不人気職種に人を集めるには?
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
- 1
- 2
営業職
「営業職」を「やってみたい」と肯定的に捉えている者は、その理由として「人とのコミュニケーションが多そう」と「専門知識や技術が身につく/身につきそう」を挙げ、期待感を持っていることがわかります。
一方で、「やりたくない」と思う理由には、「精神的な負担が多い/多そう」が挙がっており、「営業職」に抵抗のある方の多くは、この点がネックとなっているようです。
介護職
「介護職」を「やってみたい」と思っている者では、その理由として「専門知識や技術が身につく/身につきそう」「社会への貢献度が高い/高そう」「今後成長する/しそうな分野である」が挙がりました。自身や家族の今後に備えて介護の知識を備えておきたいという意向や、高齢化社会の影響による業界の需要増大を期待して、介護職に興味を持っていることが垣間見えます。
一方で、「体力的な負担が多い/多そう」「精神的な負担が多い/多そう」が、「介護職」を「やりたくない」理由として挙がっています。介護職は、身体介護や家族のケアなど、肉体的・精神的にも強さが求められる仕事です。加えて、長らく人手不足と低待遇が課題とされており、厳しいイメージを持っている者が多いことがうかがえます。
サービス職
「サービス職」を「やってみたい」と思っている者の多くは、「人とのコミュニケーションが多い/多そう」という点に魅力を感じています。一方、「やりたくない」と思っている者にとっては、「体力的な負担が多い/多そう」「精神的な負担は多い/多そう」というイメージが強いようです。顧客や個人に対して接客を行う機会が多いサービス職は、人とのふれあいが楽しめる半面、気を遣う場面も多くあることが影響しているように感じられます。
※上記の3職種以外について知りたい方は、『平成25年版パートタイマー白書』の下記をご覧ください。
『平成25年版パートタイマー白書』 →第2章「求人・求職の傾向」- 15.やってみたい/やりたくないと思う職種とそのイメージ
これらを見ていくと、その職種に興味を持っている求職者が、どのような点に魅力を感じているのかが見えてきます。そのポイントを押さえて自社をアピールすることで、求職者に対してより的確に、深く訴求できるのではないでしょうか。
また、その職種に対してあまり良いイメージを持ってない求職者にとって、何がネックとなっているかが推測できます。もし、自社にそのような要素がない、または杞憂であるならば、そういった不安材料がないことを強調することで、求職者の興味を喚起できるかもしれません。
【参考資料】平成25年版パートタイマー白書
調査対象:直近1年以内にパート・アルバイトでの仕事探しをした者で、現在無職またはパート・アルバイトで働いている者 有効回答者:1,438人 調査期間:平成25年4月11日~15日
<パート戦力化に関する取材記事は、人と仕事研究所WEBサイトで検索・閲覧できます> TOP ⇒ コラム/取材記事 ⇒ 現場イズムバックナンバー
詳細はこちらをご覧ください→アイデム人と仕事研究所
●文/古橋 孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動し、毎年パートタイマー白書の企画・調査・発行をトータルで手がける。2012年、新卒採用・就職活動に関する調査等のプロジェクトを立ち上げ、年間約15本の調査の企画・進行管理を行う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトの記事・コンテンツ制作、顧客向け販促資料などの編集業務も行っている。
- 1
- 2
人事の専門メディアやシンクタンクが発表した調査・研究の中から、いま人事として知っておきたい情報をピックアップしました。