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第14回:「09年卒採用」の成否を握る戦略的な「内定者フォロー」

解説:福田敦之(HRMプランナー/株式会社アール・ティー・エフ代表取締役)

近年、バブル期並みの人材難から、新卒に対する採用活動の早期化傾向が一段と激しくなっている。その結果、内々定から内定、入社までの期間がますます長期化し、内定辞退者の増加が大きな問題となってきた。ここでカギを握るのが「内定者フォロー」だ。これからの内定者フォローは、学生の入社前の不安感を払拭して「内定歩留まり」を高めるだけでなく、自社や仕事への理解を深めさせ「入社後のミスマッチ」を防ぐことがポイントになる。さらには、課題を与えるなどの手法を使うことで学生に「期待されている」と感じてもらい、モチベーションを向上させることで入社後の定着を図っていくことも重要になってくるのではないか。今回はそうした戦略的な内定者フォローと、内定実務上の留意点について考えてみたい。

2009年卒「内々定」の状況

2009年卒採用を「増やす」企業は3割

アメリカの「サブプライム住宅ローン問題」に端を発した景気減速が懸念される中にあっても、昨今の企業の新卒採用に対する意欲は底堅い。採用担当者としては頭の痛いことだが、しばらくは学生の「売り手市場」が続くと予想されている。例えば、朝日新聞社が主要100社を対象に行った2009年春の新卒者採用計画をみても、採用意欲が極めて高かった2008年春の実績に対して、「増やす」が3割、「前年並み」も半数近くに上っている。読売新聞社や毎日新聞社など、他のマスコミ各社が行った調査でも同様の結果が出ている。これも、バブル期とそれに続く不況期に採用を急激に増減させた反省が各企業にあるからだ。さらには質の高い人材を確保しようと、初任給を引き上げる動きが拡大しているのが今年の特徴である。

3月中に実質的な内定を出す企業が2割近くにも

とにかく、採用活動は年々早まってきている。そのあたりについて、何人かの就職コンサルタントと呼ばれる人たちに話を聞いてみた。彼らが言うには、マスコミの一部が3年生の秋には内々定を出し、それに外資系金融機関が続いたという。さらに、年末年始にかけて人材不足が著しいIT関連企業、2月に飲食・サービス関連や証券会社、3月から4月上旬には採用力の最も高い大手メーカーや銀行が、内々定を出しているとのことだった。

こうした話を聞くにつけ、「卒業・修了学年に達していない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む」を謳っている日本経団連の「新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章」は、実質的には反故にされているといっていいのかもしれない。事実、日本経済新聞社が3月20日にまとめた調査では、3月中に採用決定の内々定を出した企業は前年度の9.2%から17.3%へと、2割近くに達している。

ちなみに、人事業務支援を行うレジェンダ・コーポレーションが行った調査では、2月だけで6社以上の面接を受けた学生もいる。この段階で10.7%の学生が内々定を獲得しているが、1月に比べ6.4ポイント増えている。就職活動を続けている学生も、2月だけで平均11.6社の会社説明会に参加し、48.2%と半数近くが第一志望の企業を決定しているという。

このように早期化が進むと、学生と企業との間のマッチングが難しくなってくる。その結果、短期決戦の間に納得のいく企業から内定を得られなかった学生は、すぐに次の企業を探し始めることだろう。4月の第2週以降、再び就職活動のピークが来るのは間違いない。

内定までの管理、フォローが重要

「倫理憲章」の縛りはさておき、採用難だから早期に内々定を出したいという企業の気持ちは分かる。ただし、それは10月の正式な内定出しまでの間、学生に対して「不安」を持たせる期間が長くなることを意味していることを忘れてはならない。特に、最近の学生や新入社員は働くことに対する考え方や価値観が以前とは大きく変わってきており、内定までの管理、フォローがとても重要になってくる。

【内定と内々定の違い】
一般的に、内定とひとくくりにされることが多いが、正しくは「内々定」と「内定」という段階に分かれる。日本経団連の「新規学卒者の採用選考に関する企業の倫理憲章」において、正式な内定日が10月1日以降とされており、大企業を中心に正式な「内定」は10月1日以降に出されているからだ。とはいえ、実態としては4月をピークに「内々定」という形での意思決定がなされている。これを世間では「内定」と呼ぶことが多いが、実際は10月1日以降のものが「内定」であり、それ以前のものが「内々定」ということになる。

最近の新入社員の特徴

競争を避ける若者~「実力主義」より「年功主義」へ

ここで、最近の若者の特徴を少し整理してみよう。日本能率協会が行った「2007年度新入社員『会社や社会に対する意識調査』」をみると、最近の若者の傾向を端的に示す結果が出ている。「実力主義」と「年功主義」の会社のどちらが魅力的かとの問いに対して、2003年は「実力主義」73.5%、「年功主義」23.2%だったのが、今回の調査では何と「実力主義」と「年功主義」がほぼ半々となっているのだ。この数年の変化は注目に値する。理由は幾つか考えられるが、少子化やゆとり教育の影響もあり、昨今の新入社員に競争を避ける傾向が強くなっていることは間違いない。

彼ら・彼女らは就職氷河期の先輩の姿や、リストラで苦しむ親の姿を目の当たりにしてきたわけであり、実力主義よりも皆が平等に上がっていく年功主義に魅力を感じるのだろう。

「カーリング型」~楽に就職できたため、簡単に辞めてしまう可能性も

このような昨今の若者を表す言葉がある。社会経済生産性本部では毎年、新入社員の特徴を一言で表現する試みを行っているが、2008年度の新入社員のタイプについて、「カーリング型」とネーミングしている。今春入社組の採用戦線は空前の売り手市場だったが、こうした実情も影響してか、「少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まったりしてしまう」ということらしい。同本部によると、今春の新入社員は「バブル期並みの売り手市場だった分、会社への帰属意識は低め」と分析。カーリングのストーン(石)に例え、「磨き過ぎると目標地点を越えてしまったり、はみ出してしまったりすることもあるだろう」と指摘している。いやはや。

とにかく、こうした特徴を持つ人たちを相手にするということを、内定フォローを行う前に今一度、頭の中に置いてほしい。

図表1:入社年度別の新入社員のタイプ(社会経済生産性本部)
入社年度 タイプ 特徴
2003年 カメラ付ケータイ型 その場で瞬時に情報を読み取り発信するセンスや処理能力を持ち、機能も豊富だが、経験や知識がなかなか蓄積されない
2004年 ネットオークション型 良いものには人気が殺到し売れる一方、売れ残りも多数。ブランド名やアピールに釣られて高値で落札したが、入手(入社)後にアテが外れることもある
2005年 発光ダイオード型 電流を通す(ちゃんと指導する)ときれいに光る(いい仕事をする)が、決して熱くはならない(冷めている)
2006年 ブログ型 表面は従順だが、さまざまな思いを内に秘め、時に大胆に自己主張する
2007年 デイトレーダー型 久々の大量採用だが、氷河期とは異なり細かい損得勘定で銘柄(会社)の物色を継続し、安定株主になりにくい。早期転職が予想される
2008年 カーリング型 少しでもブラシでこするのをやめると、減速したり、止まったりしかねない。楽に就職できたため、簡単に辞めてしまう可能性も

内定者フォローの「視点」

なぜ、内定者フォローなのか

採用活動が早期化するに伴い、より重要性を増してくるのが内定者管理活動、すなわち「内定者フォロー」である。昨今のように採用活動が早期化すればするほど、企業による「内々定」の意思表示が早まる。その結果、入社までの期間がこれまでより長期化することになっていく。その期間を、どのように管理・フォローしていくかが大きなポイントとなってくる。

というのも学生にとって、内定から入社するまでの期間は、その気持ちが常に不安定な状態にある。また、幾つもの会社から内定を得ている学生にとっては、1社に絞り込んでいくための期間である。これは結婚と同じで、意思決定がとても難しい。加えて、周囲からの“雑音”も多い。「マリッジブルー」と同様に、「内定ブルー」という言葉のあることがそのことをよく示している。

いずれにしても、企業にとってこの期間内にどれだけ丁寧に内定者フォローを行い、学生の気持ちを自社の方向へと確実に向けさせ、入社の意思を固めさせることができるか。これが、採用目標数を達成するためにとても重要な課題となってくる。

内定者フォローの考え方

一般的に、内定者フォローに対する考え方は、大きく以下の3点にまとめることができる。

(1)内定学生の「不安感」の払拭
意外に思われるかもしれないが、企業が学生に対して内定の意思表示を出した後、そのまま放っておくケースが少なくない。そうすると、どういうことが起こるか?内定者は「自分は本当に内定したのだろうか」「あまり期待されていないのでは」「他にもっと自分に相応しい企業があるのでは」と不安にかられ、それが行き過ぎるとより確実な内定を得るために、他企業に対して再度就職活動へと走ってしまう。そうしたことにならないよう、企業としては学生の心理状態を思いやり、適切なフォローを行っていくことが欠かせない。このような内定学生の不安感を払拭させることの重要性を、まずはよく理解してほしい。

(2)過度な期待感と入社後の「イメージギャップ」の穴埋め
空前の採用難ということもあり、採用活動中はどうしても自社の良い面を過度にアピールしがちだ。その結果、内定者は得てして、会社に大きな期待感を抱くようになる。ところが入社後、現実との“ギャップ”の大きさにショックを受け、退職に至るケースがよく見られる。内定者にしてみれば、採用担当者に嘘をつかれたという苦い思いをもって退職していくことになる。あってはならないことであるが、現実問題として新卒者の3割が3年以内に辞めるという事実が、そのことを物語っているのではないだろうか。

イメージギャップを穴埋めするには、自社の“実像”をどのように話していけば入社後スムーズに順応できるかを十分に検討し、適切な対応を行っていくことだ。こうしたソフトランディングのための方法として、「若手従業員や先輩との懇談会」や「職場や工場の見学」「職場での事前実習・研修」「内定者専用のwebサイトでの情報交換」などを行うケースがある。ただし、やり方を間違えるとかえって不安感をあおることになるので、実施に当たっては注意が必要である。例えば、若手従業員や先輩との懇談会に際して、意識の高い優秀な従業員を事前に選んでおくことなどは、当然考えておいてほしい。

(3)入社後の「即戦力化・定着促進」としての入社前教育の検討
最近、内定者フォロー対策と新入社員教育との中間的色彩を持つものとして、「入社前教育」を行う企業が増えている。狙いとしては、1つに内定者フォロー活動の最後の区切り、けじめとして位置付けようというものがある。これにより、最終的な入社者を確定することができる。2つ目は、入社後できるだけ早く、自社の中心的な存在として十分な力を出してもらうための「即戦力化」対策としての位置付けだ。そして3つ目として、入社後の「定着促進」対策としての位置付けである。前述したように、若年層の定着率は依然として低い。少子化が進む今後、新入社員を中心とした若年層の定着率の向上は、人事上の大きな課題となっている。そのため、経営理念への共感や内定者の同期意識の醸成といったことに狙いを置き、入社前教育を行うケースが増えてきている。

いずれにしても、昨今の採用マーケットや若者気質に即した対応と、従来から行っている内定者管理のための施策を充実させるのは当然のことだろう。そして、それぞれの施策の位置付けを明確にし、内定者歩留り率や入社後の定着率向上にどれだけ寄与しているのかを定量的に把握するなど、内定フォローにおける戦略性を持つことは、今後とても大切になってくる。

戦略的な内定フォローの「実施」に向けて

内定者の抱える「期待」とその裏にある「不安」を解消する

具体的な施策を考える上で、何よりも学生の「不安」を明らかにすることが重要である。内定が決まった後でも、学生は翌年の入社に対しての「期待」と同時に、実は多くの「不安」を抱いている。この不安は、就職活動中から内定、そして入社後まで続いていく。なぜかというと、それは学生が本当の意味で「社会人」として働いた経験がないからである。その不安を払拭し、モチベーションアップを図っていくことは、採用ミスマッチを防ぐ意味においても、人事・採用担当者に与えられた大きなテーマである。

まずは、こうした学生の「気持ち」を理解し、企業側が“快く”応えていくことが重要である。そして、内定者の「情報」を関係者で共有し合うのはもちろん、入社後も配属時の先輩や上司の対応などに関しては、十分に気を配っていくことである。

そのためには、彼ら・彼女らの裏側にある「不安」要素を分析し、それに対してきめ細かく対応していくことがポイントとなる。実際、昨今の20代の若い人たちは、仕事で1度失敗したらそれで終わりと考える人が少なくない。こうした「モチベーション対策」はできるだけ早く行うと同時に、一定期間観察し、その心理状態を把握していくことが大切である。そして、何か“シグナル”を感じたら、素早く対処していくことだ。

学生が持っている「不安」要素とは何か?

では実際のところ、この段階で学生が感じている「不安」要素には、どのようなものがあるのか?それは、大きく以下の3つに整理できる。

(1)「社会人生活」に対する不安
まず考えられるのが、社会人生活そのものに対する不安だろう。それこそ、「遅刻しないよう、朝早く起きられるか」「周囲の人に対して、きちんとした言葉遣いができるか」「電話応対をちゃんとできるか」といった「ビジネスマナー」のレベルの問題がある。就職活動を通して社会人生活を垣間見たといっても、実際に働いていたわけではない。学生から社会人へとうまく気持ちや行動の切り換えができるかどうかは、結構重要な問題なのである。

(2)「人間関係」に対する不安
次に、「上司や先輩とうまくやれるか」といった、会社での人間関係を危惧する問題。今までは「友人」を中心とした単純な人間関係、いわばサークル的な人間関係しか知らない。それが、これからはさまざまな人間関係の中で過ごし、ある時は仲間と競争し合い、そして「結果」を出していかなければならない状況に置かれる。人間関係に対する不安には大きなものがあるはずだ。特に、最近の若者はこの点に関して弱いと感じるのは私だけではないだろう。

(3)「仕事・キャリア」に対する不安
学生は、大企業といえども終身雇用を謳うケースは少なくなり、処遇も年功主義から成果主義へと移り、多くの会社が「キャリア自立」を求めているといった、昨今の雇用を取り巻く環境は知っている。その中で、自分はどうキャリアを積んでいけばいいのか、そもそも自分は能力的に通用するのかといった漠たる不安を感じているのだ。何より、働く前と後で感じる会社や仕事に対する「ギャップ」には、かなり大きなものがある。こうした仕事やキャリアに対する「不安」要素に対して、人事部や直属の上司(先輩)が丁寧に対応していくことが欠かせない。状況によっては、「個別」対応もあってしかるべきだろう。

「不安」を払拭する方法・場を積極的に設けていく

そして、ここまで述べたような「不安」に対して、入社前に払拭していけるような方法や場を積極的に作っていくことが大切である。そうすることにより、会社は自分たちのことを真剣に考えていてくれるのだという「安心(=不安解消)モード」に入っていく。その結果、内定当初に持っていた“ポジティブ”な気持ちを忘れ去ることなく、モチベーションをさらに上げていくことが可能となるだろう。

最近では、webを活用したバーチャルなフォロー、体感形式や共同作業形式のリアルなフォロー、そして外堀を埋めるための親・保護者向け対策などの実施が目立つ。さらにより長いスパンで、入社後を見据えたキャリア開発なども見られる。個人的には、企業風土の理解、仕事の理解、内定者や社員との関係、そしてキャリアに対する理解が特に大事だと思っている。入社前にこれらの理解を深めるほど、入社後のミスマッチが少なくなるからである。

図表2:内定者フォロー施策とその主たる目的
入社前 社会人生活 人間関係 仕事・キャリア
アルバイト  
内定者同士の交流・グループワーク    
社内・職場、工場・店舗の見学
社内行事への招待・参加  
社内報の送付    
懇談会    
合宿研修  
入社前研修(通信教育、web)  
課題図書など感想文、レポートの提出    
資格取得支援    
ボランティアへの参加    
近況報告(メール、電話)    
入社後
導入研修    
歓迎会    
マンツーマン教育(チューター制度)
OJT教育
人事部・採用担当者との面談  
フォローアップ研修  
人事考課フィードバック面談  
キャリア開発支援・アドバイス    

あらゆる場面で、応募の動機付けを行う

関係が深くなった会社に対しては、学生に限らず、なかなか断りを入れるのは難しい。一方、あまりケアをしてくれない会社に対して断りを入れることに、心理的な抵抗がないのは人の常だろう。そもそも、内定に対する「重み」が以前とは大きく違ってきていることを忘れてはならない。昔は何十社も回って1社しか内定が取れなかったのが、現在では10社回れば2~3社の内定が取れる。そういう時代なのだ。学生の立場からすれば、内定を得たときの「高揚感」が以前より相当落ちてきている。だからこそ、内定辞退が続出するのである。そうならないためにも、上記に示したような施策をしっかりと行わなければならないのである。最近では、採用理由について文書で説明する取り組みも増えている。「なぜ、あなたが」について、個々のフォローを行う必要性を感じているのであろう。

さらに言えば、内定辞退を減らすためには、内定を出してからよりも、採用段階の初期の頃からのアプローチが大切である。会社説明会や選考段階で、しっかりとした応募の動機付けを形成しておくことが重要と言えよう。学生は複数の会社を受験しているから、あらゆる局面で応募の動機付けをしていかないと、あっさりと忘れられてしまう。

このように考えると、採用とは動機付けの連続であることがよく分かる。そもそも企業において、人材を活用することが動機付けそのものである。戦略的な内定者フォローも、その中で位置付けられるものと考えられる。

(参考)内定者フォローに関する「留意点」

内定者フォロー、すなわち内定出しから入社に至るまでのプロセスにおいて、実務上で留意すべき点は結構多い。以下、主たるものについて記してみた。

採用プロセスで重要な位置を占める「内定出し」業務

正式な内定は、「口頭」ではなく「採用内定通知書」で伝えるのが一般的だ。問題は、それをどのような態度で受け止めてもらうかである。企業が「採用内定通知書」を出すと同時に、学生が提出する正式な文書としては「入社承諾書」や「入社誓約書」などがある。というのも、これらの文書の提出を求めることは、その後の内定管理、内定歩留まりにも大きく影響してくるからだ。もちろん、これらの文書の“拘束力”は学生に対してよりも企業に強く働くが、学生が文書に記名、押印するという行為を通して、入社の意思を固める確率は高くなってくる。尚、この他にも「不合格」の通知も不可欠である。このように、「内定出し」に関する業務は採用プロセスにおいて、極めて重要な位置を占めている。以下、そのポイントを整理しておく。

正式な内定は、「口頭」ではなく「採用内定通知書」で伝えるのが一般的だ。問題は、それをどのような態度で受け止めてもらうかである。企業が「採用内定通知書」を出すと同時に、学生が提出する正式な文書としては「入社承諾書」や「入社誓約書」などがある。というのも、これらの文書の提出を求めることは、その後の内定管理、内定歩留まりにも大きく影響してくるからだ。もちろん、これらの文書の“拘束力”は学生に対してよりも企業に強く働くが、学生が文書に記名、押印するという行為を通して、入社の意思を固める確率は高くなってくる。尚、この他にも「不合格」の通知も不可欠である。このように、「内定出し」に関する業務は採用プロセスにおいて、極めて重要な位置を占めている。以下、そのポイントを整理しておく。

(1)内定の「通知」
採否の「判定」がなされたら、早く学生にその意思を伝える

採否は、速やかに学生に伝える。企業側としてはかなりの“感触”を得ていたとしても、学生はその不安から他社に並行して応募してしまうからだ。採用の意思をちゃんと確認できないと、たとえ本命企業であったとしても、他社を受験する学生は非常に多い。実際、採用の意思がありながらも、それを明確にしなかったために、学生が他社へと決定してしまうことはよくある。その意味でも、採否の判定がなされたなら、なるべく早く学生にその意思を伝えることが大切である。

内定を伝える方法には、「面談の中で伝える」「電話で伝える」「メールで伝える」「文書で伝える」といった方法がある。一般的には、「電話」「メール」や「口頭」でその“意思”を伝え、後に正式な「文書(採用内定通知書)」で伝える。

「不合格者」にも通知する

合格者に比べ、その対応の難しいのが「不合格者」への通知。この場合、電話による通知よりも、きちんとメールや文書にして連絡することが望ましい。不合格者に対する連絡をいたずらに引き延ばすことは、不合格者の他社への就職機会の妨げとなるからだ。また、不合格者も自社のユーザーの一人であることを考え、企業イメージを損なうことのないよう細心の対応が求められる。

(2)採用決定の事務手続き
「採用内定通知書」を渡し、「入社承諾書」や「入社誓約書」を提出させる

内定者に「採用内定通知書」を渡し、「入社承諾書」や「入社誓約書」を提出させることによって内定が成立する。これにより、必ずしも100%内定者を拘束できるものではないが、内定者の入社意思を確認することができ、「歩留まり」の向上が十分に期待できる。

内定の意思表明後は、原則的に「内定取り消し」はできないと考える

その際に注意したいのは、拘束力という点では「採用内定通知書」のほうが強いということ。もし、通達後に内定を取り消した場合、その事実はネットを通じて広く知れ渡ることになり、次年度以降の採用に大きく影響が出ることは想像に難くない。内定の意思表明後は、よほどのことがあっても企業は内定の取り消しができないと考えておいたほうがいい。このような通知は、学生のみならず、就職部などの関係者にも合わせて行うことが必要である。

(3)「内定」トラブル防止に向けて
「内定」段階になると、「雇用関係」が成立する

「内定」とは「入社することの予定、ないし決定」と認識される。「採用予定」(内々定)の段階では、「雇用関係」は成立していないので問題となることはあまり多くないが、これが「採用決定」(内定)段階となると「雇用関係」が成立することから、事は複雑となってくる。つまり、実際に雇用状態になくても、採用する意思表示が明確にされた場合には、「始期(雇用が始まる時期)付解約留保権付雇用契約」が結ばれたとみなされるからだ。具体的には、

  • 雇用する日付が明記された「採用通知」を送る
  • 「入社誓約書」などを提出させる
  • 入社を前提とした研修があるなど、採用を決定した「意思表示」を明確に行う

といった行為が行われば、それは「採用決定」(内定された)との判断が下される。
このようなケースでは「雇用契約」を結んだことになるので、この後で理由もなく一方的に契約を解除することは許されない。企業側の「内定取り消し」はもちろんのこと、学生側の「内定辞退」も本来はあってならないもので、理論的には両者共に「損害賠償」を請求される可能性がある。一方、「採用予定」の段階であれば、例えば学生が「拘束を断った」ことを理由に内定を取り消しても法律上、特に問題はないと考えられる。

内定後の「就職活動」は、NGと判断される

「採用予定」、つまり内々定の段階であれば、学生が就職活動を続けても問題はない。ただし、「採用決定」という位置付けでの「内定」が出された後、学生が就職活動を行うことはNGと考えられる。例えば、採用活動が終了し、内定式が済んだ後で学生が辞退した場合、内定辞退による被害が甚大であれば、企業側として損害賠償を請求することも可能である。

とはいえ、こうしたケースとなると、問題が表面化することは避けられない。現実問題として、企業イメージや採用ブランドにも影響を与えることが考えられるので、損害賠償を請求するには相当の覚悟が必要だ。昨今では、早期に内定を出したにも関わらず、内定を辞退するケースが少なくないが、この場合も、「採用予定」なのか、それとも「採用決定」なのかで、その後の対処が大きく違ってくる。

「内定取り消し」が可能なケース

企業が学生に関する情報を集めることは、“違法”な手段を用いない限りにおいて、法律上問題はない。最終面接の後に身辺調査を行い、その結果を理由に内定を出さないことは別に構わない。それは、企業にも「採用の自由」が認められているからである。

ただし、これが内定後となると、正当な理由を立証する必要がある。過去の裁判例では、内定取り消しがやむを得ないと正当化されるケースとして、以下のような事情が挙げられる。というか、これ以外のケースで内定を取り消すことはできないと考えていい。

  • 「単位不足」などで、学校を予定通りに卒業できなかった
  • 入社時までに「免許」や「資格」を取得することが事前の約束になっていたにも関わらず、取得できなかった
  • 「健康状態」に異常が発見され、通常の勤務を行うことが困難となった
  • 提出した書類(学業成績証明書、誓約書、健康診断書など)に偽りが記載されていた、経歴詐称が発覚した
  • 犯罪行為を犯し逮捕、起訴された
  • 自社の経営状態が予想外の不振に陥ってしまった

内定者に「労働基準法」は適用されない

内定者には「雇用関係」は成立しても、「労働基準法」の適用は原則的にない。なぜなら、労働基準法でいう「労働者」とは、実際に働いて給料が支払われている者を指すからである。だから、もし内定取り消しがあった場合でも、内定者は「解雇予告手当」の支払いを請求することはできない。

問題となるのは、むしろ「就業規則」である。一般的に、就業規則では「この規則は会社の従業員に適用される」と規定してあるが、いつから従業員の身分を取得するのかに関しては、就業規則の中に明確に記載されていないケースが多い。時には、災害補償などの場面で問題が生じないとも限らない。そのためにも、内定者に関しては就業規則が適用されない旨を、就業規則の中に明記しておくことが無難な選択である。

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