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時間を切り売りする人生はもったいない
Wantedlyで、シゴトでココロオドル世界へ

ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO

仲暁子さん

仲暁子さん ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO

「共感」を軸とした会社と人の出会いを提案し、今や日本の採用市場に欠かせない存在となった、「Wantedly」。2020年に入ってからは、個人が最適な挑戦を重ね、柔軟にレベルアップしていける環境を整えるための従業員特典サービス「Perk」や、自社メンバー限定で記事を公開できる社内報サービス「Internal Story」など、エンゲージメント領域で積極的に新たなリリースを進めてきました。ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子さんは「コロナ禍だからこそ、個人と企業の新たなつながりを作り、そのつながりを保ち続けるサービス強化を加速させるべき」と話します。仲さんは日本の採用市場の現状をどのように捉えているのでしょうか。そしてHR業界の未来に向けた展望とは。仲さんのご自身のキャリアや、「ココロオドルシゴトの原点」を交えてお話しいただきました。

Profile
仲暁子さん
ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO

なか・あきこ/京都大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に入社。退職後、Facebook Japanに初期メンバーとして参画。その後現ウォンテッドリーを設立し、ビジネスSNS「Wantedly」を開発。2012年2月にサービスを公式リリース。人と人が繋がることにより、個人の可能性を最大限広げるサービス作りに取り組む。

目先の利益より好きなことを追う方が、
中長期的にはプラスになる

ウォンテッドリー株式会社の採用ページには「なんとなく生きるのが嫌いだ。」という仲さんのメッセージが掲載されています。この思いは、どのような経験から生まれたものなのでしょうか。

人生は有限なのだ、という思いは強いですね。常に焦りを覚えながら生きているようなところもあります。なんとなく生きていると、あっという間に時間が過ぎていってしまう。「人生の有限な時間を無駄にしたくないな」とずっと思ってきました。

そう考えるようになった、強烈な原体験があるというわけでもないのですが……。振り返ってみると子ども時代の早い段階から、「経済的に人に依存せず自立したい」と考えていました。

そういった気持ちではじめて経験した高校の時のアルバイトは、一般的な時給制のものでした。「早くバイトが終わらないかなぁ」と思いながら働いていて、時間の切り売りをしている自分に違和感を覚えました。インセンティブの設計次第では、有限で貴重な人生の一刻一刻を早く消費したくなってしまう。そんな大いなる矛盾に気が付きました。

仲暁子さん ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO

仲さんのメッセージが記されたウォンテッドリーのコーポレートサイト

そう考えるようになったのは、身近な人の影響もあったのでしょうか。

両親から受けた影響は大きいと思います。

私の両親はともに研究者です。20代の駆け出しのころは大きな収入があるわけでもなく、一方では多忙な日々を過ごしていたと聞いています。それが40代に入る頃には、二人とも好きなことに没頭し、自由に海外を飛び回るような生活ができるようになりました。

その姿を間近に見てきた私は、「目先の利益にとらわれず、好きなことを突き詰めていくことが中長期的には自分にとってプラスになるのではないか」と考えるようになりました。逆に、目の前の収入や自己満足のためだけに動くと、やりたくない仕事に就いて、時間を切り売りしてしまうことになるのではないかと。

ちなみに両親は、子どもの私に対して「将来こうなってほしい」と何かを強制することがありませんでした。二人とも自分が成し遂げたいことを追いかけて楽しく生きていて、いい意味で自分の人生に忙しい。だから、子どもに対して過度な干渉をする必要がなかったのだと思います。「自分の人生を生きている」両親の姿を見て、あこがれを抱くようになっていました。

「明けない夜はない」。
リーマン・ショックを振り返って伝えたメッセージ

大学卒業後は、ゴールドマン・サックス証券に入社されました。外資系投資銀行の世界で学んだものや得られた経験について教えてください。

ゴールドマン・サックス証券という投資銀行業界のトップ企業にいられたことには、大きな意義があると思っています。ともに働く人のクオリティも、求められるアウトプットのレベルも、ものすごく高い。社会人としての私の価値観の基盤を作ってくれた世界でした。

スポーツの世界では、アスリートが酸素の薄い高地でトレーニングして自分を鍛えることがありますが、イメージとしてはそれに近いです。仕事において求められるアウトプットのレベルがあるとすれば、ゴールドマンでは、常にトップのアウトプットを求め続けられます。それも新卒の時点から一貫して。私が社会人の入り口の時点で低いアウトプットしか求められていなかったら、それが一生続いていたかもしれません。

株式の営業をしていたので、数字に対する苦手意識も自然と克服できました。ファイナンスのベーシックな知識を得られたことも現在につながっています。

入社して間もないころにリーマン・ショックを経験されています。当時、投資銀行は軒並み大きな打撃を受けましたね。

危機の中にある会社や業界で過ごした経験は大きいですね。コロナ禍を受けて、社内でも私がリーマン・ショック時に体験したことを共有しました。

金融業界は、原価のほとんどを人件費が占めています。市況が大きく落ち込めば従業員を減らし、回復してきたら再び採用する。そんなふうに人の入れ替わりが激しい世界なので、リーマン・ショックのころには、お世話になった先輩が突然いなくなることもありました。でもその後は、6、7年をかけて何事もなかったかのように市況が戻り、株価も元に戻っていきました。

そんな経験を振り返って、社内では「明けない夜はない」と伝えました。市況や株価、消費者マインドは、一度下がったとしてもまた上がるんです。だから今はチャンスの時期でもあると思っています。

仲暁子さん ウォンテッドリー株式会社 代表取締役CEO

物理的に離れている状態で、
ミッションやバリューを伝えられるか

仲さんはコロナ禍をどのように捉えていますか。

連日新型コロナウイルス関連の報道に接していると、世の中がこの状況に慣れてきているように感じますね。しかし、人類が歴史上で経験した感染症の中でも、新型コロナウイルスが大規模なものであることは間違いありません。私はまだ「歴史的イベントの最中にある」と認識しています。振り返りや総括ができるのは、3〜4年後になるのではないでしょうか。

そうした中、2020年の日本では働き方が大きく変わりました。多くの企業がリモートで人をマネジメントするようになり、従来のように物理的に同じ部屋で従業員を管理することができなくなりました。日本人には人の目を気にして動く文化がありますが、リモートワーク環境ではそれが働きません。自律的・自発的に働ける人たちがいる組織と、そうでない組織の差が大きく表れてくるのではないかと見ています。個人でも、自律的・自発的に働ける人の差が開いていくと思います。


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