企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

キーパーソンが語る“人と組織”
日本の人事部「HRアワード2016」受賞者インタビュー

人事は世の中でもっとも面白い仕事
注目の新制度「WAA」に込めた、
人と組織への熱く深い思いとは(前編)

島田 由香さん
(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

おせっかいが天職に!? キャリアを決定づけた「組織論」の授業

―― 島田さんは、学生時代から人と組織に関することに関心をお持ちだったそうですが、何か直接のきっかけがあったのですか。

あるとき母から聞いたエピソードなのですが、小さい頃、“親切とおせっかいはどう違うの?”と母にたずねたそうです。きっと“おせっかい”と誰かに言われたんでしょうね(笑)。困っている友だちを見たら何とかしてあげたいし、みんなでもっと仲良くしたい、そういう気持ちが強かったのは自分でもよく覚えています。それが人事や組織という具体的なテーマにつながったきっかけの一つは、大学2年のときに受けた「組織論」の授業でした。ジャーナリストの父の影響もあり、もともとは国際関係学を学ぶつもりで慶應義塾大学(SFC)に進んだのですが、「組織論? ちょっと面白そう」というぐらいの軽い気持ちで受けた一般教養の授業が、結果的に私のキャリアを決定づけたといっても過言ではありません。

その「組織論」の授業は、さまざまな企業から現役のビジネスリーダーを講師に招き、実際の会社がどのように運営されているのか、評価の仕組みから選抜の実態まで、人事・組織のリアルな話をうかがうというものでした。私にはそれがすごく面白かった。というのも、父が企業人ではなかったせいか、日本のいわゆる“ザ・カイシャ”的なカルチャーにはそれまでまったく縁がなかったからです。逆に新鮮で、おおいに興味がわきました。そしてある回の授業で、講師を務めた銀行の方がこんなことをおっしゃったんです。「最近、日本の会社に元気がないので、皆さんのような若い人たちにぜひ変えてほしい」と。この言葉を聞いたとき、大げさでなく、体に稲妻が走ったような衝撃を受けました。会社は人が集まってできているのだから、会社に元気がないのなら、働く人一人ひとりを元気にすればいいんじゃないか――。ごく自然にそう思ったとき、自分の進むべき道が目の前にパッと開けた気がしたんです。これはおもしろい!と。ずっと関心を持ち続けてきた、“人”への思いやみんなの元気、笑顔、モチベーションといったテーマにも通じる道だと確信し、3年生になったら迷わず、HR分野の第一人者である花田光世先生のゼミに飛び込みました。以来一貫して、人・組織に関わるキャリアを重ね、現在に至っています。

―― 大学卒業後はパソナに入社。米国留学を経て、GE、そしてユニリーバ・ジャパンと活躍のステージを移してこられました。人事プロフェッショナルとしての基礎が固まり、自分でも手応えを感じられるようになった転機はどのあたりでしょうか。

島田由香さん ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長

正直なところ、今でも基礎が固まっているかどうか、自信はありません。ただ、それぞれのステージで学んだ経験は、私にとってどれもかけがえのない財産です。たとえば、先ほど言った「言葉の力」の大切さを最初に教えてくださったのは、花田先生でした。言葉の大切さと言われても、そのときはピンとこなかったのですが、社会へ出て働き始めるとすぐ肚落ちしましたね。だから私は、人事から何かを発信する際、制度のネーミングや施策のキーになるセンテンスなど、言葉の選び方にとても力を入れています。今回、私の受賞理由にも挙げてくださった新人事制度の名称、「WAA」もまさにそうなんです。「働く場所・時間を社員が自由に選べる」という意味である“Work from Anywhere and Anytime”の頭文字をつなげて、読み方は「ワー」。楽しいときやうれしいとき、私たちは「ワーッ!」と声を上げますよね。制度の趣旨が直感的に伝わるように、元気でイキイキ、ワクワクしながら働くことのできる歓びを、「WAA」という音に託して表現してみました。そしてこのスピリットがワーッ!と広まって欲しい。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事にコメントする

この記事に対するご意見・ご感想のコメントをご投稿ください。
※コメントの投稿をするにはログインが必要です。

※コメントのほか、ニックネーム、業種、所在地(都道府県まで)がサイト上に公開されます。

※投稿をしたコメントは、『日本の人事部』事務局で確認後、掲載されます。投稿後すぐには掲載されませんので予めご了承ください。

キーパーソンが語る“人と組織”のバックナンバー

宇田川元一:
組織のわかりあえない対立を読み解く
ナラティヴ・アプローチで人事が果たしうる支援とは
組織にはいろいろな関係が存在しています。上司と部下、経営と現場、営業と企画、製造と開発など、実に多様です。互いの考えが合致し、持ち味を発揮したなら、仕事は円滑に...
2019/10/18掲載
黒田祥子さん:
生産性向上につながる鍵は「週単位」「日単位」の余暇時間
休み方への意識を変えるために人事が取るべき施策とは
2019年は、多くの企業にとって「休み方」を考え直す契機となるのではないでしょうか。平成から令和への改元に伴い、ゴールデンウィークが過去に例のない大型連休となっ...
2019/08/26掲載
川島 薫さん:
社会人として働くことに健常者も障がい者もない
“当たり前”を取り入れた、これからの障がい者雇用とは
楽天グループの特例子会社である、楽天ソシオビジネス株式会社。同社は、設立時より積極的に障がい者採用を行い、高い雇用率と定着率を実現しています。また、特例子会社で...
2019/07/26掲載

関連する記事

プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社:
P&Gは「スキル」に着目したプログラムを、なぜ他社に無償で提供するのか?――「ダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト」発足の背景と活動内容とは(後編)
日本の人事部「HRアワード2016」で企業人事部門 特別賞に輝いた、P&Gジャパン。前編では、「ダイバーシティ&インクルージョン」先進企業である同社が早い時期か...
2017/03/08掲載となりの人事部
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社:
P&Gは「スキル」に着目したプログラムを、なぜ他社に無償で提供するのか?――「ダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト」発足の背景と活動内容とは(前編)
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&Gジャパン)株式会社は、25年前という早い段階からダイバーシティを推進してきた、ダイバーシティ先進企業です。「ダイ...
2017/03/01掲載となりの人事部
島田由香さん:
人事は世の中でもっとも面白い仕事 注目の新制度「WAA」に込めた、
人と組織への熱く深い思いとは(後編)
日本の人事部「HRアワード2016」企業人事部門 個人の部 最優秀賞に輝いた、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス取締役人事総務本部長の島田由香さん。働く場所...
2017/02/23掲載キーパーソンが語る“人と組織”
株式会社アサツー ディ・ケイ:
応募者に「どんな人と、どう働きたいか?」というリアルなイメージを喚起
新卒採用活動の既成概念をリセットし、応募者と社員の相互理解を図る「相棒採用」とは(後編)
「コンシューマー・アクティベーション(消費者に行動を起こさせる)」をビジョンに掲げる、大手広告会社アサツー ディ・ケイ。クライアントの成長に貢献し続ける企業姿勢...
2017/02/13掲載となりの人事部
株式会社アサツー ディ・ケイ:
応募者に「どんな人と、どう働きたいか?」というリアルなイメージを喚起
新卒採用活動の既成概念をリセットし、応募者と社員の相互理解を図る「相棒採用」とは(前編)
グローバルレベルで繰り広げられる厳しいビジネス競争に打ち勝つために、多くの企業が新卒採用に力を注いでいます。大手広告会社のアサツー ディ・ケイでは、従来からの採...
2017/02/06掲載となりの人事部
次世代リーダー育成特集

会員として登録すると、多くの便利なサービスを利用することができます。

3,650社が活用!業界唯一の統合型eラーニング POSITIVE最新版にAI搭載

記事アクセスランキング

注目コンテンツ


次世代リーダー育成特集

さまざまな取り組み方がある「リーダーシップ育成」について手法や外部ソリューションをご紹介します。
コンテンツトップバナー


【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。


「コンプライアンス」が企業に求めているものとは何か?<br />
~法令順守から「期待に応えること」へ

「コンプライアンス」が企業に求めているものとは何か?
~法令順守から「期待に応えること」へ

「コンプライアンス」という言葉が、盛んに使われるようになった。それは近...