複数内定獲得学生に選ばれるためには?
関 夏海(せき なつみ)
「入社予定企業に就職することを決定した理由」では、「会社の雰囲気」がトップでした。その雰囲気に大きく影響を与えているのが「採用担当者」「企業のホームページ」でした。また、「入社予定企業に就職することを決定した理由」の中には、雰囲気以外に採用担当者が影響を与えている選択肢(「採用担当者や社員の人柄」)があることから、採用担当者を企業のイメージに重ねている学生がいかに多いか想像できます。内定辞退を減らすためには、採用担当者から学生に伝わる印象を、できるだけ良いものにする努力が必要です。
また、回答がばらけていたことを忘れてはいけません。「職種」「採用担当者や社員の人柄」「勤務地」「業界」は、入社企業決定理由の中で同程度でした。選択が偏らなかったことを踏まえると、個人で重視する項目が様々であるか、このどれもを重視し、総合的に判断していると考えられます。そのため、企業は様々な面に気を配らなければなりません。内定辞退の防止には、多面的なフォローが必要といえるでしょう。
最後に、学生がいつ頃「内定辞退」をするのかを紹介いたします。前述の学生調査では、内定を2社以上獲得していた2016卒の学生に、内定を辞退した時期を聞いています。
これによると、「2015年8月」が最も多く40.2%、次いで「2015年9月」の26.9%、「2015年7月」の14.5%となりました。経団連の「採用選考に関する指針」では、2016年3月卒の学生を対象にした選考活動の解禁日は8月1日でしたので、選考活動解禁月が最も内定辞退が起こる月となったようです。2017年3月卒の学生を対象にした指針では、選考活動解禁は6月1日となっています。日程が異なるため同じように「選考活動解禁月が最も内定辞退が起こる月」になるとはいえませんが、内定者へフォローを行うなら、このことも意識して動くことが、「内定辞退」を減らし、御社の将来の戦力の確保につながるのではないでしょうか。
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●文/関 夏海(せき なつみ)
2014年、株式会社アイデム入社。同年8月、人と仕事研究所に配属。賃金に関する統計・分析を担当。人と仕事研究所WEBサイトで発信している労働関連ニュースの原稿作成なども行っている。
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