パート・アルバイト募集のポイント
古橋 孝美(ふるはし たかみ)
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求職者が重視している情報とは?
では、求職者は、どのような判断基準を持って仕事を探しているのでしょうか。 『平成25年版パートタイマー白書』の個人調査では、パート・アルバイトでの仕事探しをする際に、以下の15項目をどの程度重視するか聞いています。
「重視する」「どちらかと言えば重視する」を合わせた割合を見ると、上位は「勤務時間帯」92.2%、「交通の利便性」91.3%、「労働時間・日数」90.5%となりました。意外なことに、「募集職種(仕事内容)」(83.5%)や「賃金額」(79.4%)よりも、これらの重視度合は高いようです。求職者にとって、時間の融通がきくことや通勤のしやすさなど、自身の生活時間との調整がいかにできるかが大きな関心のようです。
そうは言っても・・・実際、パート・アルバイトはどのくらい働きたいの?
同調査では、希望する勤務時間帯についても聞いています。回答者に、実際に“応募しようと思える”時間帯を全て挙げてもらったところ、「男性(未既婚問わず)」「女性(未婚)」「女性(既婚)」という個人の属性によって、傾向が若干異なっていました。例えば、いわゆる主婦である「女性(既婚)」を見ると、「男性」や「女性(未婚)」に比べてグラフの山部分が高く、かつ幅が狭いことが改めて確認できます。
「女性(既婚)」の約9割が「10~11時」から「13~14時」の間を希望しており、その前後の時間である「9~10時」と「14~15時」の希望者は約8割となっています。勤務開始は9~10時頃、終了は14~15時頃、というのが8割以上の主婦が希望している勤務時間帯のようです。
また、「労働日数・時間」についても、1週間の出勤日数がどのくらいならば、また1日の労働時間がどのくらいならば応募しようと思うのか聞いています。1週間の出勤日数について見ると、「女性(既婚)」は、「週3日」「週4日」「週5日」の勤務を希望する者が3割ですが、「男性」や「女性(未婚)」では「週5日」を希望する者が41.8%と突出して多いです。
1日の労働時間においては、「女性(既婚)」であれば、「4~5時間」または「5~6時間」を希望する者が多いようです。しかし、「男性」や「女性(未婚)では、「7~8時間」が最も希望者が多く、ほぼフルタイムで働きたい意向が見えてきます。
どの企業でもパート・アルバイト募集を行う際には、その仕事内容や勤務時間などから、ある程度想定しているターゲット層があると思います。こういったパート・アルバイトとして働く側の傾向を改めて認識し、求人情報に盛り込むことで、自社がターゲットとしている人材への訴求がより可能になるのではないでしょうか。
●平成25年版パートタイマー白書
調査対象:直近1年以内にパート・アルバイトでの仕事探しをした者で、現在無職またはパート・アルバイトで働いている者 有効回答者:1,438人 調査期間:平成25年4月11日~15日
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●文/古橋 孝美(ふるはし たかみ)
2007年、株式会社アイデム入社。求人広告の営業職として、人事・採用担当者に採用活動の提案を行う。2008年、同社人と仕事研究所に異動し、毎年パートタイマー白書の企画・調査・発行をトータルで手がける。2012年、新卒採用・就職活動に関する調査等のプロジェクトを立ち上げ、年間約15本の調査の企画・進行管理を行う。2015年出産に伴い休職、2016年復職。引き続き、雇用の現状や今後の課題について調査を進める一方、Webサイトの記事・コンテンツ制作、顧客向け販促資料などの編集業務も行っている。
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