして契約された上で勤務される分には差し支えございません。
しかしながら、紹介を受けたA社からの指示によってC社での勤務を命じられるような場合ですと、職業安定法違反となる労働供給に当たる可能性が生じますので、当然ながらそのような措置は避けなければなりません。
投稿日:2026/01/23 19:13 ID:QA-0163564
相談者より
いつもお世話になっております。
大変参考になりました。
ありがとうございました。
投稿日:2026/01/26 11:41 ID:QA-0163605大変参考になった
本Q&Aは法的な助言・診断を行うものではなく、専門家による一般的な情報提供を目的としています。
回答内容の正確性・完全性を保証するものではなく、本情報の利用により生じたいかなる損害についても、『日本の人事部』事務局では一切の責任を負いません。
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