ソン?トク?パートの時給アップ
岸川宏(きしかわひろし)
時給アップで、それ以上の利益が!?
10円あるいは5円刻みで、「上げるか」「上げないか」迷う、パートの時給。もちろん企業側としても、「賃上げできるものなら、してあげたい」と思っている場合が多いと思います。
一方、パート・アルバイトを雇用する大きな目的に「人件費を押さえたい」があり、また現在の経済状況からしても、時給を上げることは困難――というのも無理からぬ話です。
しかし、「時給を上げる」結果は、単に「人件費が上がる」、なのでしょうか?実は、「時給を上げること」が、それにより上昇した人件費分以上の利益を、会社にもたらす場合もあるのです。
誰だって給料は高い方がいい
平成23年版のパートタイマー白書では、パート・アルバイトに『自分の働きぶりが、何に反映されると嬉しいか?』を聞いています。結果は、「賃金や手当・賞与等が上がる」が最も多く69.3%。次いで「自分に合った仕事を任せてもらえる」36.1%、「ねぎらいや励まし、期待感を表す言葉をかけられる」31.6%となりました。
【調査概要】●平成23年版 パートタイマー白書 ●有効回答:1025人 ●調査対象:パート・アルバイトで働いている20歳以上の男女(学生除く)
当然ともいえる結果で、「当たり前だろう」、ですよね。誰だって時給は高いにこしたことはありません。ところが現実は、パート・アルバイトの思いどおりにはいかないようで・・・・・・。同調査で、パート・アルバイトに「自身の働きぶりで基本賃金や賞与が変化するか」を聞いたところ、働きぶりによって変化が「ある」という回答は29.3%にとどまり、63.0%が変化は「ない」と回答しました。パート・アルバイトにとって時給が上がることは、「当たり前」ではないようです。
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